ヒトメタニューモウイルスって何? 2022-6-29
この名前はまだまだ知らない人が多いかもしれませんね。2001年にオランダの研究グループが発見したウイルスです。日本では一年中感染する可能性はありますが、3-6月が一番多く毎年流行するウイルス性感染症です。10歳までにほぼ全ての子どもが感染すると言われているので、今回は症状などを簡単にお話したいと思います。
『どんなウイルス?』
ヒトメタニューモウイルス(hMPV)は感染力が強く、飛沫・接触感染で広がっていきます。潜伏期間は4-6日で、ウイルスの排出は症状が出てから1-2週間続くため、保育園や小学校などで集団感染します。
『症状』
痰が絡んだ咳・鼻汁・喘鳴・39℃台の高熱が主症状ですが、乳幼児に感染すると気管支炎や肺炎を発症することもあります。
『合併症』
中耳炎を合併することがあります。(過去のコラムをご参照ください)
『治療』
特効薬は無いため、咳止めや痰切れを良くするような内服薬での対症療法となります。
高熱が続いて食欲低下や呼吸状態の悪化があれば入院治療になります。
『感染予防』
咳やくしゃみによる飛沫感染、ウイルスで汚染されたタオルや食器類の共有による接触感染で他者へ感染するため、タオル類の共有を避け年長児であればマスク着用や手洗いの徹底を心掛けてください。
『登園基準』
厚生労働省から定められた登園基準はありません。
ウイルスの排出は1-2週間続きますが、解熱し、咳や鼻汁が改善していれば登園可能と考えても良いでしょう。
サンライズキッズ保育園では子ども達の観察を常に行い、少しでも変化に気が付いたら保育士間で情報共有し、症状の経過を見ていきます。ご家族とも密に連携し、子どもの変化で気が付いたことはお伝えし、その後の経過まで把握しています。時に、ホームケアなどのアドバイスもさせて頂いています。
サンライズキッズ保育園 看護師 浅井恵理子