最近よく耳にする言葉「モンテッソーリ教育」。個性を重視する海外ではよく用いられている教育法です。
日本ではプロ棋士の藤井聡太さんがモンテッソーリ教育を取り入れていた幼稚園に通っていたということもあり、その知名度が一気に上がりました。
モンテッソーリ教育の考え方・目的
子どもは生まれながらにして自分を成長させる力を持っています。子ども自身の成長要求を保証し、自発的な活動を助けるようにすること、これが基本的な考え方です。
元々は障害児の教育に使われていた手法。その子の得意な面を伸ばして個性を発揮してほしいという教育法でもあります。
どんな環境が必要?
子ども自身がやってみたい、と思えるような楽しそうな教具があること、縦割りのクラス編成にし、社会性や協調性を身に付けられるようにすること。そして教師は一人ひとりの発達に応じて環境を整え、対応します。
分野が分かれているのは5つ。日常生活、感覚教育、言語教育、算数教育、文化教育。それぞれに個性的な教具が使われます。
モンッテソーリ教育で使われている教具はこんなもの!
→https://mamab.jp/article/51322
モンテッソーリ教育の大きな特徴は?
●年齢別縦割クラス編成
小さい子は2,3歳、大きい子は6歳。この子どもたちが一つのクラスで生活します。年上の子が年下の子を世話したり、年下の子が年上の子を真似したり、昔の日本では近所で良く見られていた普通の光景が広がります。社会性や協調性が身に付きますし、相手に応じて臨機応変に対応の仕方を変えることも身に付きます。
●「お仕事」と「子どもの家」
モンテッソーリでは、園のことを「子どもの家」、教具を使った活動を「お仕事」といいます。教具を使う活動は遊びではなく、自己形成のための大切な時間としています。
毎日1時間から3時間、教具を使ったお仕事の時間が設けられています。
●未就園の子どもたちは?
週に1,2回通います。最初は保護者ととも過ごし、慣れたら別々の時間を過ごします。お仕事は日中の1,2時間の活動。保護者同士もコミュニケーションが図れます。
デメリットはどんなところ?
集団生活で周りに迷惑をかけないことや協調性が重要視される日本の教育。1人ひとりの個性を大切にするのはいいですが、目の前の好きなことにいつまでも集中していていいのがモンテッソーリ教育です。
好きなことへの集中力はつきますが、周りが見えなくなり、協調性が育たないと受け取られることもあります。
また、時間の区切りがないため、決められたことを順番にこなすという日本式のやり方が苦手になる子もいるようです。
「もう時間だから次に行きます」となっても嫌がってやめようとしない子もいるそうです。
反復練習や暗記などは行わないモンテッソーリ教育。日本でもモンテッソーリスクールに通う子は、塾に通いながらの子も多いとか。日本の学校に通学することを考えて備えておくのだそうです。
「みんな一緒に同じこと」がまだまだ重視される日本では、団体行動も身に付けさせることが求められます。一方で、好きなことに好きなだけ取り組んで集中力を高めたり得意な分野を見つけたりすることも大切。
双方のバランスのとり方は今後のテーマでもあります。