早期発見が重要!腸重積(ちょうじゅうせき) 2022-12-1
絶対に見逃してはいけない子どもの腹痛で、腸重積があります。
聞いたことが無ければ、どんな病態かもわからない人が多いと思います。
今回は、「聞いたことある!腸重積」と思って頂けるようにお話したいと思います。
『どんな病気』
簡単に言えば、腸が腸の中にスライドして(長い筒状の物を短く縮める要領)入り込んでしまう状態を言います。
縮こまった腸は、食べたものも通過できず、血流も悪くなりひどい時には壊死をさせてしまったり、最悪死に至ることもあります。
子どもの発症原因は、はっきりと解明されていませんが、胃腸炎などの感染症をきっかけにリンパ組織が肥大したり、腸の蠕動(ぜんどう)運動(=食べたものを移動させる筋肉の収縮運動)異常ではないかと言われています。
『好発年齢』
0-2歳の乳児に多い
『症状』
三大主症状
・嘔吐:腹痛の後に嘔吐が始まることが多い
・腹痛:急にぐったりしたり泣いたりを間欠的に繰り返し痛がる
・下血:イチゴゼリーやイチゴジャムのような血便
全てが揃わないこともあります。
血便が出た時は袋にオムツごと入れて捨てずにいてください。
『直ぐに受診』
三大主症状があれば腸重積を真っ先に疑います。
放置すると症状は悪化し、腸が壊死してしまうため夜間や休日であっても救急の外来を受診してください。血便が出た場合は、必ず持参して医師へ見せてください。
三大主症状が揃わなくても、疑わしい時はかかりつけ医や小児救急相談電話などで医師の判断を仰ぎましょう。
『治療は手術?』
約8割が肛門から造影剤や空気を注入して腸を元の形に戻す整復術で治りますが、24時間以内に再発する可能性があるので入院します。
そして、造影剤や空気による整復術で腸の形が戻らなかった場合は、開腹手術になります。
腸重積がどんな病気か少しだけでもご理解いただければ、早期発見・早期治療に繋がると思っています。
ご家族の言われる「何かいつもと違う」は、ご家族にしかわからない指標です。
ですが、とても大事なことなのです。
その言葉から、医療従事者が子どもに何が起きているのか探していきます。
サンライズキッズ保育園では、ご家族の視点や日頃保育している保育者の視点を大事にし、異常の早期発見や対処に努めています。
サンライズキッズ保育園 看護師 浅井恵理子