幼児期の子どもに処方される内服薬と飲ませ方のコツ 2022-5-31
乳児期に病気などを経験しないで幼児期になり、初めてお薬を経験するお子様も多いと思います。味覚も発達し、自我も芽生え、自己主張もしっかり出来るようになったお子様に内服させることは容易にいかないこともあります。
今回、その苦労が少しでも軽減できるよう小児看護で実践した子どもへの内服方法についてお話しします。
『幼児に処方されるお薬の形態』
幼児には大人と違い錠剤やカプセル薬は処方されません。
主に散剤(粉薬・顆粒剤)や水薬です
・粉剤はさらさらした粉状のもので水に溶けやすいものが多い
・顆粒剤はつぶつぶし、水には溶けにくいためスプーンなどで潰す必要があります
・散剤は一回毎の内服量が個包装されている
・水薬はシロップなどと一緒に調合してあることが多く冷所保存
・水薬は処方日数分がボトルに入っていて一回量毎に目盛りを見て計量する必要がある
『幼児にはいつ内服させてあげるのがベストか?』
子どものお薬は特殊なお薬を除き、基本的には食後にこだわる必要はありません。空腹時に内服しても胃を荒らしてしまう事もないため、食前空腹時で問題ありません。
経験上、食後では満腹になり飲めなかったり、薬嫌いの子どもの場合は泣いてしまい摂取した食事を嘔吐してしまったりするため食前がお勧めです。
元気がなく食事がとれない場合、一日3回の内服であれば5-6時間空けた朝・昼・夜(大体の目安で時間をきちんと決める必要はないです)、一日2回の内服であれば12時間ぐらい空けた朝・夜で大丈夫でしょう。
『飲ませ方のいろいろ』
水薬はそのままをコップに入れて飲ませて大丈夫です。他の飲み物に混ぜなくても甘みがあるので多くの子どもはそのまま飲めます。
粉薬は極少量の水で練り、子どもの頬の内側に擦り付けて直ぐにジュースなどを与えると自然に内服できます。
顆粒剤はそのままでは練ることも溶かすことも難しいため、潰してから粉薬と同様の手順を踏んでください。
何かに混ぜて内服させる場合の注意点
混ぜるものによっては乳製品と相性が悪く苦みが増すものもあるため、処方された時点で混ぜてはいけないものがないか薬剤師に確認してから受け取りましょう。
経験上、苦みの強いお薬はチョコレートアイスに混ぜて内服すると成功率は高かったです。
薬を何かに混ぜるときは、必ず飲み切れる量に混ぜるようにし、薬の一回量をきちんと守りましょう。
2回に渡り各期の内服方法などをお話しましたが、子どもには個性がありなかなか教科書通りにはいきません。お話した内容が少しでもヒントになってお役に立てれば幸いです。
サンライズキッズ保育園 看護師 浅井恵理子