サンライズキッズ看護師のコラム

きゃー!うちの子が誤飲・誤嚥・窒息をしてしまった!一体どうすればいいの? 2024-10-25

 

小さい子どもは身の回りのものを口に入れることで、「これは何だろう?」と物を情報収集し、分析をしています。 赤ちゃんは目や手がまだ未熟な為、一番敏感とされる口の中で硬さ、形、温度を確かめています。また赤ちゃんは舐めることにより抵抗力を強くしています。
もしも子どもが危険な物を口の中に入れてしまったら・・・?そんな小さな子ども達の命を守るための対策についてお伝えします。

誤飲をした時は?

・119番、医療機関、もしくは日本中毒情報センターなどに連絡をして、指示を受けましょう。
・飲んだものや吐いたものが残っていれば、医師に見せましょう。
意識がない時
・119番通報をします
・気道確保をします
・吐いたものなどが気管に入らないように横向きにさせます
・身体を温めましょう
・普段通りの呼吸をしていない時には、乳幼児の一次救命処置の手順により手当てをしましょう。

 

一次救命処置の手順

1. 安全の確認
2. 反応の確認
3. 119番通報
4. 呼吸の確認と心停止の判断
5. 胸骨圧迫 心肺蘇生法(CPR)の開始手順
6. 胸骨圧迫と人工呼吸
7. AEDの使用
8. 一次救命処置の継続

※日本中毒情報センター
・大阪中毒110番:072-727-2499(年中無休、24時間)
・つくば中毒110番:029-852-9999(年中無休、9~21時)
・たばこ専用電話:072-726-9922(年中無休、24時間、自動音声の情報提供)
・(公財)日本中毒情報センター
日本中毒情報センター (j-poison-ic.jp)
▽効果などの誤飲、食中毒、カビの生えた食品などについての情報提供は行っていません。

 

病院に行くときのチェックポイント

1 何を飲んだか
2 いつ飲んだか
3 どれだけの量を飲んだか
4 顔色が悪いなどいつもと違うところはないか
5 けいれんを起こしていないか
6 意識ははっきりしているか
7 誤飲したものの容器や袋、説明書があれば持っていく

 

誤飲した種類別の対応について

たばこ(一本で致死量です)

・大急ぎで口の中に残っているタバコを拭いとりましょう。
・水に浸っていたたばこを食べたり、その液を飲んだ時には身体を保温して急いで医療機関へ行きましょう。
・何も飲ませずに行きましょう。飲ませるとニコチンが広がります。

 

家庭用医薬品

・口の中を調べ、薬が残っていたら指を口の中に入れて拭い取ります。
・水や牛乳を飲ませましょう。
・薬の空き瓶や散らばっている薬、吐いたものは医師に見せましょう。

 

ナフタリン・パラジクロロベンゼン・しょうのう等の防虫剤

・成分によって毒性や症状が変わるため、袋を確認しましょう。ナフタリン・しょうのうは毒性が高いです。
・なめただけなら、水を飲ませて様子を見ましょう。
・かけら程度でも食べている場合は、急いで医療機関へ連れていきましょう。
・防虫剤、石油製品は牛乳を飲ませてはいけません。毒物の体への吸収量が増えます。

 

マニキュア液・マニキュア除光液

・吐かせてはいけません。
・少量でも飲んだ場合は急いで医療機関へ連れていきましょう。
・揮発性の物を吸入した場合は、新鮮な空気を吸わせて様子を見ましょう。

 

トイレ用洗剤、漂白剤などの強酸・強アルカリ性洗浄剤

・組織を腐食するため皮膚や粘膜が酷くただれるため、原液、粉末、薄めた液でも危険です。
・吐かせてはいけません。
・口をよくすすいで、牛乳(あるいは水)を飲ませ、急いで医療機関へ連れていきましょう。

 

ボタン電池

・電池の種類を確かめましょう。
・飲んだり鼻や耳に入れた場合、急いで医療機関へ連れていきましょう。
・飲んだことが確かでなくても、確認のため医療機関へ連れていきましょう。
・受診をする時は電池の種類を伝えて、同じ種類の電池があれば持っていきましょう。

 

石けん

・毒性は低めです。
・一口程度なら、水や牛乳を飲ませ、しばらく様子を見ましょう。
・吐き気、嘔吐、のどの痛み、口の中のただれなどの症状が出れば、医療機関へ連れていきましょう。
・大量に食べた場合は医療機関へ連れていきましょう。

 

ハンドクリームや化粧のクリームなど

・食べた量が多い時は吐き気、嘔吐、下痢の症状が出ることがあります。
・水分を取らせて様子を見ましょう。
・大量に食べた場合や、症状が見られる場合は医療機関へ連れていきましょう。

 

水で膨らむビーズ

・誤って飲み込んでそのままにすると、体内で膨らんで、嘔吐を繰り返したり、腸閉塞を引き起こします。
・症状がある場合はすぐに医療機関を受診しましょう。本品とパッケージも持参しましょう。
・症状が無くても、大量に摂取したり、大きく膨らむ製品を摂取した場合はすぐに医療機関へ連れていきます。

 

おもちゃ、鋭利なものなどの固形物を飲み込んだ場合

・画びょう、釘、ガラスの破片など鋭利なものの場合は、急いで医療機関へ連れていきましょう。
・おもちゃや紙、筆記用具のキャップなどの場合は、胃の中を通過したらそのまま出てくる可能性もあり、嘔吐や食事が通らない時には医療機関へ連れていきましょう。

誤嚥をしたら・・・?

・突然激しい咳が出て、もがき苦しみ、声が出せません。
・ゴロゴロ、ヒューヒュー等の音が聞こえます。
・胸が激しく動くが、空気の出入りが少ないか止まっている。
・顔、首、手などにチアノーゼが出る
・反応や意識が次第に鈍ります
・人工呼吸を行ったときに、抵抗が大きい、もしくは空気が入らないです。

気道異物除去を行いましょう。
もしこれでも効果が見られない時は、ためらわずに119番をしましょう。

 

窒息をしないためには・・・?

・飲食物の誤飲・誤嚥、吐乳、布団やビニールで口や鼻がふさがれる、ベッド柵、ひもで首が締め付けられるなどがあります。

予防策
・子どもの寝返りや吐乳に気を付けましょう。
・掛け布団やタオル、ひもなどが顔にかからないようにしましょう。
・子どもが誤って飲み込んだり、吸い込んだりする恐れのあるものは子どもの手の届かない所におきましょう。
※豆類、ナッツ類は油分により肺炎の原因になるため、5歳までは与えないようにしましょう。
・食事中は安全に行えているか見ておきましょう。

 

ご飯の時に気を付けること

誤嚥・窒息に繋がりやすい食べ物の形状や性質
・弾力があるもの
→こんにゃく、きのこ、練り製品など
・なめらかなもの
→熟れた柿やメロン、豆類など
・球状のもの
→プチトマト、ブドウ、サクランボ、乾いた豆類、ボーロ、うずらの卵など
・粘着性が高いもの
→もち、白玉団子、ごはん、マシュマロなど
・固いもの
→かたまり肉、えび、いかなど
・唾液を吸うもの
→パン、ゆで卵、サツマイモなど
口の中でバラバラになりやすいもの
→ブロッコリー、ひき肉など

※臼歯が生えてこないとリンゴも窒息しやすいです

 

安全に食べるために子どもに伝えること

・食べることに集中させましょう。
・水分を取ってのどを潤してから食べましょう。
・口の中に食べ物がある時には話をしないようにしましょう。
・食べ物を詰め込みすぎないようにしましょう。
・よく噛んでから食べましょう。

 

留意すること

・姿勢を整えましょう。
・食べやすい大きさに分けてあげましょう。

以上が誤飲・誤嚥・窒息の対応になります。日々の生活の中で子ども達が口の中に入れてしまうことがあるからこそ、事前に危険な物は置いておかない等の工夫が欠かせません。
サンライズキッズ保育園は、子どもの安全を守れるように日々研修を通じ、万が一の際の対応方法を訓練しています。

 

看護師 根上 心