サンライズキッズ看護師のコラム

鼠径ヘルニア=脱腸 2022-10-14

ヘルニアという言葉は聞いたことがある方が多いと思いますが、鼠経(そけい)ヘルニアという病名はご存知でしょうか?

子どもの1-5%くらいの頻度で見られる比較的よくある病気です。

今回は、どんな病気なのかをご紹介したいと思います。

『鼠経ってどこ?』

両足の付け根 内側部分

『原因は?』

子どもの鼠径ヘルニアは、先天的な原因で起こっています。

男の子の場合、胎児期に精巣が陰嚢に降りてきますが、この時に臓器の周囲にある腹膜まで一緒に下降して袋状になります。通常は、自然に閉鎖しますが、何らかの原因で閉鎖出来なかった時にそこへ腸が入ってしまい鼠経ヘルニア(いわゆる脱腸)になることがあります。

女の子の場合、精巣が無いので下降はありませんが袋状の物が出来ることがあり、腸ではなく卵巣が脱出してしまう事があります。

『どんな症状』

咳をしたり、排便などで力んだりした時に鼠径部が膨らみます。

赤ちゃんであれば強く泣いた時に鼠径部が膨らむとヘルニアを疑います。その為、1歳半健診や3歳児健診などで見つかることがあります。

『注意すべきこと』

ヘルニアの状態が長く続くと、鼠径部の組織が硬くなってしまい、飛び出たふくらみが戻らなくなってしまいます。これを嵌頓(かんとん)と言います。

経験豊富な医師であればマッサージの様に腸を正常な位置に戻しますが、飛び出た腸が締めつけられて血流が悪くなると壊死してしまいます。壊死をした腸は部分切除する手術が必要になる場合があります。

『治療は?』

乳幼児の場合は自然治癒することもありますが、基本は手術です。

 

サンライズキッズ保育園では、更衣を必ずして全身のチェックを行います。日々の変化を見逃さないように注意し、異常所見があれば保育士間で情報共有しています。

 

サンライズキッズ保育園  看護師  浅井恵理子