子どもが気にする【かさぶた】 2022-6-23
怪我の後にできてしまう【かさぶた】は、多くの子どもが剥がしている気がします。
静かで何かに夢中になっていると思ったら、黙々と剥がしていたり、剥がしたものを持ってきてくれたりしますよね。
でも、それをされてしまうと傷は治らなく繰り返すだけになってしまいます。
今回、怪我の治癒を早めるにはどうしたら良いかお話したいと思います。
『かさぶたっていったい何?』
転倒したり、ひっかいたり、いろんな原因で皮膚には傷がついてしまいます。
その傷から流れ出た血液が固まることで、傷の表面をカバーし、外からのバイ菌の侵入を防いでくれます。
かさぶたの成分は、血液に含まれる赤血球や血小板、フィブリンと呼ばれるたんぱく質です。
『なぜ剥がしたくなるのでしょう』
人は皮膚に傷を作ると、その周囲にヒスタミンという物質が増えます。そのヒスタミンが神経に作用してかゆみを生じさせるので、傷口に出来るかさぶたを掻いてしまい、それが剥がれ、再びかさぶたを形成してしまいます。
子どもはそれが気になり剥がしてしまうのです。シール剥がしと同じ感覚でしょう。
『かさぶたって必要なの?』
傷はかさぶたの下で、湿った状態を保ちながら、通常7-10日ほどで皮膚が再生するため治癒し始めます。そのため、それ以前にかさぶたを剥がしてしまうと、再びかさぶたを形成するところから始まるので治癒は遅れ、傷跡も残ってしまう事になります。
かさぶたは傷の治癒に役立っていることは間違いありませんが、剥がしてしまう行為があるとキレイに治癒しません。
傷は湿った状態で皮膚の再生をするため、かさぶたでなくても湿った状態を保てていれば問題ないということになります。
『かさぶたを作らないためには?』
皮膚の再生を促すには湿った状態が必要なため、市販で売っている湿潤療法(しつじゅんりょうほう)用の絆創膏を使うと治りが早いでしょう。
傷が出来たら、流水でしっかり洗い流し、清潔なガーゼなどで水分を拭きとった後に湿潤療法用絆創膏を貼りましょう。
傷口から出る余分な浸出液を吸収し、バイ菌の増殖を防ぎながら皮膚の再生をして傷が治癒するでしょう。
『観察は重要』
絆創膏を貼ってからも傷の経過は観察してください。
傷口が熱を持っていたり、周囲が赤く腫れてきたり、かゆみが強くなるようであれば感染兆候のため、かかりつけ医にご相談ください。
サンライズキッズ保育園では、園児が怪我をした場合、流水で洗い流した後に清潔な布で拭き取り、降園までの間に触ってしまわないように絆創膏を貼り保護します。浸出液を伴なう傷の場合は、降園後に湿潤療法用絆創膏を使用して頂く提案などもさせて頂いています。
サンライズキッズ保育園 看護師 浅井恵理子