サンライズキッズ看護師のコラム

最近聞く「自己肯定感」ってどうやって育てていくのが大切なの? 2025-4-25

最近の育児でよく「自己肯定感」という言葉を聞くことがありませんか?

自己肯定感とは「ありのままの自分を肯定する感覚」と言われています。これは自分と他人を比較せずに受け入れて、尊重することです。これがあることで新しいことに挑戦をしやすくなり、物事に対して前向きに考えることができます。

 

これは早いうちから、身に着けていくことが大切です。ですが「小さい時から自己肯定感を育てるのってどうすればいいの?子どもは幼いからわからないと思うけど・・・」と感じてしまうこともありますよね。

 

そこで自分の身体に興味を持ち始める3歳児ごろから始められる、日常での関わり方をお話していきたいと思います。

 

人はそれぞれ違うということを大前提として伝えていこう!】

乳幼児期~幼児期は成長が著しい時期にもなり、いろんなことができるようになってきます。しかしその中でもどうしても成長・発達のスピードに差が出てくることもあります。

そんな時に伝えたいのは「人はそれぞれ違う、あなたはそのままでいい」ということです。

 

見た目や考え方、成長スピード、家庭環境などのバックグラウンドはそれぞれ違っています。

そこで「痩せている方がかわいいね」「背が高い方がかっこいいね」と世間ではこうあるべき!という枠組みで伝えるのではなく、「今のあなたのままで良い」ということを繰り返し伝えていくようにしていきましょう。

 

「美しさ」や「普通」についての価値基準を広げるためにも、アニメや絵本などを活用して、さまざまなアイデンティティや肌の色を持った人たちの登場するストーリーを紹介するのもおすすめです。

これが小さいころから習慣として繰り返されることで、思春期の時に誰かと比べても、「自分は自分。他者を尊重する」という考えを持って、安定した生活をしやすくなります。

 

【誰かと比べる発言をしていない?】

お子さんと同世代の子、もしくは兄弟を見ると、つい比較してしまうことはありませんか?

Aちゃんはもうできているのに、あなたはどうなの?」

「あなたはお兄ちゃん/お姉ちゃんなんだから、もっとしっかりしなさい」

「あなたはBくんよりも絵がうまいね!」

ついつい日常でも無意識に出てしまうことがあるかもしれません。

しかしこれは子どもを褒めるためであったとしても、兄弟間で比べるとしてもNG

こうすることで、「自分はあの子よりもできる!できないあの子はおかしい」「自分はできないダメな子」と子どもに刷り込んでしまい、自己肯定感が下がってしまうこともあります。

褒める時には誰かと比較するのではなく「絵が上手になっていていいね」「あなたは絵が上手だね」とお子さん自信を表す言葉で伝えてください。

 

【保護者の声掛けで気をつけたいこと】

人はそれぞれ違う身体を持っていて、そのすべては美しいと多様性を受け入れる一方で、マイナスなイメージを植え付けないことも大切です。

例えば保護者が自分自身や他者のイメージを否定するような発言。

「自分のことだから、ネガティブなことを言っても迷惑かからないし良いでしょう」とコンプレックスを子どもの前で言うことや、「愛情の裏返し」の体で、パートナーや近しい人の見た目をいじるような振る舞いは控えた方が良いです。

これらのことを聞いたとしても、長年の経験や習慣、価値観を変えることは難しいと思います。

それでも大人が(保護者が)お子さんへの伝え方を学びながら、保護者自身の価値観もアップデートさせていけることが子どもの自己肯定感を育む1歩となります。

 

【お子さんへの伝え方と気を付けたい発言】

・「なんでぼく/わたしはお友だちと違って〇〇なの?」と言われたら

「体や見た目、心、大きくなるスピード、家族に誰がいるかなど、それぞれ違うよね。すべての人が違っていて、それが素晴らしいことだから、あなたはそのままでいていいんだよ」

 

・日常会話で保護者自身が気を付けたい言葉

×保護者自身のコンプレックスを子どもの前で言う

「最近太って嫌だなあ」「かわいい顔になりたかったのにな」

 

×成長スピードに対する不安を子どもに伝える

「あなたが、お友だちよりも体が小さいのが心配」

 

×他人に子どもを褒められた時に、子どもの前で謙遜する

「たいしたことじゃないよ。Cちゃんのほうがすごいよ」

 

×子どもと誰かを比較してほめる

「あなたはお友だちよりも〇〇ができてすごいね」

 

×他人の見た目について子どもの前で言う

「この女優さん、前よりも太った?」「この人絶対整形してるよ」」

 

×自分の家庭と他の家庭を比較する

「うちは〇〇なのに、Dくんの家は〇〇でうらやましいな」

 

以上が子どもの自己肯定感に関わる話になります。大人の中でも無意識で「あ、こんなことを言っていた!」と思うことがあったのではないでしょうか。

私も「この言葉、良くなかったな・・・」ということがあります。しかしこれらのことが最初から完璧にできる人なんていません。

日ごろの子育ての中で、良いことも悪いことも日々積み重なっていくからこそ、お子さんの成長にもつながります。今後も一緒に言葉がけや関わり方について考えながら、成長を見守っていきましょう♪

 

看護師 根上心