「どうしよう!お肌がかさかさに」 秋・冬の子どものスキンケア対策! 2024-11-22
寒い冬はもうそこまでやってきていますが、保育園で過ごす子ども達は寒い中でも元気に駆け回っています。
外遊びから部屋に戻ると暖房器具で暖かく、外との気温差を感じます。そして子どもたちは「足が痒い」と訴えたり、乾燥でぱっくりと肌が切れてしまっている子も見受けられます。
この時期は外気の温度や湿度が下がって、暖房器具の使用で空気が乾燥しやすい状態になります。
特にアトピー性皮膚炎等を持っている子どもや肌の乾燥が酷い子は、お肌の状態が悪化してしまうこともあります。
そこで今回は秋や冬のスキンケア特集を紹介していきたいと思います。
なんで秋や冬に子どもの肌は乾燥しやすいの?
皮膚の一番外側には角質層という、言わばお肌のバリア的機能があります。ここには皮脂膜(汗と皮脂で作られる天然クリーム)で覆われることで、肌の乾燥を防いでいます。
しかし子どもの角質層は大人の1/2~1/3の厚みしかなく、皮脂も生後2~3カ月ごろをピークに分泌が減ってきてしまいます(1歳から思春期前までが一番分泌が減ります。)。すると保水能力も少なく、肌が乾燥しやすくなってしまいます。
冬になると、寒さで血行が悪くなり、汗や皮脂の分泌が減って、皮脂膜が不足してしまいます。また空気の乾燥で肌の水分もなくなり、肌がかさついてしまうことになります。
乾燥したことにより、肌が痒くなり、子ども達は肌をかきむしってしまいます。かくことで肌の角質層が傷つき、バリア機能が落ちてしまい、水いぼなどの肌の感染症や、アトピー性皮膚炎の悪化に繋がってしまいます。
スキンケアをするタイミング
1必要に応じて塗るタイミング
・食事前:食事やミルクからの刺激を減らすために口周りにスキンケアをしましょう。
・食事後:食事やミルクで汚れてしまったところを清潔にしてスキンケアをしましょう。
・おもちゃや指しゃぶりでたくさん遊んだあと:よだれで口周りが汚れているので清潔にしてから保湿しましょう。
乾燥しやすい頬も一緒に塗るとなお良いです!
2可能な限り塗ると良いタイミング
・長時間のお出かけをする前:乾燥する冬は唇や頬が乾燥しやすいです。
・衣類のタグや伸び始めの髪の毛の刺激によりかゆいとき:清潔にして保湿をしましょう。かゆみがおさまらないときには、かゆい場所を冷やして落ち着かせるのも良いです。繰り返さないように、刺激となったものを肌にふれないようにタグを切る等の工夫をしましょう。理想的な素材は直接肌に触れる部分は木綿の衣類がおすすめです。化学繊維の衣類は静電気を起こしやすく、皮膚に目に見えない傷ができやすくなります。
・寝る前:寝る前は体が温まるのでかゆくなりやすいです。耳の後ろをかく癖があるお子さんは、肌を傷つけないよう保湿をすると良いです。
3必須なタイミング
・入浴後:しっかりと泡立てて全身(顔も含めて)を洗います。粘調性の高い保湿剤を使用している場合には、しっかりと泡を使って洗わないと汚れが残ってしまいます。また泡もしっかり流してあげることが大切です。体を拭いてすぐに保湿剤を塗れるように、入浴前に準備しておきましょう。
スキンケアをする時の流れ
STEP1 身体をきれいに洗いましょう。
スキンケアの第一歩として、身体を清潔に保つことが大切です。体調が悪くない時は毎日入浴をしましょう。
石けんを使って洗うときは、添加物の少ないものを選び、子どもに優しいものを選びましょう。市販されている泡が出てくるタイプのポンプ式石けんがおすすめです。
特に子どもの関節あたりの肌が荒れやすいため、洗う時にはその部分に注意して洗いましょう。
STEP2 身体の洗い方
入浴するときにゴシゴシと強く洗ってしまうと肌を傷つけてしまうため、素手で優しく洗いましょう。
1 髪の毛を十分に湿らせ、シャンプーを使って、指の腹で洗いましょう。特に生え際をきれいに洗い、しっかりとすすぎましょう。
2 首は顔を上に向けて、丁寧に洗いましょう。
3 関節は曲げ伸ばして洗いましょう。指のしわは手をグーにすると洗いやすくなります。
4 わきの下はばんざいをして洗いましょう。足はひざの裏に湿疹が出やすいため、しっかり伸ばして洗いましょう。
5 背中や首の後ろは身体を丸めて、下を向かせると洗いやすくなります、耳は下から上へ持ち上げるように、耳の裏まで洗いましょう。
6 最後に泡が残らないようにしっかりと洗い流しましょう。
STEP3 顔の洗い方・流し方
顔の洗顔は難しいと思われがちですが、たっぷりの泡を使うことで、目を開けても石けんが目に入り込むことはありません。手で目をこするときやシャワーをかける時も目は閉じてくれるので、怖がらずに目の周りも洗うことがコツです。
1 頬やおでこなどから洗い、その後口の周りを洗いましょう。
2 まぶたを上から下側に、目頭から目じりにと円を描くように洗うと、顔を背けることが少なくなります。
3 洗い終わったら素早くシャワーをかけ、しっかりすすぎましょう。呼吸ができるように、シャワーを呼吸に合わせて掛けたり、離したりを繰り返しましょう。
4 すすぎ終わったら、乾いたタオルで拭きとりましょう。
STEP4 保湿剤を塗ってみよう
塗る時のポイント
・入浴後、水分を拭きとったらすぐに塗りましょう。
→皮膚の乾燥を防ぐためにも、なるべく早く保湿剤を塗りましょう。
・適切な量の保湿剤を塗りましょう。
・たっぷりと皮膚に乗せるように塗りましょう。
→少ない量を刷り込むように塗ると皮膚を傷つけてしまうことがあります。
・しわを伸ばして塗りましょう。
塗る量について
・軟膏チューブの場合、大人の人差し指の第一関節から、指先まで出した量が約0.5g、大人の手のひら2枚分の面積が塗れる量になります。
・手のひらで塗る面積を確認して、適切な量の保湿剤を塗っていきましょう。
・容器入りの場合は、小さじすりきり1杯(約4g)が乳幼児の全身1回分です。
・3歳を過ぎたお子さんは、小さじ1杯半が目安になります。
気を付けたい部分
・頭
頭皮に塗る場合は、髪を分けて地肌にローションや保湿剤をたらして指で伸ばします。
・腰
腰はおむつのギャザーが当たり、あせもになりやすい部分です。腰をまげてシワを伸ばして、丁寧に塗りましょう。
・目の周り
目の周りは洗い方同様にまぶたを上から下へ、目頭から目じりへと円を描くように塗りましょう。
目の周りを避けると乾燥がひどくなり、余計に目をこするため入念に塗ることがおすすめです。
STEP5 定期的に爪を切りましょう。
肌の清潔を保つためにも、こまめに爪を切りましょう。子どもによって個人差はありますが1週間に1回は切りましょう。
以上がスキンケア特集になります。冬は外にお出かけをするタイミングが増えて、乾燥しやすい時期にもなります。お出かけをする時にも保湿剤→日焼け止め→虫よけスプレーの順に塗ることがおすすめです。保湿剤やベビーローションはドラックストア等で簡単に購入することができます。
子どもの肌を守るために日ごろのスキンケアだけではなく、肌が気になった時には病院等で受診をして、対応をするのもおすすめです。
寒い冬で乾燥してしまいやすいこの時期に、子ども達が元気に過ごせるよう、私達も保育園で見守り続けたいと思います!
看護師 根上心
引用参考文献