サンライズキッズ看護師のコラム

熱性けいれんが増加中 2022-7-27

聞いたことはあるけれど実際に見たことのない病気は誰でも沢山あります。

乳幼児期の子育てをされている保護者様ならきっと熱性けいれんという言葉を聞いたことがあるでしょう。しかし、実際に目の前で熱性けいれんを見たことがなければ、何が起きているのか?私は何をすべきなのか?今後どうしたらよいのか?など疑問は多いと思います。

現在、コロナウイルスにより子どもの熱性けいれんが増加しています。

今回は簡単に解説し、痙攣に遭遇した時はどうしたらよいかなどをお話したいと思います。

 

『熱性けいれんって何?』

原因は不明で、38℃以上の高熱で急に熱が上昇するときに起きる5分未満の短い痙攣のことを言います。

生後半年から5歳未満に多く、10人に1人の子どもが経験しピークは1歳です。

多くは1回きりですが、3割ぐらいの子どもが2回以上の痙攣を起こします。

遺伝傾向にあり保護者が小児期に熱性けいれんを経験していることもあります。

 

『どんな感じで起きるの?』

突然意識を失い白目をむく

ボーっと一点を見つめ呼びかけに反応しない

呼吸を止めて唇や顔色が悪くなる(紫色や蒼白になる=チアノーゼ)

手足をピクピクさせる

手足や身体がつっぱる

手足を大きくガクンガクンさせる

瞼をピクピクさせる

など、様々な症状が通常は2-3分で収まりますが長く続くこともあります

 

単純型熱性けいれん

・熱性けいれんの8割

・発熱後24時間以内に起こり、全身性の痙攣が数分で収まり、繰り返さない

 

複雑型熱性けいれん

・痙攣時間が15分以上で長く続く

・全身性の痙攣ではなく局所的

・発熱後24時間以降に痙攣したり、繰り返したりする

上記のうち一つでもあれば該当

 

『目の前で痙攣に遭遇したら何をすべきか』

・けいれん開始時間を確認

・呼吸がしやすいよう衣類を緩め安全な場所に寝かせる

・嘔吐に備え身体ごと横向きにする

・けいれんの様子を観察

手足や身体がつっぱる⇒強直性痙攣

手足をピクピクさせる 手足を大きくガクンガクンさせる⇒間代性痙攣

つっぱりからピクピクする⇒強直間代性痙攣

手足のピクピクなどは両方左右対称か?片方だけか?視線はどこか?(黒目の位置)

・けいれんが収まったら何分続いたか確認

・動画撮影出来るものが手元にあれば撮影(その場を離れないことが原則)

・もしも5分以上続く場合は119番で救急車を要請しましょう

・痙攣が収まっても、呼びかけに反応しない、顔色が悪い、再び痙攣することがあればかかりつけ医に相談しましょう

 

 

とは言え、初めて痙攣を見ると動揺して慌ててしまいます。なかなか冷静には居られないでしょう。

しかし、痙攣時の状況を医師に伝えることが診断にも重要になってくるので、遭遇した時の対処法を実践しながら観察できると良いと思います。

 

 

サンライズキッズ保育園では急変時対策をSIDS訓練時に実践しています。保育者全員が急変に遭遇した時の対処方法を実践から学び得て、日々の保育に携わっています。

 

 

サンライズキッズ保育園  看護師  浅井恵理子