最近話題のトリプル感染症・・・「マイコプラズマ肺炎」の話 2024-12-25
今年の冬は「インフルエンザ」「新型コロナウイルス」「マイコプラズマ肺炎」のトリプルが広がりやすいと話題になっていますね。
インフルエンザや新型コロナウイルスはよく名前を聞くものですが、マイコプラズマ肺炎ってなじみのない病気ではないでしょうか。
この病気、実は子どもに多いので油断ができないもの。そこで今日はマイコプラズマ肺炎についての話をしていきたいと思います。
マイコプラズマ肺炎ってどんな病気?
肺炎マイコプラズマという細菌に感染することで起こる肺炎です。一年中感染しますが、特に秋冬に多いです。
咳やくしゃみなどによる飛沫感染、感染した人と接触する接触感染により起こり、潜伏期間は通常2-3週間と長く、人によっては1カ月近くあると言われています。
一度かかっても免疫が手に入らないため、何度も感染する病気になります。
自然に治ることもあるのですが、病院で適切な治療を受けることで、早く病気が治ります。
【症 状】
■初期
・発熱
・咽頭痛
・頭痛
・倦怠感
・咳(3-4週間ほど)
咳は痰が絡んだ咳というよりは乾いた咳が多く、かなりしつこく、長引くことがあります。また、鼻水がでることが少ないのが普通の風邪と異なります。
→1-2週間経っても咳が収まらない時は病院受診をしましょう。
■注意が必要な症状
・咳がひどくて眠れない
・息苦しそうにしている
・ゼーゼーしている
この場合、肺炎に症状が進んでいる可能性があるため、早めに医療機関へ受診しましょう。
合併症としては発疹などの皮膚症状、稀に溶血性貧血、脳炎、心筋炎、中耳炎など、肺以外に症状がでることもあります。
【医療機関に受診をする時に】
周囲の流行や症状から感染を疑うことになりますので、病院を受診した際は、周りにマイコプラズマ肺炎やそれが疑われる症状の方がいたかを医師に伝えましょう。
検査は血液検査、抗原検査などがあります。血液検査は結果が出るのに時間がかかります。一方で抗原検査は30分以内に結果が出るのですが、精度は高くないため、肺炎マイコプラズマ感染があっても陽性にならないこともあるので注意が必要です。
【治療法】
・抗菌薬による治療
・咳、発熱などへの対症療法
この二つがメインとなります。
お家でのケアとしては以下のようになります。
・手洗いうがいをしっかり行い、感染の拡大を防ぎましょう。
・共用タオルなどは避けましょう。
・湿度・温度は適切に保ちましょう。
夏は26℃~28℃、秋から冬は20℃前後が目安です。
換気に心がけて、加湿器を利用したり、部屋に濡れタオルを干して湿度は60%~80%を保つようにしましょう。
・こまめに水分補給を取りましょう。
感染すると食事や水分が取りにくく、脱水症状が起こりやすくなります。食事ものど越しのよいものにしましょう。
【登園基準】
学校保健安全法では「その他感染症」という扱いで「登園・登校は症状が改善して全身状態が良くなってから」となっており、激しい咳や発熱が収まっている時が目安となります。
サンライズキッズ保育園では医療機関を受診して登園届が必要になり、「発熱や激しい咳が収まっていること」が登園のめやすとなります。
マイコプラズマ肺炎は乳幼児よりも5-14歳の子どもがかかりやすく、8-9歳がピークとやや年齢層が高い病気ではあります。しかしそれでも乳幼児が必ずしもかからないものではありません。
冬は色々な感染症が広がりやすい時期になります。この冬みなさんが元気に過ごせることを祈っています。
看護師 根上心