溶連菌感染症の症状に対するホームケア 2022-5-16
初めて子育てをされる方も子育て経験者でも、初めて知る病気・症状はいくつもあると思います。私自身、看護師として小児科病棟に勤務していた頃も聞いたことのない病名は山ほどあり日々勉強でした。
今回は、前回お話した溶連菌感染症に子どもが罹患した際、自宅で行えるホームケアについてお話します。
『咽頭痛(のどの痛み)』
溶連菌感染症は数日の潜伏期間を経て咽頭痛や発熱で発症することが多いです。
「のどが痛い」と自ら伝えることが出来る子どもでなければ、不機嫌・よだれが増える・食事を嫌がる・ごっくんするときにしかめっ面をする・手を口に入れようとするなどのサインを出すため見逃さないようにしましょう。
痛みがあるときに保護者として出来る事
子どもは大人よりも不感蒸泄も多く、発熱で身体の水分も奪われるため脱水にならないように刺激の少ない水分(極端に熱いもの・冷たいもの・炭酸・柑橘系を避ける)をこまめに与えましょう。
食事はのど越しの良い粥・軟飯・おじや・煮込みうどんやヨーグルト・ゼリーなどが食べやすいでしょう。
また、室内は乾燥しないよう湿度を保つよう調整し、高熱などでぐったりしていなければお風呂で加湿してあげることも喉には優しいでしょう。
『高熱38-39℃』
咽頭痛と共に早期に高熱を発症します。
いつも遊んでいる時間に寝ている・不機嫌・ボーっとしている・身体がポカポカする・
顔が赤い・食欲がない様子があれば体温を測定しましょう。
発熱時に保護者として出来る事
遊ぶ元気があれば室内遊びをしても問題ありません。しかし、発熱時の屋外遊びは他
のお子様との接触の危険があるため感染症を疑う期間はやめておきましょう。
高熱でぐったりし一時的に体温を下げてあげたい時は、太い血管が走行する首回り・脇
の下・足の付け根を冷やしてあげると効果的です。市販されているおでこに貼る冷却シ
ートを先ほどの部位に貼ることや、保冷剤を布に包んで服の上からその部位に貼って
も一時的な効果は得られます。あくまで、苦痛を緩和させるための一時的な対処です。
首を絞めつけるような物を巻いたり、口が塞がれたりしないよう十分に注意してくだ
さい。
医師から解熱剤が処方された場合は指示に従ってください。解熱剤は子どもの体重で
投与量が決まっているので保護者の判断で投与量や投与間隔などを変更することは危
険です。
解熱剤は溶連菌感染症そのものを治療する薬ではないので、解熱剤の効果が切れれば
再び発熱します。
熱は上がるときに手足が冷え、寒さを訴えガタガタ震えます。そんな時は服装や掛物で
調整して温めてあげて下さい。逆に解熱が始まると汗をかき暑がるため、タオルで拭い
てから肌着なども交換してあげると子どもも気持ちが良いでしょう。
『イチゴ舌(舌にイチゴの様なぶつぶつが出来る)』
気が付かない子どもが多いですが、気が付き心配すようでしたらゆっくり治っていく
ことを伝えてあげましょう。数週間残ることもあります。
『体や手足に赤い点状の発疹』
発熱・咽頭痛から数日後に体幹やや四肢に細かく赤みを伴なう発疹が出ることがあり
ます。これはかゆみを伴うこともあります。
かゆみがあるときに保護者として出来る事
かゆみは体温が上がると増すため、発熱で寒がっていなければ室温を快適な温度に下
げるか、服装を調整するか、保冷材などで部分的に冷やしてあげるのも良いでしょう。
遊ぶ元気があればかゆみから気をそらしてあげるのも効果的です。
かきむしってしまうときに爪が長いと皮膚に傷がついてしまうので爪の長さにも注意
しましょう。
溶連菌感染症ではこの他にも様々な症状が出現します。
今回は代表的な症状に対するホームケアをご紹介させて頂きました。
サンライズキッズ保育園 看護師 浅井恵理子