子どもの夏風邪:手足口病 2022-7-11
梅雨の時期から夏にかけては気温や気圧の変動で体調を崩しやすくなります。
抵抗力が落ちていると感染症に罹患しやすくなりますが、この時期流行しやすいのが、手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱(咽頭結膜熱)です。
この3大夏風邪に注目して一つずつお話していきたいと思います。
『手足口病』
夏に流行するエンテロウイルス・コクサッキーウイルスが原因の感染症です。
5歳未満の子どもに多く、まれに大人も感染します。また、ウイルスの型が複数あるので何度も感染してしまう事もある疾患です。
稀に髄膜炎(ずいまくえん)や脳炎、ギランバレー症候群などの重篤な合併症が起こる場合もあります。
厳密な登校登園停止措置はないため、それぞれの症状に応じて判断する必要があります。各園で基準が定められているか確認しましょう。(当園では医師の診断のもと、登園届の提出をお願いしています)
『潜伏期間』
3~6日
『症状』
・手足に数ミリ程度の水泡性の発疹ができ、一週間程度でかさぶたにならずに消退
・口の粘膜にも同様の発疹が出来るが、水泡がつぶれて口内炎になり痛みを伴う
・発疹が出来るころに38℃以下の発熱をすることがある
『症状に対するホームケア』
・水泡をつぶさないよう爪の長さに注意
・口内炎による痛みがあれば食事は熱いものを避け柔らかい物や流動状にする
・食事摂取が困難であれば経口補水液などをこまめに与える
・高熱でぐったりし一時的に体温を下げてあげたい時は、太い血管が走行する首回りや脇の下・足の付け根を冷やしてあげると効果的
・市販されているおでこに貼る冷却シートを先ほどの部位に貼ることや、保冷剤を布に包んで服の上からその部位に貼っても一時的な解熱効果あり(首を絞めつけるような物を巻いたり、口が塞がれたりしないよう十分な注意が必要)
『感染拡大させないために』
くしゃみや咳による飛沫感染、唾液や鼻水に触れることによる接触感染が主な感染経路です。そのため、玩具やタオル類の共有は避けましょう。また、便からも2~4週間はウイルスが排出されるため手洗いもしっかり行いましょう。
サンライズキッズ保育園では、子ども達の全身チェックを登園時に行い、発熱の有無、怪我の有無、発疹の有無や部位・程度などを観察し保育中に変化が無いかを継続して見ていきます。経過観察が必要な内容は保育士間で情報共有し、小さな変化も見逃さないように努めています。
次回は3大夏風邪「ヘルパンギーナ」についてお話したいと思います。
サンライズキッズ保育園 看護師 浅井恵理子