生活リズムを整えるのってどうして大切なの? 2025-1-10
2025年が始まりました。お正月にはお子さんを連れて実家に帰省をしたり、いつもとは違うところにお出かけをしたり、忙しく過ごしたのではないでしょうか。
普段とは違う生活を送ると食生活が乱れたり、寝る時間が遅かったり、生活リズムが崩れてしまうことがあります。特に抵抗力の低いお子さんは生活のリズムが整わないと様々な病気にかかりやすくなることもあります。
そこで今回のコラムでは「生活リズムの大切さについてお伝えしていきたいと思います。
【生活リズムを整えることのメリットって何?】
生活リズムを整えることのメリットは以下の3つがあります。
1 情緒面が安定しやすい
集中力を高めたり、感情をコントロールするセロトニンは、ぐっすり眠った後に太陽の光を浴びると、分泌が増えます。そうするとイライラしたり攻撃的ではなくなり、落ち着いて過ごしやすくなります。
2 病気への抵抗力が強くなる
夜に真っ暗な部屋で眠っていると、メラトニンというホルモンが分泌されます。メラトニンがあることで、病気への抵抗力をつけてくれます。むしろ睡眠が不十分な場合は、このホルモンが減るため、病気に掛かりやすくなってしまいます。
3 自己肯定感を高めることができる
最近子育てでよく聞く「自己肯定感」。睡眠中に記憶を整理しており、たくさん眠ることで体験したことがインプットされやすくなります。それにより、記憶があることで「やったことがあるからできる」という自信を持ち、実践することができるため自己肯定感が高まります。これに伴い、将来必要な基本的生活習慣や規律についても身に着けやすくなります。
【生活リズムを整えるためには?】
そうはいっても「仕事の時間の都合上どうしても寝かしつけが遅くなってしまう!」や「子どもがなかなか寝てくれない!」なんてこともありますよね。これらのことを踏まえた上でコツをお話していきたいと思います。
1 まずは「起きる時間」から
まず「早く起きる」ことから始めて見るのがコツです。育児関連の記事ででは21時に寝て6時に起きるのがいい!と言われますが、実際に仕事と子育てを両立するご両親にとってはなかなか難しい問題。
そこで昨日よりも30分だけ早く起きてみる、30分が難しければ15分だけ早く起きてみるなど、それぞれのご家庭で取り組めそうなことを少しずつ始めるという習慣を繰り返すことが大切になります。朝は太陽光を浴びて、目覚めを促してみるのがおすすめです。
2 日中はなるべく外出する
太陽光を浴びるとセロトニン、メラトニンの分泌を促し、体内時計を正しく保ちます。
「昼寝を挟んで午前と午後の2回、1時間半ずつ外出すること」が理想とされていますがなかなか難しいと思います。そこでお出かけといっても必ず公園へ行く必要はなく、お散歩やお買い物でも問題ありません。余裕があれば午前は公園で遊んで午後はお散歩を取り入れたりと、ご家庭にあった過ごし方を見つけてください。
3 お昼寝は15時までに
お昼寝の時間が遅いと夜なかなか寝られず夜更かししてしまい、翌朝起きられなくて生活リズムがくるってしまうことがあります。理想のお昼寝時間は「12時から2時間」。予定の多少のズレはあっても、遅くても15時までには終わらせましょう。15時を過ぎても寝ているときは起こしても問題ありません。
4 夜ごはんはがんばらない
子どもは成長のために、毎回栄養素を十分に整えたバランスの良い食事にしなくてはならない!と思う方もいらっしゃいますが、実はそうでもありません。夜は食べた後寝るだけなので、手早く食べられる消化のいいもので十分。子どもには、「おにぎり」と「具だくさんお味噌汁」だけでもOKです。
その代わり「お昼がメイン」と意識して、バランスのいい昼食に変えてみると良いです。
5「スマホお休みタイム」を設ける
スマホを見ていると、あっという間に時間が過ぎてしまうことありませんか?そんな時は「18~21時」は、スマホを見ない「スマホお休みタイム」と決めておくのもいいでしょう。
またブルーライトの影響で、子どもが興奮してなかなか寝付けなくなることもあるため、寝る前はスマホやテレビを見せることを避けましょう。
6 「入眠儀式」を意識する
寝る前にはいつも必ずこれをするという「入眠儀式」を、日課にしてみませんか。
おすすめは絵本。好きな絵本を1冊子どもが選び、お布団の中で読み聞かせをします。読んだ後電気を消して、小声でおしゃべりするなどリラックスタイムを過ごしましょう。
慣れてくると、「絵本を読んで電気を消すとだんだん眠くなってくる」という習慣が身についていきます。
保育園ではお昼寝の際、保育士がお子さんの身体に優しく触れ、トントンしたりさすったりしながら眠りを促すこともあります。
今はインターネットでも眠りのツボや寝かしつけの方法についていろんな方法が紹介されています。
▶ 一瞬で寝る!赤ちゃん・子供が眠くなるツボ&マッサージ!寝かしつけが楽に
7 子育て支援センターを活用する
日々の生活リズムについて気軽に話し合える仲間がいるといいですね。子育て支援センターに出かけると、0歳児から幼児までいろんな年齢の子どもたちが遊びにきています。みんな「子育て中の仲間」なので、愚痴や失敗談を共有したり、年上の子の親には経験談を聞いたり、生活リズムの話について聞きやすくなります♪
8 朝ごはんを食べよう!
生活リズムや体内時計を整えるためには欠かせない存在です。また朝ごはんを食べることでエネルギー補給にもなり、集中力も上がり、日中の活動が増えます。
【生活リズムを整えたいけど・・・。モヤモヤコーナー】
1 早起きが続かない
いきなり「6時起床!」ではなく、「30分早起き」を2週間続けて、慣れてきたらさらに30分早める、と繰り返してみましょう。
2 子どもが夕方になると眠くなってしまう
夕方眠くなるならもう少しお昼寝が必要です。13時までに暗い部屋で一緒に横になって静かに過ごすなど、体を休める環境に変えてみるのがおすすめです。
3 帰宅後に時間の余裕がない!
夜ごはんを簡単にすると準備がラクになり、時短になります。「買い物はまとめて」「朝少しでも用意」を心がけると、さらに余裕が生まれます。
4 ベッドに行ってから子どもが遊び出す
リラックスする雰囲気づくりが大切です。2週間~1か月程度で習慣になっていきます。
5 相談できるママ友がいない
SNSを活用するのもいいでしょう。「#寝かしつけ」などで検索するといろんな方法を見つけられます。
6 お風呂と夜ごはん、どちらを先に済ませた方が良い?
先に夜ごはんを食べましょう。食べた後、寝るまでに時間があるほうが消化・吸収が進み、睡眠の質が上がります。あとで入浴すると体温がぐんと上がった後、一気に下がります。このタイミングで眠りにつくとスムーズに入眠でき、ぐっすりと深く眠ることができます。食後すぐにお風呂に入ると消化が悪くなるため、少し時間を開けてみるのも良いです。
7 パパの帰宅時間に合わせると、どうしても就寝時間が遅くなってしまいます。
パパと子どものふれあいも大切です。ですがこの年齢の子どもはやはり「早寝早起き」を一番に考えましょう。朝にパパと会える時間を作れると良いですね。
8 2歳になり、あまりお昼寝をしません。なしでも大丈夫?
夜に充分寝ていて、日中も眠そうにしていなければお昼寝はしなくてもOK。
睡眠時間は11~12時間と言われますが、あくまで平均です。その子のリズムで元気に過ごしているなら問題ありません。
9 上の子と下の子で生活リズムが合わなくて困っています。
この時期はやはり、「早寝早起き」のリズムに合わせる必要がありません。年齢差があると、下の子が寝る時間なのに上の子はまだ起きていたい、という気持ちもあります。
ですが、上の子が起きていると下の子も気になって寝られないので、上の子に「寝たふりだけでいいからつき合って!」と話してみたり、可能であれば部屋を分けてみても良いかもしれません。
早寝早起きは誰でも大切なことなので、できれば上のお子さんも「早寝」のリズムになればいいですね。その時に「早起きしたら朝の時間は自由に過ごしていいよ」と伝えてみると良いですね。
以上が生活リズムを整えるためのコツになります。実際は全部のことを実践しようにも難しく、子どものペースや状態、保護者の都合などによりなかなか難しいものでもあります。そのため一つだけでも実践して子どもの生活リズムを整えることが大切です。
もし生活リズムについて気になることがあれば、いつでも保育園に相談をしてください!
子ども達が元気に過ごせるように見守っていきたいと思います。
看護師 根上 心