【食】による窒息 2022-11-17
前回コラムの窒息についての続きです。
食事の時間というのは楽しく、心もお腹も満たされて幸せを感じる時間です。
ただ、危険を伴う事もあることを頭の片隅に置いていただければと思います。
子どもが食品を誤飲することによる窒息、食事中の窒息は珍しいことではありません。
今回は、まず窒息についての概要と要因についてお話したいと思います。
『そもそも窒息とは?』
生きるために必要な呼吸が出来なくなる為、生命に関わる重大な危険を及ぼす状態を言います。
呼吸が出来なければ脳や心臓などすべての臓器の活動が停止してしまうため、放置すれば死亡に至ってしまいます。そのため、迅速に窒息を解除することが極めて重要となります。
『何故食品による窒息が起きるのか』
口は、空気と食品共通の通り道です。そのため、口の中に食品を入れる行為は常に窒息の危険が伴っています。
要因は二つあります。
【子ども側の要因】
月齢によって食事(離乳食)を潰せる力も能力も違います。また、乳歯が生えていても嚙む力は大人と比べて弱く、丸飲みしてしまう事で窒息に繋がります。
更に、子どもは咳反射(気管に異物が入った時に咳で押し返す)も弱いため気管に異物が入ってしまっても排出できません。
そして、子どもは走り回りながら食べたり、口の中に沢山の物を入れてしまったりなどの要因もあります。
【食品側の要因】
表面が滑らかな形状をしていると口の中で保持しづらく、ツルっと入ってしまいます。また、粘着性の高いものやパサパサしたものや嚙み切れないものを口の中に沢山入れてしまうと大きな塊のまま喉に入ってしまいます。
例えば、ぶどう・さくらんぼ・プチトマトはツルっとしているため誤飲しやすく、団子・ご飯・パン・焼き芋・カステラなどは粘着性が高く、唾液を吸収して塊になりやすい為、大きいまま飲み込もうとしてしまいます。
また、りんご・イカ・肉なども固く噛み切れず、キノコ・グミも弾力があって噛み切りにくいので危険を伴います。
以上のような様々な要因が、子どもの不慮の事故を招きます。
次回は、窒息時のサインや窒息させないために保護者が出来ることをお話したいと思います。
サンライズキッズ保育園 看護師 浅井恵理子