うんち:下痢 2022-8-10
乳幼児の便は大人よりも柔らかく有形ではないことも多いです。
日頃から、お子様の便の固さ、回数、色、においなどを知っておくと変化に気が付けるでしょう。
では、いったいどんな便が出た時に注意すべきなのか、その時どうしたら良いかお話したいと思います。
『下痢の原因』
細菌やウイルスによる感染
特定の食材摂取による要因(ミルクが合わない 乳製品や繊維質の過剰摂取)
入園や進級などの環境変化が起きた時の精神的な要因
『観察すべき項目』
便の形:柔らかい 泥状 水様
便の色:血液混入の赤 黒色 酒粕様の白色 食べたものが不消化で混入
便のにおい:いつもと変わらない 鉄さび様 酸っぱい独特な酸臭
便の回数やタイミング:2-3回程度 頻回 ミルク直後に毎回
随伴症状:腹痛 腹部の張り 嘔気 嘔吐 発熱
食欲:いつも通り摂取 食欲減退 水分摂取も困難
機嫌や活気:元気に遊べている 表情が乏しく身体を動かそうとしない 無表情でぐったりしている
『ホームケアとして出来る事』
精神的な要因が考えられるときは、ゆったりとした環境で子どもの気持ちに寄り添いゆっくり話を聞く時間を設ける
睡眠時間を十分にとる(早寝して起床時に朝日を浴びて体内時計を整える)
下痢便排出時のお尻ケア
ごしごし拭くと皮膚にダメージがいくため、そっと押さえ拭きか微温湯で洗い流す
頻回に洗うと皮膚の水分や油分が奪われるのでワセリンなどで保湿も同時に行う
すでに肛門周囲が赤くただれているときは小児科や皮膚科へ相談する
食事の工夫
特定のミルクを飲んだ直後に毎回下痢をするようであればメーカーを変える
濃いミルクではなくいつもと同じものか2/3~1/2に薄めたミルクを与える
離乳食の段階では一段階前のレベルに戻す
幼児食では消化の良いものを油以外の煮る・蒸すなどの調理法で柔らかくする
食物繊維が多いものや油分の多いものは避ける
酸味の強いものや刺激物は避ける
ミルクや食事共に一回量を減らし、回数を増やす
食欲がなければ無理に与えない
水分の与え方
常温や人肌程度に温めたイオン水やお茶をこまめに与える
乳飲料や柑橘系のジュースは刺激になるので避ける
感染性胃腸炎と診断された場合
おむつ交換は使い捨ての手袋を装着し袋に入れて密閉する
トイレへ排便のたびに次亜塩素酸で便器を消毒
便の付着した衣類や家具も次亜塩素酸で消毒
必ず石鹸で手洗い
おむつ交換した部屋は喚起を十分にする
『かかりつけ医へ相談』
血液混入した赤色や黒色の便が出た時はその便を持参する(医師に見せる可能性があるため写真に撮っておくと良い)
酸っぱいにおいの白色便が出た時はおむつを密閉して持参する(医師から検査提出を求められる可能性があるため)
ミルクのメーカーを変えても毎回下痢をするときはミルクアレルギーの可能性あり
水分摂取が出来なくぐったりし、皮膚のしわやたるみが見えたら脱水を疑う
随伴症状が顕著に現れている
毎日見る事ができる便だからこそ、異常時には早期に発見し対処できると子どもの苦痛が少なく済むでしょう。
サンライズキッズ保育園では、下痢の場合は感染症を考慮した処理方法で対応しています。便の色・におい・回数・食事内容・ほかに何か随伴症状は無いかなども観察して保護者様へお伝えしています。
サンライズキッズ保育園 看護師 浅井恵理子