恋愛心理学「カチッサー効果」とは

今回の恋愛心理学は『カチッサー効果』についてご紹介します。『カチッサー効果』は何かお願いごとや提案をする場合に知っておくと良い心理効果です。
同僚にお願いごとをしたいけれど、言いにくい…好きな人をデートに誘いたいけれど断られそうで言えない…とお願いごとを上手に伝えられなくてお悩みの方はぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

  1. カチッサー効果とは
  2. カチッサー効果を恋愛に応用すると

カチッサー効果とは

『カチッサー効果』とは『カチッ・サー効果』と表記されることもあり、語源は昔のテープレコーダーの再生ボタンを押す時の「カチッ」という音と、その後に流れる「サー」という砂嵐のような音からきています。
これは人にもテープレコーダーのような心理的なスイッチがあることを表しているのだそうです。

『カチッサー効果』は、人に何かお願いごとをするときに、何らかの理由をつけることで、相手に承諾してもらいやすくなる、という心理効果です。
『カチッサー効果』の実証はエレン・ランガー(Ellen J. Langer)という心理学者が行い、次のような実験を行いました。

実験者は、コピー機に並ぶ順番待ちの列の先頭へ向かい、次の3通りの言い方でお願いごとをします。
次のどれが一番承諾されるでしょうか?

1.「すみません、5枚だけなのですが、先にコピーをとらせていただけませんでしょうか?」

2.「すみません、5枚だけなのですが、急いでいるので先にコピーを取らせていただけませんでしょうか?」

3.「すみません、5枚だけなのですが、コピーを取らなければならないので、先にコピーを取らせていただけませんでしょうか?」

1~3のうち、最も承諾率が高かったのは、2で94%。最も低かったのは1の60%。よく見てみると全く理由になってない3でも93%となっています。
何も理由をつけない1が60%、理由をつけることで93%までアップすることから、
理由の内容にかかわらず、何かしらの理由をつけることで「お願い」されると、人は承諾しやすい、ということが分かったのです。

人は何かをお願いされる時、内容を事細かに聞いているのではなく、「~なので」という言葉に強く反応しているという仮説があり、
「~なので、~していただけませんか?」とお願いされることで、心理的なスイッチが入り、要望を受け入れているのでは、と考えられています。

しかしながら、この効果は軽微なお願いに限られていることが特徴で、上記のコピー枚数が20枚に増えると、
1で24%、2で42%、3のような理由になっていない理由では1と変わらない24%にまで承諾率が下がることが分かっています。

よって、人にお願いごとをする時は、お願いする内容の難易度や困難度に合わせて相応の理由をつけると承諾してもらいやすくなる、ということになります。

カチッサー効果を恋愛に応用すると

恋愛において、お相手に自分の要求を聞いてもらうには「理由付け」はとても重要です。
「ただなんとなく、あなたが好き」とか、「なんとなく、あなたと一緒にデートしたい」、なんて言われて「ハイ」という方はおそらくいないと思います。

「あなたが好きです!」→「あなたと一緒にいると安心できるから、あなたのことが好きです!」
「明日映画見に行かない?」→「前好きって言ってた映画の最新作が公開されるから、一緒に映画に見に行かない?」
「今度一緒にご飯どう?」→「〇〇が美味しいレストランがあるから、今度ご飯一緒に行かない?」

という風に、必ず理由をつけるようにします。
そうすることで、ちゃんとお相手のことを考えた上で発言しているんだな、ということが伝わり、お相手も自分に合った提案をされているわけですから、承諾もしやすくなる、というわけです。

お願いごとが苦手…という方は、突然要求だけをお相手に突き付けていなかったか振り返っていただき、
ぜひ、小さなお願いごとから理由をつけて挑戦してみてくださいね。

監修:エクシオ 婚活アドバイザー 北川志穂

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