水中毒 2022-9-3
まだまだ残暑も続き汗をかくことが多いですね。
身体の水分が奪われ自然と水分摂取量が増えるこの時期に気を付けたいのが、水分の大量摂取による命の危険です。
今回、水分摂取をする上で気を付けたいポイントをお話したいと思います。
『夏場に起きる危険性が高い水中毒』
夏場は高気温で発汗が増え、喉の渇きを強く感じるため水分摂取量が増えます。
しかし、水を大量に摂取することで血液中のナトリウム濃度(塩分濃度)が下がり、低ナトリウム血症を引き起こします。ナトリウムは体液の浸透圧バランスを調整したり、神経伝達に重要な働きをしています。そのため、ナトリウムが減少すると様々な症状が現れます。
疲労感や頭痛、嘔吐、錯乱状態になったり痙攣を起こすこともあり、最悪は昏睡状態や呼吸困難となり命を落とすこともあります。
『水中毒を防ぐためには』
過去のコラムで子どもに必要な一日の水分量やタイミングはお話したのでご参照ください。
最近よく聞かれる経口補水液は、脱水対策だけではなく水中毒対策としても薦められていますが、スポーツドリンクよりも十分な量の塩分が含まれているのでナトリウム摂取には大変有効です。しかし難点は、おいしいと感じないことです。子どもが嫌がって飲まないようであれば、1ℓの補水液に対して柑橘系の果汁を大さじ2-3杯入れたり、蜂蜜(1歳以上に限る)を足すと飲みやすくなるかもしれません。
経口補水液は自宅で簡単に作ることもできます。
水1ℓに対して、塩3gと砂糖40gを入れてよく混ぜれば完成です。
これも、決しておいしいとは言えません。
同じように、果汁を加えたり、砂糖を蜂蜜(1歳以上に限る)に変えたりすると若干飲みやすくはなるでしょう。
しかし、身体の塩分濃度が下がった脱水時には不思議とおいしく感じるのです。
サンライズキッズ保育園では、適切なタイミングで水分摂取を心掛けるようにしています。毎朝、麦茶を作成して一日に複数回飲むようにしています。園外活動のお散歩時も持参して皆でカンパイして楽しみながら水分補給しています。
サンライズキッズ保育園 看護師 浅井恵理子