蜂蜜はいつから与えて良いの? 2023-12-23
数年前、生後半年の赤ちゃんが約二か月間蜂蜜を与えられて「乳児ボツリヌス症」という病名で亡くなりました。
乳児ボツリヌス症は、日本では過去に約20例、欧米では年間100例以上の報告があります。
発生原因として、食品としての蜂蜜が指摘されていますが、蜂蜜ではない報告もされています。
では、なぜ蜂蜜が赤ちゃんにとって良くないものなのかお話したいと思います。
『ボツリヌス菌とは』
海や川、土壌の中に存在する細菌で、食品を介して人体に入った場合、大人は腸内細菌がボツリヌス菌よりも強い為通常は何も起こりません。
しかし、1歳未満の赤ちゃんの場合、腸内細菌が整っておらず、ボツリヌス菌が腸内で増殖してしまいます。
『何が起きるの?』
ボツリヌス菌が腸内で毒素を出し、便秘、全身の筋力低下、哺乳力低下、無表情になる、首の筋力が落ちて頭を支えられなくなる、などの症状が出ます。
多くは適切な治療を受けると改善しますが、初めに紹介しした事例のようになくなるケースもあります。
『なぜ蜂蜜と言われているの?』
ボツリヌス菌は熱に強い細菌で、耐熱性は120℃で4分と言われ通常の加熱調理ではボツリヌス菌は死にません。
通常、蜂蜜は加熱処理をしないためボツリヌス菌が混入している事があり、乳児ボツリヌス症の原因食材として蜂蜜が報告され、厚生労働省からの通知後には蜂蜜が原因での報告事例は減少しています。
1歳未満のお子様には蜂蜜入りの食材を与えないようにしましょう
サンライズキッズ保育園では、1歳未満児に蜂蜜を使った給食やおやつの提供は行っておりません。また、自園調理のためアレルギー対応の食材がある場合は、他の園児にもその食材を使用しないよう注意を払っています。
サンライズキッズ保育園 看護師 浅井恵理子