サンライズキッズ看護師のコラム

へっくしょん!!アレルギー性鼻炎に悩まされる時期がやってきました 2025-3-14

少しずつ春の穏やかな暖かさになってきましたね。
気温が高くなることで毎年やってくる驚異の敵「花粉」も飛びやすい時期にもなってきました。今は生涯で2人に1人はアレルギーにかかると言われています。
保育園でも鼻水が出てしまい止まらずに受診をしてみたら、アレルギーの疑いがあり、薬をもらったという話を聞くようにもなってきました。

そこで今回は子どもに多く見られるアレルギー性鼻炎についてお話していきたいと思います。

 

アレルギー性鼻炎の症状

・くしゃみ
・水のような鼻水
・鼻づまり→呼吸がしにくいことで口呼吸になる子がいます

これらの症状が繰り返されます。

 

アレルギー性鼻炎の種類

アレルギー性鼻炎には2種類あります。

〇通年性アレルギー性鼻炎:一年を通じて発症し、ダニ、カビ、ペットの毛など。

〇季節性アレルギー性鼻炎:特定の時期に発症し、スギ、ヒノキ、ヨモギ、ブタクサなどの花粉によって引き起こされます。

最近では飛散花粉数の増加や大気汚染、居住環境や食生活の変化、腸内細菌の変化が起こることで、アレルギーの低年齢化が起こっています。

 

放置しておくとどうなるの?
アレルギー性鼻炎は放置しても治るものではありません。

鼻水や鼻づまりは口呼吸になるため、睡眠不足や集中力低下の原因となるばかりか、慢性副鼻腔炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎などを合併するおそれもあります。

もしアレルギーを疑う場合は、早期に病院受診をして適切な治療を受けることで、症状を早めに抑えることができます。

 

受診をする時に伝えておいた方が良いこと&見ておくと良いポイント

・いつから始まったか(特定の季節におこっているか)
・どのような症状があるか
・症状の強さ(日常生活に与える影響)
・他にアレルギーの病気はあるか、治療歴など
・家族にアレルギーの病気をもつ人がいるか

家庭での様子で確認しておきたいこと
・鼻すすり
・鼻づまりによる口呼吸、いびき
・鼻いじりによる鼻出血
・鼻や目をこすることで鼻尖部の横にすじが入る
・目の周りにクマができる
・顔をしかめる

日常生活のポイント

1 通年性アレルギー性鼻炎の場合
・花粉以外のダニ、ハウスダスト、ペットの毛などがアレルゲンとなっている場合は室内の清掃や換気をこまめに行う
・ダニが繁殖しやすいカーペットや、ペットの毛が付きやすい毛足の長いマットなどの使用は避けておく
・ペットを飼う場合には、屋外で飼育する、寝室には入れない

 

2 季節性アレルギー性鼻炎の場合
・晴れた日や風が強い日など、花粉が飛びやすい日の外出はなるべく避ける
・花粉が飛ぶ期間中は窓を閉める
・帰宅時には髪や服の花粉をはらう

 

3 食事の注意点
シラカンバ:リンゴ、モモ
スギ:トマト
ブタクサ:スイカ、メロン

これらはアレルギーと成分が似ているため、食べると口のかゆみや腫れなどの口腔アレルギーを引き起こす可能性があります。大抵は時間が経つと落ち着きますが、まれに重症化します。

 

4 市販薬の注意点
市販のものは対象年齢は必ず確認を!
→ステロイド点鼻薬は2歳以下の子供が使用すると呼吸が止まる副作用があるため使ってはいけません。また、点鼻薬を長期使用すると薬剤による鼻炎を引き起こすおそれがあります。

 

5 鼻のケア
・鼻粘膜が腫れているため、鼻を強くかまない
・部屋の加湿
・鼻づまりが苦しいときは、入浴やレンジで温めた蒸しタオルを鼻に当てるのも効果的。温かい物を食べる、マグカップにお湯を入れて蒸気を吸わせる
→やけどに注意!!
・赤ちゃんの場合は縦に抱く、布団の下にタオルや敷物を使用して上半身が高くして鼻づまりを解決する

※鼻洗浄は有用ですが、子供の場合は肺に水が入ったり、中耳炎になったりする可能性があるため、嫌がる場合は無理に行わないようにしてください。

 

6 目のケア
・かゆみが強いときは冷たいタオルや、タオルでくるんだ保冷剤を目にあてる。
・目の負担もあるため長時間のテレビやスマートフォンの使用には注意

※花粉やホコリが付着している目の表面を流すことは有用ですが、水道水を使用すると細胞が傷つき、目の表面を守っている涙も流してしまうため注意

 

7 掃除の仕方
・布団を干すとダニ対策が行えますが、花粉がつく可能性があるため、乾燥機の活用を。
・掃除機はゆっくり動かすなど掃除の仕方にも気をつけてください。
・換気時にカーテンを全開にすると花粉が入り込むため、薄いカーテンをしたまま換気をして花粉の侵入を防ぐ。
・アレルゲンが付着しやすい布のソファは避ける。
・ぬいぐるみや衣類もできるだけ毛羽立つものを避け表面はつるつるしたものを選ぶ。

以上がアレルギー性鼻炎の症状や日常生活のケアになります。
花粉も多く飛び始めるこの時期。子どもたちが元気に過ごせるように情報を今後も届けていきたいと思います。

看護師 根上心