サンライズキッズ看護師のコラム

「うんち!」「おしっこ!」「ちんちん!」 その言葉が出た時にどうやって関わればいいの? 2025-2-14

年が明けてから心なしか子ども達の成長が目まぐるしく感じることが多くなりました。

あんなに小さかった子も今はこんなに立派に・・・と感動することもあります。しかし年齢が大きくなると、「どこで覚えてきたの!?」と言いたくなる言葉が飛び交うことも。

その中でも気になってしまう言葉といえば「うんち」「おしっこ」「ちんちん」。

保育園でも笑顔で呼吸をするかのようにこの言葉を連呼する子を見かけます(特に男の子)。

保護者としては、そんな言葉を大声で連呼をするのなんて「はしたない!」なんて思うこともありますよね。

しかしどうしてそんな言葉が出るのか、そしてその言葉が出てきたときの関わり方についてお話していきたいと思います。

 

 

Q なんで「うんち」「ちんちん」「おしっこ」って言葉を話してくるようになるの?

 

A 子どもは「うんち」「おしっこ」「ちんちん」という言葉が大好きだから。

 

心理学の研究をしていたフロイトという方は2~4歳を「肛門期」と名前をつけています。ちょうどこの時期になるとお尻や排便にも興味を持つ時期になります。

この時期の大きなイベントと言えば・・・そうトイレットトレーニングです。

子どもにとって自分でうんちやおしっこを出せるという気持ちいい感覚や、周りから褒められることで「誇らしい気持ち」を持つようになります。

その感覚を覚えていることもあり、その言葉が大好きになることがあります。

男の子の場合、おしっこをする時に「ちんちん」からおしっこを出すことができるということ、その部分に興味を持つことで言葉にして出すこともあります。

 

 

Q もしその言葉を連呼することがある時には、どのように対応すればいいの?

 

A その時に以下の考え方をしてみるのはいかがでしょうか?

 

1 成長の証であると受け止めてみる

2~4歳の時期では排便コントロールがメインになってきます。その時に自分でトイレができる喜びや心地よさ、誇らしさを抱くようになります。またそこから周囲の反応を感じ取れるようになった結果出てくる言葉のため、「この言葉が出たということは、うちの子はレベルアップしたのかな?」と考えてみるのも良いかもしれません♪

この肛門期を過ぎると、男の子も女の子も自分の体に興味を持ち、その疑問が言葉に出てくることがあります。それもまた成長の一歩を踏み込んでいます。

 

2 過剰に受け止めず、自然に受け流す。

下品な言葉を言っていると感じると「なんてこと言っているの!そんな言葉使わないの!」とついつい言ってしまうことはありませんか?

しかし子どもは敏感なので周囲の大人が笑ったり、怒ったり、慌てるといった過剰な反応を見せると、その言葉を使う=スリル感がある、反応をしてくれると感じることがあります。

ここで敢えてスルーをすると、面白味が無くなり、次第にその言葉の回数が減ることがあります。

 

3 時と場合をわきまえるように伝える。

とはいえ、公共の場の場所で大きな声で連呼されると、気分は良くないと感じる方もいらっしゃいますよね。

ここで伝える時のポイントは2つ。

1つ目は「してはいけないことがある時は、その時、その場で伝える」ということです。この時は真顔で、端的に伝えてみると伝わりやすいです。

2つ目は「私は~」とIメッセージで伝えるということです。

例えば「あなたはそれを言うと楽しいみたいだけど、周りの人はその言葉を聞くと嫌な気持ちになるよ。パパ、ママもその言葉は嫌だよ。だから家の外では言わないようにしようね。」

子ども以外に周りの人がどう思っているのか、保護者の方の気持ちを繰り返し伝えていくことで、子どもの中でも「ここではこの言葉を使うべき場ではない」と徐々にTPOをわきまえるきっかけにもつながります。

 

4 他のことでほめて伸ばしていく。

先ほども話に入っていたように、トイレットトレーニングの時期という重要な時期だからこそ、この言葉が出てきやすくなります。

そこでそれ以外にも、子どもの伸びているところを積極的にほめてみるのはいかがでしょうか。

幼児期は成長スピードが早く、いろんなことができるようになります。その良いところを積極的にほめて別の部分に集中させることで、徐々に言葉が少なくなっていきやすくなります。

 

5 子どもの体の仕組みや健康、生活マナーに興味を持つ大チャンス!

これらの言葉が出るようになったということは「自分の体に興味を持っている」という印です。

そこで自分のうんちを見て、今日の健康状態を知るきっかけになったり、男の子や女の子の体の違いも知り、触らない方がいいところは触らないなど、プライベートパーツやバウンダリー(自分と他人の境界線)を知るといった子どもを守るための成長にもつなげることができますよ。

 

おすすめする絵本は「だいじ だいじ どーこだ」からだのひみつ(ふしぎ はっけん!)」です!

 

以上が「うんち」「おしっこ」「ちんちん」という言葉が出た時の関わり方になります。

この言葉は言ってはいけないもの、やめさせないといけないものと思われがちですが、実は子どもの成長に大きな可能性を秘めているものになります。これをきっかけに最近話題のおうち性教育につなげてみるのも良いですね!

 

看護師 根上心