乳児期の子どもに処方される内服薬と飲ませ方のコツ 2022-5-30
子どもが病気になり内服薬を処方されても「どうやって飲ませるの?」「いつ飲ませるの?」と悩まれる保護者様も多いのではないでしょうか?
私自身も看護師一年目の4月は「赤ちゃんに粉薬ってどうやって飲ませるの?」「ミルクに入れて飲ませるの?ミルクの後に飲ませるの?」などと悩んだ記憶があります。
今回、小児看護で実践していた子どもへの内服方法についてお話しします。
『乳児に処方されるお薬の形態』
乳児には大人と違い錠剤やカプセル薬は処方されません。
主に散剤(粉薬・顆粒状)や水薬です
・粉薬はさらさらした粉状のもので水に溶けやすいものが多い
・顆粒剤はつぶつぶし、水には溶けにくいためスプーンなどで潰す必要がある
・散剤は一回毎の内服量が個包装されている
・水薬はシロップなどと一緒に調合してあることが多く冷所保存
・水薬は処方日数分がボトルに入っていて一回量毎に目盛りを見て計量する必要がある
『乳児にはいつ内服させてあげるのがベストか?』
子どものお薬は特殊なお薬を除き、基本的には食後にこだわる必要はありません。空腹時に内服しても胃を荒らしてしまう事もないため、食前空腹時で問題ありません。
経験上、食後では満腹になると飲めなかったり、薬嫌いの子どもの場合は泣いてしまい摂取した食事を嘔吐してしまったりするので食前がお勧めです。
哺乳回数も多く離乳食に移行する前の場合は、一日3回の内服であれば5-6時間空けた朝・昼・夜(大体の目安で時間をきちんと決める必要はないです)、一日2回の内服であれば12時間ぐらい空けた朝・夜で大丈夫でしょう。いずれも哺乳前に内服させることがベストです。
『飲ませ方のいろいろ』
水薬はそのままを哺乳瓶に入れて飲ませて大丈夫です。ミルクや他の飲み物に混ぜなくても甘みがあるので多くの子どもはそのまま飲めます。
粉薬は極少量の水で練り、子どもの頬の内側に擦り付けて直ぐにミルクや母乳を与えると自然に内服できます。
顆粒剤はそのままでは練ることも溶かすことも難しいため、潰してから粉薬と同様の手順を踏んでください。
何かに混ぜて内服させる場合の注意点
混ぜるものによっては乳製品と相性が悪く苦みが増すものもあるため、処方された時点で混ぜてはいけないものがないか薬剤師に確認してから受け取りましょう。
薬を何かに混ぜるときは、必ず飲み切れる量に混ぜるようにし、薬の一回量をきちんと守りましょう。
今回は乳児期のお薬についてお話ししましたが、次回は幼児期の子どもの内服についてお話したいと思います。
サンライズキッズ保育園 看護師 浅井恵理子