国や文化が違っても共通点って実は意外とあるんです。
ここでは、国際結婚や恋愛の体験談をご紹介しています。
今回お会いしたのはドイツ人と交際中の20代、E子さん。ドイツと日本の国民性において共通点は多いようで、いろいろ話が合うこともあるそうです。国際結婚も考えている彼女から、外国人との恋愛について色々と体験談を伺ってみます。
編集者:こんにちは。まず、そもそもの出会いはどんなことからだったのですか?
E子さん:彼が友達と二人で日本に旅行に来ていたんです。私も友達と二人でいたのですが、たまたま道を聞かれ、自分の知っている場所だったので案内をしてあげました。そうしたら、カタコトの日本語で「お礼にお昼をごちそうする、良い場所を教えて」と言われ、一緒にお昼を食べたんです。そんなこんなで仲良くなり、連絡を取り合ううちに、恋愛に発展しました。
編集者:ということは、もうドイツに帰ってしまったのですか?超遠距離恋愛中ですか?
E子さん:いいえ。実は、彼は日本で仕事を探したかったようなのです。学校で国際理解関連の授業の一環で外国人講師からその国の文化などを学ぶのですが、そんな仕事に就きたかったようです。一旦は準備で帰国してましたが、再び来日してその外国人講師募集に応募して見事合格しました。
編集者:それは本当にラッキーでしたね。でも彼も、実は日本で色々とサポートしてくれる彼女が欲しかったのではないでしょうか?
E子さん:ふふふ・・・彼もそんなことを言っていました。だから私に道を聞いて一緒にお昼を食べたりしているうちに、「この子だ!」と思ってくれたらしいです。
編集者:ちょっとのろけました(笑)?
E子さん:あ、すみません(笑)恋愛中なもので。彼とはいずれ結婚・・・そう、国際結婚が出来たらいいな、と思っています。
編集者:ところで、付き合い始めてから、日本人と似ているところがあるな、と感じたことがあったそうですが?
E子さん:そうなんです。彼はあまり行き当たりばったりなことはしません。仕事やプライベートなど、いろいろなことに対して、情報が整理されていて、きちんと準備しています。意外と緻密というか、几帳面というか。なので、実際に仕事や恋愛などで大きなミスをしたりせず、スムーズに事が運ぶようです。
編集者:相手を思いやって、計画を立てる・・・日本人に似ているかもしれませんね。
E子さん:そう思いますよね。日本人も「おもてなし」などと言われて久しいですが、相手の立場に立って、ストレス無く快い時間や空間を提供したいとの思いからなのかもしれません。ここは私たち日本人に通じるな、と思います。
編集者:他にはありますか?
E子さん:相手の信頼を得るための行動がきちんと出来るところです。たとえば時間を守ること。日本では一般的に無断での遅刻は厳禁です。ドイツ人もほぼ同じ考えのようです。先ほどの話に似ていますが、これも他人に迷惑を掛けない、という、日本人と似ている気質があるようです。ただ、本土では仕事の時間もきっちりしていて、残業もあまりやらない文化だそうですが、日本に来てからは学校関係の職場なので、ちょくちょく残業はあり、それは仕方ないなと彼は言っています。
編集者:なるほど。日本に来てから、働き方は少し変わったのかもしれませんね。
E子さん:そうですね。ですが、彼にとって日本人はちょっと働きすぎに映るようです。「バカンス」っていう文化がない、と嘆いていたこともありました。
編集者:外国人の方によく、日本人は働きすぎ、と言われますものね。
E子さん:そうですね。ドイツ人は周りの人を大切に思い、気を使う所はありますが、基本的に個人主義です。自分を犠牲にしてまで他人に尽くすことにあまり美徳感が無いようです。
日本人って義理や人情が働くでしょ?ドイツ人ってそういう感覚があまり無いんです。だから彼は、「日本がこれだけの経済大国と言われる理由が分かる。他人のために尽くしすぎだ」とよく言っていますよ。結婚や恋愛に対しても意外とドライで、常にベタベタすることはありません。
編集者:日本社会って義理人情やお付き合いの関係を大切にしますものね。日本人は数字に表れない所で、非常に努力をしているのかもしれません。
E子さん:日本では一般的に相手に電話を掛けたらまず「お忙しい所恐縮です・・・」のような表現を社交辞令のように使います。
編集者:日本では礼儀ですよね?
E子さん:私もそう思っていたんです、でも彼は、その言い方は失礼にあたる、って言うんですよ。なぜかって聞いたら、「仕事が忙しいのは時間内に終わらない人間、用意周到ではない」と言うんです。どちらかと言うと「休めないかわいそうな人」だと。日本では「仕事がたくさん舞い込んでくるのは、仕事が出来る人だから」っていう意味があると言ったら、あまり理解出来ない、と言われてしまいました。
編集者:同じ言葉でもとらえ方が違うのですね。本当に話してみて色々と文化の違いを発見出来ることってあるのですね。終始、まじめな話が多かったのもお互いの国民性かもしれません。
E子さん、今日は貴重な恋愛体験談をありがとうございました。今後も長くお付き合いが続き、国際結婚に至ることを祈っています。