サンライズキッズ看護師のコラム

冬にやってくる敵「インフルエンザ」を乗り越えよう! 2025-11-21

最近は朝晩急激に気温が低くなり、寒い!と感じる日が増えてきましたね。
そんな寒い冬は感染症のオンパレード。いろんな病気にかかりやすくなってしまう時期でもあります。
そこで特に冬に流行する「インフルエンザ」についてお話ししていきたいと思います。

インフルエンザってどんな病気?

近年インフルエンザは1年中を通しての感染がありますが、冬の時期に流行することが多いです。
A、B、C型の3種類があり、年によって種類が違うものが流行していきます。
人のくしゃみや唾が飛んで、それを吸い込むことで発症する飛沫感染になります。(飛沫感染は感染した人から1〜2m以内のところが感染する可能性が高いです)
潜伏期間は1〜3日程度でそこから発症します。かかった場合は発症前1日前から発症後7日間は感染力が強くなり、感染が広がることがあります。
重症化するとインフルエンザ脳症や肺炎、中耳炎の合併、熱性痙攣、気管支喘息の誘発にも繋がります。

潜伏期間

1〜2日

症状

・突然の発熱(38℃以上)

・咳

・頭痛

・目の充血

・寒気

・筋肉痛

・全身倦怠感

・食欲不振

・くしゃみ

・鼻水

・喉の痛み

・嘔吐

・下痢

・腹痛

治療法

・抗インフルエンザ薬(発症から48時間以内に服用をすると、ウイルスが増えるのを抑えてくれて症状が軽くなることがあります。吸入薬、点滴、飲み薬など種類があり、回数も変わります。)

・対症療法(高熱…解熱薬、咳…鎮咳薬、痰…去痰薬等)

の2つがメインになります。

 

⚠️解熱剤でアスピリンを使うのはやめましょう!!

アスピリンを服用するとライ症候群という急性脳症や肝障害を起こして命の危険があります。

日本小児学会ではカロナール成分のアセトアミノフェンの入っているものの服用を勧めています。

家庭で行えるケア

・こまめな水分補給をしましょう。

・暑い時は薄着に着替えさせ、首、脇、股関節など大きな血管が通るところを冷やしましょう。

・十分な睡眠が病気の治る鍵になります。

・食べやすいものを与えましょう。(消化に優しい食べ物がおすすめです⭐︎)

・熱が下がっても感染力は残っているため、医師からの登園許可が出てから登園をしてください。)

(薬を飲んでくれない!どうすればいいの?)

 

1.哺乳瓶を活用してみよう。(シロップの場合)

→首の座っていない赤ちゃんにおすすめです。シロップなど量が少ないものには、哺乳瓶の乳首のところに入れると飲みやすいです。

※完全母乳の子どもは嫌がる可能性があります。

 

2.スポイトを使ってみよう。

→スポイトは、苦味を感じることなく、赤ちゃんに薬を飲ませるのに便利な道具です。スポイトでシロップ薬(少量の水で溶いた粉薬も可)を吸い取り、舌の付け根と頬の間に垂らすようにしてください。

スポイトは、薬局で薬をもらうときについてきたり、申し出れば100円程度で購入も可能です。

 

3.練薬にしてみよう。

→手洗いをした後に、粉薬にごく少量(スポイトで1滴か2滴)の水を垂らして、手で練り上げましょう。練った薬を赤ちゃんのあごやほおの内側に塗り付けて、白湯などを与えたり、授乳してみましょう。コツは水を少なめにすること!

 

4.ゼリーを活用してみよう。

→ドラッグストアや薬局では、乳幼児用のお薬専用ゼリーが販売されています。使用のポイントは、ゼリーで粉薬全体を包み込むようにすること。
お薬専用ゼリー・市販のゼリーに限らず、全体に粉薬をまぶしたり、ゼリーの表面部分に粉薬がついてしまっていると、ゼリーよりも先に薬の苦みを赤ちゃんが感じてしまい、余計に飲みにくくなります。

※こんにゃくを使ったゼリーなど、喉に詰まってしまう恐れがあるゼリー(溶けにくく、弾力が強いもの)はNGです!

・アイスクリームを使ってみよう。

→冷凍庫からすぐに出して混ぜるのではなく、15分ほど待ち、柔らかくなったものに粉薬を混ぜましょう。薬を混ぜるところは、赤ちゃんに見られないようにしてください。

 

!この飲ませ方だけはやめましょう!

・ミルクや母乳に混ぜて飲ませる。
赤ちゃんがいつものミルクや母乳との味の違いに気が付くと、吐き出してしまう子もいます。

そうなると次回からミルクや母乳を嫌がって飲まなくなってしまう恐れがあります。

赤ちゃんにとって貴重な栄養源を飲まなくなってしまうのは大問題です。絶対にやめましょう。

 

・フルーツジュースに混ぜて飲ませる。

基本的に薬の混ぜ物としてフルーツジュースは向いていません。混ぜると苦味や酸味が強調されてしまいます。スポーツドリンクなども苦みが強くなるためおすすめできません。

※例外としてフルーツジュースで飲みやすくなるものもありますが、薬剤師に相談してからにしましょう。

登園基準

学校保健安全法によると「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児の場合は3日)を経するまで」となっています。

「発症」とは「発熱」の症状が現れたことを指します。発熱が始まった日を含まず、翌日を1日目と数えます。

「解熱した後2日」は熱が下がったその日はカウントせずに、次の日から1日目と数えます。

対策

・予防接種を10~12月の間に2回接種するとかかりにくい、もしくはかかっても症状を軽くすることができます。

・手洗い、うがいをしましょう。

・湿度、温度、換気に気をつけましょう。

・バランスの良い食事、十分な睡眠で生活リズムを整えましょう。

・子どもがいつもよりも疲れている、もしくはお出かけが多い時には、睡眠を多く取りましょう。

 

おまけコラム たくさん睡眠を取ることの大切さ

先ほどから睡眠の大切さを話しているのですが、なぜここまで大切にしているかというと、以下の理由があります。

  • 脳の発達を促す:睡眠によって、特に記憶や神経系の発達が促されます。
  • エモートの安定を促す:睡眠によってホルモンバランスが変化し、情緒が安定します。
  • 身体の発達を促す:睡眠によって日中の活動の質が高まり、身体の発達も促されます。
  • 免疫力を高める:睡眠によって免疫力が向上し、病気の予防に役立ちます。
  • 疲労を回復する:睡眠によって、日中活動した脳や体を休め、疲労を回復します。
  • 傷ついた細胞を修復する:睡眠によって、傷ついた細胞を修復します。
  • 学習したことを脳に定着させる:睡眠によって、日中に見たことや学習したことを脳に定着させたり、整理したりします。

 

とはいえ、なかなか子どもが寝ない!仕事が忙しくて早く寝かしつけるなんて無理!

と思うかもしれません。

ただ、たった5分でも早く寝る時間を作ることや、お昼寝を積極的に取り入れることで、子どもの睡眠の確保につながります。

もし子どもの睡眠で困ってしまったときには、いつでも保育士に相談をしてください♬

いよいよ冬本番で感染症も多くなってくる時期。そんな時期でも子どもも保護者の皆様も元気に過ごせることを心よりお祈りを申し上げます。

 

看護師 根上心