膀胱炎 2022-10-13
大人だけじゃなくて子どもも罹患することをご存じでしたか?
そして、身体のつくりから男性よりも女性に多いこともご存じでしたか?
知られているようで、知られていない疾患の一つです。
今回、子どもの初期症状に気が付いてあげられるようにお話したいと思います。
『膀胱の場所と役割』
おしっこは背中側に二つあるそら豆の形をした腎臓で作られます。そのおしっこは、それぞれの腎臓から尿管を通って下腹部にある膀胱に送られてきます。そして、膀胱に一定量溜まったら尿道を通って尿道口(おしっこが身体の外へ出る出口)から排出されます。
『膀胱炎の原因』
尿道口から細菌が膀胱内に侵入して発症します。
女性(女の子)は男性(男の子)に比べて尿道(尿道口から膀胱への道)が短く、肛門との距離も近い為腸内細菌が侵入しやすい状況にあります。
そして、おしっこを我慢してしまう行為によって長い時間膀胱に細菌が停滞し、増殖して膀胱に炎症が起きてしまいます。
『どんな症状?子どもの出すサインは?』
・発熱は基本的に無く、出ても微熱程度
・尿意が頻回になる
・排尿終了する時にお腹(下腹部や尿道口)を痛がる
・機嫌が悪い
・おねしょやお漏らしをする
・痛みでトイレへ行くことやおしっこをする行為を嫌がる
・おしっこに色は本来黄色や淡黄色の透明だが、濁りが見られる
などが見られたら、かかりつけ医にご相談ください。
『膀胱炎の診断を受けたら』
・処方された抗生物質を指示通り内服させる(過去のコラムで子どもへの内服方法をご紹介していますので参照下さい)
・水分を多めに摂る(一回量は少なくても回数多く意識的に増やして、膀胱に溜まっている細菌を洗い流すイメージで沢山おしっこを作る)
・おしっこを我慢させないように、一緒にトイレへ行って不安に寄り添う
・排尿痛があるため、さすったり手を握ったりして一緒に痛みを乗り越える
・おねしょやお漏らしを叱ると、もっと我慢したりトラウマになるので、辛かった気持ちを受け止めてあげ、素早く更衣や寝具の交換をする
サンライズキッズ保育園では、トイレトレーニングを始めると正しい拭き方を一緒に練習します。また、排尿サインの「ちっち」「おしっこ」などの言葉やオムツを触って尿意を知らせる行為を大切にして、おしっこを我慢させないようにしています。
サンライズキッズ保育園 看護師 浅井恵理子