しかし単なる不安というひと言で片付けられないような、ニュースを観るたびに震えるほどの恐怖を感じたり世の中の不穏な空気に耐えられないほど落ち込んだりしている人がいたら、もしかして「HSP」かもしれません。
HSPの人は敏感なので世界的な不安も感じ取ってしまうため、そのストレスがうつ病発症のリスクを高める恐れも。
すでにHSPだという自覚のある人もHSPという言葉自体はじめて聞くという人も、新型コロナウィルスに関して強い恐怖を感じる人は自身の状態を冷静に分析して対応しましょう。
HSPとは「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略で、繊細で感情が豊かな人や人一倍敏感な人を意味します。
HSPはあくまで病気ではなく、ひと言で表すとその人のキャラクター。環境や性格などの後天的なものではなく、先天的な気質や生まれ持った性質です。ストレスを処理する「扁桃体」が生まれつき活発なことで、不安や恐怖を感じ取りやすいのだとか。感受性が強いために精神的に傷つきやすく時に生きづらさを感じることもありますが、基本的に良心的で相手のことを思いやる優しい人だといわれています。
日本ではまだあまり聞きなじみのないHSPという言葉ですが、統計的には人口の15~20%、つまり5人に1人はHSPだとみられています。
客観的に自分自身がHSPかどうかを判断するのは難しいでしょう。
気になった人はぜひ以下のリストをチェックしてみてください。3項目以上該当する人はHSPの傾向があります。
1:友人から言われたひと言が、悪気はないとわかっていても頭からなかなか離れない。
2:周りの反応が気になってなかなか自分の意見が言えない。
3:相手のことを考えてしまって、何かを注意するのが苦手。
4:周囲で他の誰かが怒られていると心が痛む。
5:小さな物音が気になってなかなか眠れないことがある。
先に述べたように、HSPは病気ではありません。治療する必要はありませんがストレスを抱えやすいタイプであることは間違いないので、日ごろからストレスを上手に発散させるよう心がけましょう。
HSPの人は周りの人の気持ちだけでなく、周囲の状況にも非常に敏感です。
そのため、中には最近の新型コロナのニュースで「コロナ」という単語を耳にするだけで気持ちが沈みこんだり、「感染してみんな死んでしまうのではないか」と日々恐怖を募らせる人が少なくありません。災害などの非常事態はHSPの人にとってとてもつらい状況といえるでしょう。
周りの人たちから時として「気にしすぎだよ」と煙たがられるかもしれませんが、HSPの人が自分を否定する必要はありません。コロナ禍の非常事態を深く受け止め、他人の苦しみや悲しみを想う感受性はむしろすばらしい才能なのです。敏感な自分を否定することなく消化する方法を探しましょう。
コロナ禍においてHSPの皆さんは、見聞きする情報をコントロールして心の使い道を選ぶことが大切です。
テレビやラジオを1日中つけっぱなしにせず、テレビは1日のうちで決まった時間に1回つけるだけ、など入ってくる情報は極力シンプルに。特に新型コロナ関連の情報収集はワイドショーや週刊誌のような大げさな伝え方をする媒体は避けて、淡々と事実を伝えるニュース番組などに絞りましょう。
それでも不安を感じたときは、今自分に何ができるのか冷静に考えましょう。行動を起こすことで不安が解消されるケースが多いです。
そして何より普段から趣味に熱中するなど心地よく過ごせる工夫をすること。自分で感情が切り替えられないときも好きな音楽や本などに触れると良いでしょう。
監修:エクシオ 婚活アドバイザー 北川志穂