子どもの夏風邪:プール熱(咽頭結膜熱) 2022-7-13
前回のヘルパンギーナに続き、今回も夏になるとよく聞くことがあるプール熱(咽頭結膜熱)についてお話したいと思います。今日が子どもの3大夏風邪コラム最後です。
『プール熱(咽頭結膜熱)』
年間を通して発生しますが、主に梅雨の時期から夏にかけて流行するアデノウィルスが原因の感染症です。夏のプールで感染拡大が起こることが多いのでプール熱と呼ばれています。
発症したら出席停止し、症状がなくなって2日後から登校登園可能になりますが、各園で基準が定められているか確認しましょう。
(当園では医師に記入して頂く必要のある登園許可証の提出をお願いしています)
『潜伏期間』
数日から2週間
『症状』
・のどの痛み、食欲不振
・目の充血、目やに
・39℃前後の高熱が数日から1週間程度続く
・頭痛
『症状に対するホームケア』
・のどの痛みがある場合は食事は熱いものを避け柔らかい物や流動状にする
・食事摂取が困難であれば経口補水液などを少量づつでも回数を多く与える
・目やにが多いときは温かく濡らした布で優しく除去する
・高熱でぐったりし一時的に体温を下げてあげたい時は、太い血管が走行する首回りや脇の下、足の付け根を冷やしてあげると効果的
・市販されているおでこに貼る冷却シートを先ほどの部位に貼ることや、保冷剤を布に包んで服の上からその部位に貼っても一時的な解熱効果あり(首を絞めつけるような物を巻いたり、口が塞がれたりしないよう十分な注意が必要)
・高熱が続き医師から解熱剤が処方されたら指示通りに使用する(解熱剤は子どもの体重で投与量が異なるので保護者の判断で投与量や投与間隔などの変更は危険)
・熱は上がるときに手足が冷え寒さを訴えガタガタ震えるため、服装や掛物で保温する
・解熱が始まると汗をかき暑がるため、タオルで拭いてから更衣する
『感染拡大させないために』
くしゃみや咳による飛沫感染と、目やにに触れることによる接触感染が主な感染経路です。そのため、玩具やタオル類の共有は避けましょう。また、塩素消毒が不十分なプールに入ることでも感染は広がるので避けましょう。
便からのウイルス排出期間は長く30日あるので、しっかり手洗いを行いましょう。
子どもの3大夏風邪に対する特効薬は無く対症療法になります。基本の予防は感染者との接触を避け、手洗いなどの感染予防行動や玩具・タオル類の共有をしないことが重要になってきます。
稀に重症化することがあるため、経過を観察して異常を感じた時は速やかにかかりつけ医へご相談ください。
サンライズキッズ保育園では、個人で使用する寝具・食事時のエプロンや手拭きタオルは全てご持参頂き共有はしていません。また、手洗い後も使い捨てペーパータオルを使用しているため安心です。玩具は、次亜塩素酸ナトリウムで毎日消毒し、子ども達の触れる壁や手すりも毎日同じように消毒を行い安全な環境作りを行っています。
サンライズキッズ保育園 看護師 浅井恵理子