サンライズキッズ看護師のコラム

子どもの解熱剤 2022-5-28

顔を真っ赤にし、フーフーと肩で息をして、元気のない我が子を目の前にすると一刻も早く熱を下げてあげたいと思われる保護者様は多いのではないでしょうか?

きっと、解熱剤は何歳から使えるの?どんな種類があるの?どうやって子どもに使うの?など疑問があると思います。

看護師としての経験から、解熱剤についての簡単な説明と使用時のアドバイスをお話します。

 

『解熱剤とは何か?』

病気の原因菌である細菌やウイルスをやっつけるものではなく、一時的に体温を下げるためのお薬です。病気自体が治っていなければ薬の効果が切れてくると再び体温が上昇します。そのため、積極的に使うものではなく高熱があっても子どもが元気であれば使う必要はありません。尚、生後半年未満の乳児では体温が下がりすぎてしまうため医師から処方されない限り使用はしないで下さい。

 

『種類や使い方』

内服薬(散剤・水薬)と座薬があります。

 

散剤:体重に合わせた量が一包化されていて、そのまま子どもに与える。常温保存可能。

⇒幼児期で薬が苦手でなければ粉のままお口に入れてごっくんさせてあげても大丈夫です。

薬が苦手な子どもは、ゼリーでくるんだり、チョコレートアイスなどに混ぜてわからないようにして内服させてあげるのも一つの手段で す。乳児期であれば薬を保護者の指にまとわりつく程度に練り、それを子どもの頬の内側に擦り付け、すぐに飲み物を飲ませると自然にごっくん出来るでしょう。

 

水薬:体重に合わせた量と甘めのシロップが回数分入っているため、指示量の目盛り毎に計量して子どもに与える。冷所保存もあり。

⇒量は多くないため幼児はそのままコップで、乳児は哺乳瓶などに入れてそのままそのままごっくんで大丈夫です。薬が苦手な子どもは飲み物に混ぜる必要がありますが、その際は確実に全量を飲み切れる物に混ぜて下さい。解熱剤は苦みも少なく飲みやすいものですが、ミルクの味が変わりミルク嫌いになるといけないので乳児ではミルクに混ぜないようにしましょう。やむを得ないときは極少量のミルクに混ぜ全量飲み切ってから以後のミルクを与えてください。

 

座薬:一定サイズの為、体重によって指示量にカットする必要あり。冷所保存。

⇒座薬は温かくすると溶けてしまうので必ず冷所保存して下さい。指示量にカットするときは個包装された状態がカットしやすいです。子どもの肛門に挿入するときに痛みとして感じることも多いため、挿入する先端を保護者の体温で温め少し溶かしてあげたり、オリーブ油などを付けてあげると入りやすいでしょう。また、挿入時に子どもが肛門に力を入れてしまわないよう保護者が子どもと一緒に「はあ~ はあ~ はあ~」と肛門を弛緩させる声掛けをすると更に入れやすくなるでしょう。中にしっかり入ってしまえば力まない限り出てこないので、長時間押さえる必要はありません。もしも座薬挿入後に排便があれば座薬が出てきてしまっていないか確認してください。また、追加投与は低体温の原因になるので保護者の判断で行わないようにして下さい。下痢を併発している時に座薬を使用すると下痢を誘発する刺激となるため、使用を見合わせかかりつけ医に相談されると良いでしょう。

 

子どもは大人と同じで、病気になると様々なお薬が処方されます。

今回は解熱剤使用時に使える内容でしたが、次回は子どもの内服薬について少しでもお役に立てるようなお話をしたいと思います。

 

サンライズキッズ保育園 看護師  浅井恵理子