サンライズキッズ看護師のコラム

麻疹(ましん)=はしか 2022-6-17

春から初夏にかけて流行する疾患の一つに麻疹(ましん)があります。一般的には『はしか』と呼ばれている強い感染力のある怖い病気です。2019年に大流行し世界で20万人が亡くなったと言われています。

聞いたことはあっても詳しくわからない保護者様に今回は簡単にお伝えしたいと思います。

 

『どんな病気?』

麻疹ウイルスによって飛沫感染する感染症で、強い感染力があり集団感染しやすい危険な感染症です。

1歳台の子どもに発症することが多く、日本でも年間数十例の幼い命を奪う報告があります。

『症状』

潜伏期間は8-12日で、発症後数日は発熱、咳、鼻汁、目やになど風邪と同じ症状ですが解熱し再び発熱(40℃近い高熱)するときには全身に発疹が広がります。発疹が出ている間も4-5日は高熱が続きます。

発疹が出るまでの間は普通の風邪と区別がつかず診断が難しい時期です。

発疹が出始める前に頬の内側に白い斑点(コプリック斑)ができ24時間で消失しますが、これが見られると麻疹の診断をされます。

全身に出た発疹は大きさがバラバラで時間の経過とともに癒合し、色素沈着を残すのが特徴で、解熱しても長い期間発疹の色が残ります。かゆみや痛みは伴いません。

 

『ホームケア』

【発熱時】

遊ぶ元気があれば室内遊びをしても問題ありません。しかし、屋外遊びは他のお子様との接触の危険があるためやめておきましょう。

高熱でぐったりし一時的に体温を下げてあげたい時は、太い血管が走行する首回り・脇の下・足の付け根を冷やしてあげると効果的です。市販されているおでこに貼る冷却シートを先ほどの部位に貼ることや、保冷剤を布に包んで服の上からその部位に貼っても一時的な効果は得られます。あくまで、苦痛を緩和させるための一時的な対処です。

首を絞めつけるような物を巻いたり、口が塞がれたりしないよう十分に注意してください。

医師から解熱剤が処方された場合は指示に従ってください。解熱剤は子どもの体重で投与量が決まっているので保護者の判断で投与量や投与間隔などを変更することは危険です。

解熱剤は麻疹そのものを治療する薬ではないので、解熱剤の効果が切れれば再び発熱します。

熱は上がるときに手足が冷え、寒さを訴えガタガタ震えます。そんな時は服装や掛物で調整して温めてあげて下さい。逆に解熱が始まると汗をかき暑がるため、タオルで拭いてから肌着なども交換してあげると子どもも気持ちが良いでしょう。

【咳・鼻汁・目やにがある時】

呼吸を楽にしてあげるため室温は高くなり過ぎないように調整し、乾燥を防ぐように湿度を保つようにしましょう。目やにが固まって開眼出来ない時には温かいタオルで取り除いてあげましょう。

高熱も伴い脱水にもなりやすいため、こまめな水分補給と、食事は口当たりの良いものを欲しがる時に食べさせてあげるのが良いでしょう。

『予防できるの?』

麻疹は予防接種を受けていれば、ほとんど感染を防げる病気です。1歳以降の予防接種スケジュールに合わせて接種できるよう調整してください。

『登園許可の目安』

解熱後3日から登園可能ですが、咳や鼻汁が多く日常生活に支障をきたすような状況であればご自宅で落ち着いて過ごすことがお子様にとって良いでしょう。

 

サンライズキッズ保育園では、集団生活における感染症対策の一環として、子ども一人一人の予防接種歴をご家族から聴取しています。

子ども一人一人を大切にし、異常の早期発見と対処に努めています。

 

 

サンライズキッズ保育園  看護師  浅井恵理子