子どもが好きな絆創膏 2022-7-7
怪我をしていないのに「貼ってー 貼ってー」貼った後は「見てー 見てー」と嬉しそうな表情。時には、「痛い 痛い」と痛そうな表情をしながら見せてくるなど、絆創膏を貼りたがる子どもってどうして多いのでしょう。
子どもの心理を理解しつつ、不適切な絆創膏の使用法から招かれる結果についてお話したいと思います。
『絆創膏の本来の使用目的』
擦り傷、切り傷、掻き傷、刺し傷などの浅い傷の保護が本来の目的です。しかし、子どもの場合は、視覚から痛みの緩和や注意分散など隠すことによって傷があることを忘れさせてあげることも使用目的としてあるかもしれないですね。
実際、傷を見て泣き止まない子どもが、お気に入りのキャラクターの描かれた絆創膏を貼ることによって気持ちが落ち着いて泣き止んだり、見える傷があることによってずっと触って他事に集中出来ない時に、絆創膏を貼ることで傷の存在を忘れさせてくれたりすることもありました。傷の保護よりも安心材料としての使用をすることがありますね。
『不適切な使用とは』
深い傷や傷口から出血量が多い時や、膿が出ている時、傷の周囲が腫れたり赤く熱感を持ったりしている時は使用を見合わせて、かかりつけ医に適切な処置方法をご相談ください。
絆創膏を貼りっぱなしにしていると、その部分が蒸れてしまったり、貼ったまま水に濡れた状態を保ってしまうと、皮膚がふやけてしまったりします。これを【浸軟(しんなん)】と言います。浸軟は皮膚の角質部分が水分を沢山吸収して白色にふやけた状態を指し、小さな刺激でも傷がつきやすく、感染も起こしやすいもろい状態なので注意が必要です。
『どうしたら良いのか』
子どもの安心材料として貼ることは、子どもとのコミュニケーションの一環として間違いではないのでしてあげても良いでしょう。しかし、長時間の貼りっぱなしやプール・入浴などの時には剥がして、皮膚が浸軟することを避けましょう。
適切な判断の元で使用している湿潤療法用絆創膏の場合は貼りっぱなしで効果が出るので、剥がす必要はないです。
絆創膏をシールの様に遊んで使用するようであれば、市販のシールやマスキングテープなどで繰り返し出来る遊びを提供しましょう。
サンライズキッズ保育園では、絆創膏を登園時に貼付している園児には理由をご家族へ尋ねます。不要な場合は使用を見合わせ、必要な状況であれば使用理由を保育者間で情報共有します。また、園で怪我をした場合は必要に応じて使用します。勿論、精神的な安定のために一時的に貼付することもありますが、水遊びの際には不要な絆創膏は剥がしています。
サンライズキッズ保育園 看護師 浅井恵理子