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保育士試験
過去問題
令和3年度(前期)

保育原理 令和3年度(前期)

問1

次の文のうち、保育所において、養護に関わるねらいと内容を踏まえた保育が展開されなければならないと言われる理由として、「保育所保育指針」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 子どもを放任したり、干渉的に関わったりすることによって、子どもの自立が早期に図られると考えられるから。
  2. B 子どもは、保育士等との信頼関係を拠りどころにしながら、周囲の環境に対する興味や関心を高め、その活動を広げていくと考えられるから。
  3. C 子どもが集団としての統一的な行動がとれるように働きかけることが、子どもの規範意識を培うことにつながると考えられるから。
  4. D 保育士等が、子どもに対する温かな視線や信頼をもって援助することにより、子どもの意欲や主体性が育まれていくと考えられるから。
  5. E 子どもの生命を守り、子どもの生理的欲求を十分満たすことは、子ども一人一人の生きることそのものを保障することであるから。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 × ×
2 ×
3 × ×
4 × ×
5 × × × ×
正解は4
A…不適切です。 
放任したり、干渉的に関わることによってではなく、応答的な触れ合い等を通して、安心感、安定感をもって過ごせるようにすることが大切です。

B…適切です。

C…不適切です。 
集団としての統一的な行動がとれるように働きかけ、規範意識を培うのではありません。

D…適切です。 

E…適切です。


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
2 養護に関する基本的事項

(1) 養護の理念
保育における養護とは、子どもの生命の保持及び情緒の安定を図るために保育士等が行う援助や関わりであり、保育所における保育は、養護及び教育を一体的に行うことをその特性とするものである。保育所における保育全体を通じて、養護に関するねらい及び内容を踏まえた保育が展開されなければならない。

(2) 養護に関わるねらい及び内容
ア 生命の保持

(ア) ねらい
① 一人一人の子どもが、快適に生活できるようにする。
② 一人一人の子どもが、健康で安全に過ごせるようにする。
③ 一人一人の子どもの生理的欲求が、十分に満たされるようにする。
④ 一人一人の子どもの健康増進が、積極的に図られるようにする。

(イ) 内容
① 一人一人の子どもの平常の健康状態や発育及び発達状態を的確に把握し、異常を感じる場合は、速やかに適切に対応する。
② 家庭との連携を密にし、嘱託医等との連携を図りながら、子どもの疾病や事故防止に関する認識を深め、保健的で安全な保育環境の維持及び向上に努める。
③ 清潔で安全な環境を整え、適切な援助や応答的な関わりを通して子どもの生理的欲求を満たしていく。また、家庭と協力しながら、子どもの発達過程等に応じた適切な生活のリズムがつくられていくようにする。
④ 子どもの発達過程等に応じて、適度な運動と休息を取ることができるようにする。また、食事、排 泄
せつ
、衣類の着脱、身の回りを清潔にすることなどについて、子どもが意欲的に生活できるよう適切に援助する。

イ 情緒の安定

(ア) ねらい
① 一人一人の子どもが、安定感をもって過ごせるようにする。
② 一人一人の子どもが、自分の気持ちを安心して表すことができるようにする。
③ 一人一人の子どもが、周囲から主体として受け止められ、主体として育ち、自分を肯定する気持ちが育まれていくようにする。
④ 一人一人の子どもがくつろいで共に過ごし、心身の疲れが癒されるようにする。

(イ) 内容
① 一人一人の子どもの置かれている状態や発達過程などを的確に把握し、子どもの欲求を適切に満たしながら、応答的な触れ合いや言葉がけを行う。
② 一人一人の子どもの気持ちを受容し、共感しながら、子どもとの継続的な信頼関係を築いていく。
③ 保育士等との信頼関係を基盤に、一人一人の子どもが主体的に活動し、自発性や探索意欲などを高めるとともに、自分への自信をもつことができるよう成長の過程を見守り、適切に働きかける。
④ 一人一人の子どもの生活のリズム、発達過程、保育時間などに応じて、活動内容のバランスや調和を図りながら、適切な食事や休息が取れるようにする。
問2

次の図は、「保育所保育指針」第1章「総則」(2)「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の一部を図に表したものである。図中の( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

(組み合わせ)
A B C
1 自立心 協調性 心の芽生え
2 自立心 協同性 力の芽生え
3 自律心 協同性 力の芽生え
4 自律心 協調性 力の芽生え
5 自立心 協同性 心の芽生え

 

正解は2
A…「自立心」
身近な環境に主体的に関わり様々な活動や遊びを生み出す中で、自分でしなければならないことを自覚して行い、諦めずにやり遂げることを通して満足感や達成感を味わいながら、自信を持って行動するようになります。

B…「協同性」
友達との関わりを通して、それぞれの思いや考えなどを共有し、それらの実現に向けて、工夫したり、協力したりする充実感を味わいながらやり遂げるようになります。

C…「思考力の芽生え」
身近な事象に意欲的に関わり、物の性質や仕組み等を感じ取ったり気付いたりする中で、思いを巡らし予想したり、工夫したりなど様々な関わりを楽しむようになります。


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
2 養護に関する基本的事項
(2) 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿

次に示す「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、第2章に示すねらい及び内容に基づく保育活動全体を通して資質・能力が育まれている子どもの小学校就学時の具体的な姿であり、保育士等が指導を行う際に考慮するものである。

ア 健康な心と体
保育所の生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。

イ 自立心
身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信をもって行動するようになる。

ウ 協同性
友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる。

エ 道徳性・規範意識の芽生え
友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分かり、自分の行動を振り返ったり、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。また、きまりを守る必要性が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いを付けながら、きまりをつくったり、守ったりするようになる。

オ 社会生活との関わり
家族を大切にしようとする気持ちをもつとともに、地域の身近な人と触れ合う中で、人との様々な関わり方に気付き、相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみをもつようになる。また、保育所内外の様々な環境に関わる中で、遊びや生活に必要な情報を取り入れ、情報に基づき判断したり、情報を伝え合ったり、活用したりするなど、情報を役立てながら活動するようになるとともに、公共の施設を大切に利用するなどして、社会とのつながりなどを意識するようになる。

カ 思考力の芽生え
身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる。また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気付き、自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えを生み出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにするようになる。

キ 自然との関わり・生命尊重
自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、好奇心や探究心をもって考え言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念をもつようになる。また、身近な動植物に心を動かされる中で、生命の不思議さや尊さに気付き、身近な動植物への接し方を考え、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちをもって関わるようになる。

ク 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
遊びや生活の中で、数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ねたり、標識や文字の役割に気付いたりし、自らの必要感に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつようになる。

ケ 言葉による伝え合い
保育士等や友達と心を通わせる中で、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身に付け、経験したことや考えたことなどを言葉で伝えたり、相手の話を注意して聞いたりし、言葉による伝え合いを楽しむようになる。

コ 豊かな感性と表現
心を動かす出来事などに触れ感性を働かせる中で、様々な素材の特徴や表現の仕方などに気付き、感じたことや考えたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わい、意欲をもつようになる。
問3

次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」(3)「指導計画の展開」の一部である。
( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

子どもが行う具体的な活動は、生活の中で( A )ことに留意して、子どもが( B )に向かって( C )できるよう必要な援助を行うこと。

 

 

(組み合わせ)
A B C
1 様々に変化する 望ましい方向 自ら活動を展開
2 習慣化する 発達の課題 自ら活動を展開
3 様々に変化する 望ましい方向 指導計画に沿って活動
4 習慣化する 望ましい方向 自ら活動を展開
5 習慣化する 発達の課題 指導計画に沿って活動

 

正解は1
A 様々に変化する
B 望ましい方向
C 自ら活動を展開 

子どもの変化に応じた活動の柔軟な展開が保育者に求められています。子どもは偶発的な出来事から興味や関心を広げることも多いです。そのため、保育者は計画通りに活動を進めるのではなく、子どもの姿に応じて刺激を与えるような柔軟な援助をすることが適切です。


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
3 保育の計画及び評価
(3) 指導計画の展開
指導計画に基づく保育の実施に当たっては、次の事項に留意しなければならない。

ア 施設長、保育士など、全職員による適切な役割分担と協力体制を整えること。

イ 子どもが行う具体的な活動は、生活の中で様々に変化することに留意して、子どもが望ましい方向に向かって自ら活動を展開できるよう必要な援助を行うこと。

ウ 子どもの主体的な活動を促すためには、保育士等が多様な関わりをもつことが重要であることを踏まえ、子どもの情緒の安定や発達に必要な豊かな体験が得られるよう援助すること。

エ 保育士等は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化などに即して保育の過程を記録するとともに、これらを踏まえ、指導計画に基づく保育の内容の見直しを行い、改善を図ること。
問4

次の文は、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和 23 年厚生省令第 63 号)に関する記述である。
( A )~( D )にあてはまる数値および語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・ 「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第 33 条によれば、保育所における保育士の数は、満1歳以上満3歳未満の幼児おおむね( A )人につき1人以上とされている。
  2. ・ 「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第 34 条によれば、保育所における保育時間は、1日につき( B )時間を原則とするとされている。
  3. ・ 「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第 36 条によれば、保育所の長は、常に入所している乳幼児の保護者と密接な連絡をとり、( C )等につき、その保護者の理解及び協力を得るよう努めなければならないとされている。
  4. ・ 「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第6条では、児童福祉施設において、非常災害に対する具体的計画を立てるとともに、避難及び消火に対する訓練は、少なくとも毎月( D )回は行わなければならないとされている。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 3 8 保育の内容 2
2 3 11 保護者の支援 2
3 3 8 保育の内容 1
4 6 11 保護者の支援 2
5 6 8 保育の内容 1

 

正解は5
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」 参照。

A…6 
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第33条によれば、保育所における保育士の数は、満1歳以上満3歳未満の幼児おおむね6人につき1人以上とされています。

B…8
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第34条によれば、保育所における保育時間は、1日につき8時間を原則とするとされています。

C…保育の内容
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第36条によれば、保育所の長は、常に入所している乳幼児の保護者と密接な連絡をとり、 保育の内容等につき、その保護者の理解及び協力を得るよう努めなければならないとされています。

D…1
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第6条では、児童福祉施設において、非常災害に対する具体的計画を立てるとともに、避難及び消火に対する訓練は、少なくとも毎月1回は行わなければならないとされています。
問5

次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の施設名を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

 

  1. A 野口幽香と森島峰が寄付を募って、1900(明治 33)年に設立された。
  2. B 園舎を持たない幼稚園で、1922(大正 11)年に橋詰良一によってはじめられた。
  3. C 日本の最初の官立「幼稚園」で、1876(明治9)年に開設された。

 

【Ⅱ群】

 

  1. ア 東京女子師範学校附属幼稚園
  2. イ 二葉幼稚園
  3. ウ 愛珠幼稚園
  4. エ 家なき幼稚園

 

(組み合わせ)
A B C
1
2
3
4
5

 

正解は4
A…イ 
二葉幼稚園(のちの二葉保育園)は、野口幽香と森島峰によって1900(明治33)年に設立されました。

B…エ 
家なき幼稚園は、園舎を持たない幼稚園で、1922(大正11)年に橋詰良一によって設立され、露天保育を行いました。

C…ア 
東京女子師範学校附属幼稚園(現在のお茶の水女子大)は、日本の最初の官立「幼稚園」で、1876(明治9)年に開設されました。創設時の監事(園長)は関信三、主席保姆(母)は松野クララです。
問6

次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」の一部である。3歳以上児に関する記述をア、1歳以上3歳未満児に関する記述をイ、とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 様々なものに関わる中で、発見を楽しんだり、考えたりしようとする。
  2. B 身近な環境に自分から関わり、発見を楽しんだり、考えたりし、それを生活に取り入れようとする。
  3. C 身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ。
  4. D 身近な事象を見たり、考えたり、扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする。
  5. E 走る、跳ぶ、登る、押す、引っ張るなど全身を使う遊びを楽しむ。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1
2
3
4
5

 

正解は4
A-イ 
B-ア 
C-イ 
D-ア 
E-イ


保育所保育指針より抜粋

第2章 保育の内容

2 1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容
(2) ねらい及び内容

ア 健康
(イ) 内容
③ 走る、跳ぶ、登る、押す、引っ張るなど全身を使う遊びを楽しむ。

ウ 環境
ア) ねらい
① 身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ。
② 様々なものに関わる中で、発見を楽しんだり、考えたりしようとする。

3 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容
(2) ねらい及び内容
ウ 環境
(ア) ねらい
② 身近な環境に自分から関わり、発見を楽しんだり、考えたりし、それを生活に取り入れようとする。
③ 身近な事象を見たり、考えたり、扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする。
問7

次の文のうち、「保育所保育指針」第1章「総則」3「保育の計画及び評価」の一部として、下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 全体的な計画は、保育所保育の全体像を包括的に示すものとし、これに基づく指導計画、環境計画、食育計画等を通じて、各保育所が創意工夫して保育できるよう、作成されなければならない。
  2. B 指導計画においては、保育所の生活における子どもの発達過程を見通し、生活の連続性、季節の変化などを考慮し、子どもの実態に即した具体的なねらい及び内容を設定すること。
  3. C 保育士等は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化などに即して保育の過程を記録するとともに、これらを踏まえ、指導計画に基づく保育の内容の見直しを行い、改善を図ること。
  4. D 保育士等による自己評価に当たっては、子どもの活動内容やその結果だけでなく、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程などにも十分配慮するよう留意すること。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 × ×
2 × ×
3 ×
4 × ×
5 × × ×

 

正解は3
A…× 
誤りです。正しくは「指導計画、保健計画、食育計画」

B…〇 
記述の通りです。

C…〇 
記述の通りです。

D…〇 
記述の通りです。


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
3 保育の計画及び評価

(1) 全体的な計画の作成
ウ 全体的な計画は、保育所保育の全体像を包括的に示すものとし、これに基づく指導計画、保健計画、食育計画等を通じて、各保育所が創意工夫して保育できるよう、作成されなければならない。

(2) 指導計画の作成
ウ 指導計画においては、保育所の生活における子どもの発達過程を見通し、生活の連続性、季節の変化などを考慮し、子どもの実態に即した具体的なねらい及び内容を設定すること。また、具体的なねらいが達成されるよう、子どもの生活する姿や発想を大切にして適切な環境を構成し、子どもが主体的に活動できるようにすること。

(3) 指導計画の展開
エ 保育士等は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化などに即して保育の過程を記録するとともに、これらを踏まえ、指導計画に基づく保育の内容の見直しを行い、改善を図ること。

(4) 保育内容等の評価
ア 保育士等の自己評価
(イ) 保育士等による自己評価に当たっては、子どもの活動内容やその結果だけでなく、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程などにも十分配慮するよう留意すること。
問8

次の文のうち、フレーベル(Fröbel, F.W.)に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 幼児教育における母親の役割と母性愛の重要性を説くとともに、子どもの知性への働きかけの方法として事物による教育が必要であるとして、直観教授を提唱した。
  2. B 「子どもの発見者」とも呼ばれ、代表作『エミール』を通して、子ども時代のもつ価値を説くとともに、自然主義の教育と消極的教育を主張した。
  3. C 幼児教育の教材・遊具として考案されたガーベ(Gabe)は、日本では明治期に「恩物」として紹介され、当時の幼稚園において広く活用された。
  4. D 『人間の教育』、『母の歌と愛撫の歌』を出版するとともに、世界で最初の幼稚園(Kindergarten)
    を創設した。

 

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 × × ×
5 × ×

 

正解は5
A…× 
不適切です。母親の役割と母性愛の重要性を説くとともに、直観教授を提唱したのは、ペスタロッチです。

B…× 
不適切です。代表作『エミール』を通して、自然主義の教育と教育的教育を主張したのは、ルソーです。

C…〇 
適切です。

D…〇 
適切です。
問9

次の文のうち、保育所における苦情解決に関する記述として、「保育所保育指針」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 保育所は、苦情解決責任者である施設長の下に、苦情解決担当者を決め、苦情に対応するための体制を整備することが必要である。
  2. B 苦情に関しての検討内容や解決までの経過を記録し、職員会議などで共通理解を図り、実践に役立てることが必要である。
  3. C 施設長の責任の下で、保育所内で解決することが望ましいため、中立、公正な立場となる職員で構成される評価委員会を設置することが必要である。
  4. D 苦情は保護者等からの問題提起と受け止め、苦情解決を通して、自らの保育や保護者等への対応を謙虚に振り返り、保育を見直したり改善したりするための材料として捉えることが必要である。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 ×
4 × × ×
5 × × ×

 

正解は2
「保育所保育指針」参照

A…〇 
適切です。

B…〇 
適切です。

C…× 
不適切です。第三者の関与を組み入れるため第三者委員を設置することが求められています。

D…〇 
適切です。
問10

次の文のうち、「保育所保育指針」第5章「職員の資質向上」の一部として、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 子どもの最善の利益を考慮し、人権に配慮した保育を行うためには、職員一人一人の倫理観、人間性並びに保育所職員としての職務及び責任の理解と自覚が基盤となる。
  2. B 施設長は、保育所の保育課程や、各職員の職位等を踏まえて、体系的・計画的な研修機会を確保するとともに、職員の勤務体制の工夫等により、職員が計画的に外部研修に参加し、その専門性の向上が図られるよう努めなければならない。
  3. C 職員が日々の保育実践を通じて、必要な知識及び技術の修得、維持及び向上を図るとともに、保育の課題等への共通理解や協働性を高め、保育所全体としての保育の質の向上を図っていくためには、日常的に職員同士が主体的に学び合う姿勢と環境が重要であり、職場内での研修の充実が図られなければならない。
  4. D 保育所においては、当該保育所における保育の課題や各職員のキャリアパス等も見据えて、初任者から管理職員までの職位や職務内容等を踏まえた体系的な研修計画を作成しなければならない。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 ×
4 × ×
5 × ×

 

正解は3
A…〇 
適切です。

B…× 
不適切です。「外部研修」ではなく「研修等」です。

C…〇 
適切です。

D…〇 
適切です。


保育所保育指針より抜粋

第5章 職員の資質向上
1 職員の資質向上に関する基本的事項

(1) 保育所職員に求められる専門性
子どもの最善の利益を考慮し、人権に配慮した保育を行うためには、職員一人一人の倫理観、人間性並びに保育所職員としての職務及び責任の理解と自覚が基盤となる。
各職員は、自己評価に基づく課題等を踏まえ、保育所内外の研修等を通じて、保育士・看護師・調理員・栄養士等、それぞれの職務内容に応じた専門性を高めるため、必要な知識及び技術の修得、維持及び向上に努めなければならない。

(2) 保育の質の向上に向けた組織的な取組
保育所においては、保育の内容等に関する自己評価等を通じて把握した、保育の質の向上に向けた課題に組織的に対応するため、保育内容の改善や保育士等の役割分担の見直し等に取り組むとともに、それぞれの職位や職務内容等に応じて、各職員が必要な知識及び技能を身につけられるよう努めなければならない。

2 施設長の責務
(1) 施設長の責務と専門性の向上
施設長は、保育所の役割や社会的責任を遂行するために、法令等を遵守し、保育所を取り巻く社会情勢等を踏まえ、施設長としての専門性等の向上に努め、当該保育所における保育の質及び職員の専門性向上のために必要な環境の確保に努めなければならない。

(2) 職員の研修機会の確保等
施設長は、保育所の全体的な計画や、各職員の研修の必要性等を踏まえて、体系的・計画的な研修機会を確保するとともに、職員の勤務体制の工夫等により、職員が計画的に研修等に参加し、その専門性の向上が図られるよう努めなければならない。

3 職員の研修等
(1) 職場における研修
職員が日々の保育実践を通じて、必要な知識及び技術の修得、維持及び向上を図るとともに、保育の課題等への共通理解や協働性を高め、保育所全体としての保育の質の向上を図っていくためには、日常的に職員同士が主体的に学び合う姿勢と環境が重要であり、職場内での研修の充実が図られなければならない。

(2) 外部研修の活用
各保育所における保育の課題への的確な対応や、保育士等の専門性の向上を図るためには、職場内での研修に加え、関係機関等による研修の活用が有効であることから、必要に応じて、こうした外部研修への参加機会が確保されるよう努めなければならない。

4 研修の実施体制等
(1) 体系的な研修計画の作成
保育所においては、当該保育所における保育の課題や各職員のキャリアパス等も見据えて、初任者から管理職員までの職位や職務内容等を踏まえた体系的な研修計画を作成しなければならない。
問11

次の文のうち、乳児保育に関する記述として、「保育所保育指針」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 乳児保育のねらい及び内容は、「健やかに伸び伸びと育つ」、「身近な人と気持ちが通じ合う」、「身近なものと関わり感性が育つ」といった3つの視点ごとに示されている。
  2. B 指導計画は、一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して作成されるが、個別的な計画は必要に応じて作成する。
  3. C 保育士等との信頼関係に支えられて生活を確立していくことが人と関わる基盤となることを考慮して、子どもの多様な感情を受け止め、温かく受容的・応答的に関わることが必要である。
  4. D 全員が同じ生活のリズムで一日を過ごしていけるよう、午睡についても全員が同じ時間に入眠し、同じ時間に起床できるようにしなければならない。
  5. E 玩具などは、音質、形、色、大きさなど子どもの発達状態に応じて適切なものを選び、その時々の子どもの興味や関心を踏まえるなど、遊びを通して感覚の発達が促されるものとなるように工夫する。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × ×

 

正解は2
A…適切です。

B…不適切です。 
「必要に応じて」ではなく「一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、個別的な計画を作成すること」と記されています。

C…適切です。

D…不適切です。 
「在園時間が異なることや、睡眠時間は子どもの発達の状況や個人によって差があることから、一律とならないよう配慮すること」と記されています。

E…適切です。


保育所保育指針より抜粋

第2章 保育の内容
1 乳児保育に関わるねらい及び内容

(1) 基本的事項
イ 本項においては、この時期の発達の特徴を踏まえ、乳児保育の「ねらい」及び「内容」については、身体的発達に関する視点「健やかに伸び伸びと育つ」、社会的発達に関する視点「身近な人と気持ちが通じ合う」及び精神的発達に関する視点「身近なものと関わり感性が育つ」としてまとめ、示している。

(2) ねらい及び内容
イ 身近な人と気持ちが通じ合う
(ウ) 内容の取扱い
① 保育士等との信頼関係に支えられて生活を確立していくことが人と関わる基盤となることを考慮して、子どもの多様な感情を受け止め、温かく受容的・応答的に関わり、一人一人に応じた適切な援助を行うようにすること。

ウ 身近なものと関わり感性が育つ
(ウ) 内容の取扱い
① 玩具などは、音質、形、色、大きさなど子どもの発達状態に応じて適切なものを選び、その時々の子どもの興味や関心を踏まえるなど、遊びを通して感覚の発達が促されるものとなるように工夫すること。なお、安全な環境の下で、子どもが探索意欲を満たして自由に遊べるよう、身の回りのものについては、常に十分な点検を行うこと。

3 保育の計画及び評価
(2) 指導計画の作成
イ 指導計画の作成に当たっては、第2章及びその他の関連する章に示された事項のほか、子ども一人一人の発達過程や状況を十分に踏まえるとともに、次の事項に留意しなければならない。

オ 午睡は生活のリズムを構成する重要な要素であり、安心して眠ることのできる安全な睡眠環境を確保するとともに、在園時間が異なることや、睡眠時間は子どもの発達の状況や個人によって差があることから、一律とならないよう配慮すること。

(ア) 3歳未満児については、一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、個別的な計画を作成すること。
問12

次の表は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」2「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」の一部である。保育の内容欄の( A )・( B )にあてはまる記述をア~オから選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

(組み合わせ)
A B
1
2
3
4
5
正解は3
「保育所保育指針」第2章「保育の内容」2「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」参照

A ウ 保育士等の愛情豊かな受容の下で、安定感をもって生活をする。

B エ 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりがあることや、その大切さに気付く。


保育所保育指針より抜粋

第2章 保育の内容
2 1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容
(2) ねらい及び内容

ア 健康
(イ) 内容
① 保育士等の愛情豊かな受容の下で、安定感をもって生活をする。

イ 人間関係
(イ) 内容
⑤ 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりがあることや、その大切さに気付く。
問13

次の文のうち、障害のある子どもの保育に関する記述として、「保育所保育指針」第1章「総則」(2)「指導計画の作成」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 保育所では、障害など特別な配慮を必要とする子どもの保育を指導計画に位置付けることが求められている。
  2. B 障害のある子どもとの関わりにおいては、個に応じた関わりと集団の中の一員としての関わりの両面を大事にしながら、職員相互の連携の下、組織的かつ計画的に保育を展開する。
  3. C 保育所では、障害のある子どもを含め、全ての子どもが自己を十分に発揮できるよう見通しをもって保育することが必要であるため、必要に応じて個別の指導計画を作成し、クラス等の指導計画と関連付けておく。
  4. D 障害など特別な配慮を必要とする子どもは、他の子どもに比べて発達や成長に時間を要することが多いため、個別の指導計画を作成する際には、短期間の計画ではなく、長期間の計画を作成することが必要である。
  5. E 障害や発達上の課題のある子どもが、他の子どもと共に成功する体験を重ね、子ども同士が落ち着いた雰囲気の中で育ち合えるようにするための工夫が必要である。

 

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × × ×

 

正解は1
「保育所保育指針」第1章「総則」3「保育の計画及び評価」(2)指導計画の作成 参照。

A…〇 
適切です。

B…〇 
適切です。

C…〇 
適切です。

D…× 
不適切です。「短期間の計画ではなく、長期間の計画を作成する」という記載はありません。

E…〇 
適切です。


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
3 保育の計画及び評価
(2) 指導計画の作成

ア 保育所は、全体的な計画に基づき、具体的な保育が適切に展開されるよう、子どもの生活や発達を見通した長期的な指導計画と、それに関連しながら、より具体的な子どもの日々の生活に即した短期的な指導計画を作成しなければならない。

イ 指導計画の作成に当たっては、第2章及びその他の関連する章に示された事項のほか、子ども一人一人の発達過程や状況を十分に踏まえるとともに、次の事項に留意しなければならない。
(ア) 3歳未満児については、一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、個別的な計画を作成すること。
(イ) 3歳以上児については、個の成長と、子ども相互の関係や協同的な活動が促されるよう配慮すること。
(ウ) 異年齢で構成される組やグループでの保育においては、一人一人の子どもの生活や経験、発達過程などを把握し、適切な援助や環境構成ができるよう配慮すること。

ウ 指導計画においては、保育所の生活における子どもの発達過程を見通し、生活の連続性、季節の変化などを考慮し、子どもの実態に即した具体的なねらい及び内容を設定すること。また、具体的なねらいが達成されるよう、子どもの生活する姿や発想を大切にして適切な環境を構成し、子どもが主体的に活動できるようにすること。

エ 一日の生活のリズムや在園時間が異なる子どもが共に過ごすことを踏まえ、活動と休息、緊張感と解放感等の調和を図るよう配慮すること。

オ 午睡は生活のリズムを構成する重要な要素であり、安心して眠ることのできる安全な睡眠環境を確保するとともに、在園時間が異なることや、睡眠時間は子どもの発達の状況や個人によって差があることから、一律とならないよう配慮すること。

カ 長時間にわたる保育については、子どもの発達過程、生活のリズム及び心身の状態に十分配慮して、保育の内容や方法、職員の協力体制、家庭との連携などを指導計画に位置付けること。

キ 障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。また、子どもの状況に応じた保育を実施する観点から、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成するなど適切な対応を図ること。
問14

次の文のうち、3歳以上児の保育の内容の取扱いに関する記述として、「保育所保育指針」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 自然の中で伸び伸びと体を動かして遊ぶことにより、体の諸機能の発達が促されることに留意し、子どもの興味や関心が戸外にも向くようにする。
  2. B 一人一人を生かした集団を形成しながら人と関わる力を育てていくようにする。
  3. C 子どもが自分の思いを言葉で伝え、他の子どもと言葉による伝え合いができるように、状況に関わらず保育士は仲立ちしないようにする。
  4. D 子どもが日常生活の中で、文字などを使いながら思ったことや考えたことを伝える喜びや楽しさを味わいながら、同時に文字を書けるように指導する。
  5. E 子どもの表現は、率直であり、直接的であるので、内容の面でも方法の面でも素朴に見えるときは、大人が考えるような形式を整えた表現方法を助言する。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 × × ×
3 × ×
4 × × × ×
5 × ×

 

正解は2
「保育所保育指針」第2章「保育の内容」3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」参照。

A…適切です。

B…適切です。

C…不適切です。 
状況に関わらず保育士は仲立ちをしないようにするのではなく、必要に応じて保育士が子どもたちの仲立ちをすることが必要です。

D…不適切です。 
「文字を書けるように指導すること」は、示されていません。

E…不適切です。 
子どもの素朴な表現を受容し、表現しようとする意欲を受け止めて、子どもが生活の中で子どもらしい様々な表現を楽しむことができるようにする事が大切です。


保育所保育指針より抜粋

第2章 保育の内容
3 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容
(2) ねらい及び内容

ア 健康
(ウ) 内容の取扱い
③ 自然の中で伸び伸びと体を動かして遊ぶことにより、体の諸機能の発達が促されることに留意し、子どもの興味や関心が戸外にも向くようにすること。その際、子どもの動線に配慮した園庭や遊具の配置などを工夫すること。

イ 人間関係
(ウ) 内容の取扱い
② 一人一人を生かした集団を形成しながら人と関わる力を育てていくようにすること。その際、集団の生活の中で、子どもが自己を発揮し、保育士等や他の子どもに認められる体験をし、自分のよさや特徴に気付き、自信をもって行動できるようにすること。

エ 言葉
(ウ) 内容の取扱い
② 子どもが自分の思いを言葉で伝えるとともに、他の子どもの話などを聞くことを通して、次第に話を理解し、言葉による伝え合いができるようになるよう、気持ちや経験等の言語化を行うことを援助するなど、子ども同士の関わりの仲立ちを行うようにすること。

⑤ 子どもが日常生活の中で、文字などを使いながら思ったことや考えたことを伝える喜びや楽しさを味わい、文字に対する興味や関心をもつようにすること。

オ 表現
(ウ) 内容の取扱い
② 子どもの自己表現は素朴な形で行われることが多いので、保育士等はそのような表現を受容し、子ども自身の表現しようとする意欲を受け止めて、子どもが生活の中で子どもらしい様々な表現を楽しむことができるようにすること。
問15

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

H保育所の2歳児クラスのKくんは最近、担当のF保育士に対して自己主張をすることが多くなっ
ている。ある日の昼食時のこと、その日はKくんの大好物のリンゴがデザートに出ていた。Kくんは
食事の最後にリンゴを食べることを楽しみにしながら食事を終え、ようやくデザートのリンゴに手を
伸ばした時、Kくんの手からリンゴが滑り、床に落ちてしまった。Kくんは悔しそうに「リンゴ落ち
た、リンゴ落ちちゃった…」と涙声でつぶやき、落ちたリンゴを見つめている。この様子をF保育士
はKくんの後方から見ていたが、そのことにKくんは気づいていない。

 

【設問】

この場面の直後におけるF保育士のKくんへの対応として、「保育所保育指針」第1章「総則」、第2章「保育の内容」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A Kくんの傍らに行き「いつも先生の言うことを聞いてくれないからリンゴさんもKくんから逃げちゃったのかな。これからは先生の言うことを聞いてね」と諭す。
  2. B Kくんの傍らに行き「大好きなリンゴが落ちゃったね、食べたかったのに残念だったね」と言いKくんの気持ちを受け止める。
  3. C Kくんの傍らに行き「落ちちゃったから、食べられないね」と声をかけ、落ちたものを口に入れないように留意しながら、代わりのリンゴを用意する。
  4. D 昼食時は次の午睡に向けた準備や着替えを控え、クラス活動の進行が時間通りに進むことに最も留意しなければならない時間帯なので、Kくんへの声かけなどの配慮はしない。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 ×
4 × ×
5 × × ×

 

正解は4
「保育所保育指針」第1章「総則」、第2章「保育の内容」参照。

A…不適切です。 
K君のその場の気持ちを受け止めることなく、日常における行動への反省を促す対応は不適切です。

B…適切です。 
適切な対応です。

C…適切です。 
適切な対応です。

D…不適切です。 
K君に対する配慮よりも、クラス活動を優先させる対応は不適切です。
問16

次の保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

進級したばかりの5歳児クラスでは、ときどきクラス全員でドッジボールを行っていた。積極的にボールをキャッチして投げる子どももいるが、普段からまったくボール遊びに興味を示さない子どももいた。
保育士は「5歳児クラスでは、例年、秋になるとドッジボールが盛り上がりを見せるようになる。
その時のために、今から投げられたボールを受け取る練習をしておけば、みんなが自信を持てるようになる。」と考えた。そこで、早速、登園後の好きな遊びを行う時間に、ドッジボールでボールに触りたがらない子ども3人を誘って、ボールを受け取る練習を始めた。そこでは、保育士も一緒に加わって、相手の投げたボールを受け取ると隣の子どもに投げ、その子どもがまた次の子どもに向かって投げることを順番に繰り返していた。参加している子どもたちの動きは緩慢で、表情もあまり楽しそうではなかった。

【設問】

この事例における保育士のボールに触りたがらない子どもたちへの対応や考え方として、「保育所保育指針」第1章「総則」、第2章「保育の内容」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A 保育士の援助として、これからの活動計画を見通した適切な援助である。特に、ボール遊びを苦手とする子どもに対しては、積極的に誘い、早めに練習させておくことが必要である。
  2. B 子どもが何かに取り組むには、子どもなりの必要感や「~したい」と思う気持ちが大切である。そのため、子ども自身が意欲をもつ前から早めに練習させておくという方法は適切ではない。
  3. C ボールの受け取りをしている子どもたちの動きや表情から、子どもたちが積極的に参加していないことや楽しんでいない様子を理解し、保育士の見通しを保留して活動を変更する対応が必要である。

 

(組み合わせ)
A B C
1 ×
2 ×
3 ×
4 × ×
5 × × ×

 

正解は3
「保育所保育指針」第1章「総則」、第2章「保育の内容」 参照。

A…不適切です。 
ボール遊びが苦手な子どもの気持ちを考慮せず、早めに練習させるのは、不適切な対応です。

B…適切です。 
適切な記述です。

C…適切です。 
適切な記述です。
問17

次のうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」(3)「家庭及び地域社会との連携」の一部として、(a)~(e)の下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

子どもの(a)生活の連続性を踏まえ、家庭及び地域社会と連携して保育が展開されるよう配慮すること。その際、家庭や地域の機関及び団体の協力を得て、地域の(b)小学校、高齢者や異年齢の子ども等を含む(c)人材、行事、施設等の地域の(d)資源を積極的に活用し、豊かな生活体験をはじめ(e)保育環境の充実が図られるよう配慮すること。

 

(組み合わせ)
a b c d e
1 ×
2 × ×
3 × × ×
4 × × ×
5 × ×

 

正解は2
「保育所保育指針」第2章「保育の内容」(3)「家庭及び地域社会との連携」参照。

a…適切です。

b…不適切です。 正しくは「自然」

c…適切です。

d…適切です。

e…不適切です。 正しくは「保育内容」


保育所保育指針より抜粋

第2章 保育の内容
4 保育の実施に関して留意すべき事項
(3) 家庭及び地域社会との連携
子どもの生活の連続性を踏まえ、家庭及び地域社会と連携して保育が展開されるよう配慮すること。その際、家庭や地域の機関及び団体の協力を得て、地域の自然、高齢者や異年齢の子ども等を含む人材、行事、施設等の地域の資源を積極的に活用し、豊かな生活体験をはじめ保育内容の充実が図られるよう配慮すること。
問18

次のうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」(2)「小学校との連携」の一部として、(a)~(e)の下線部分が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育所保育において育まれた(a)生きる力を踏まえ、(b)義務教育が円滑に行われるよう、小学校教師との意見交換や合同の(c)研究の機会などを設け、(中略)「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」を(d)共有するなど連携を図り、保育所保育と小学校教育との円滑な(e)接続を図るよう努めること。

 

(組み合わせ)
a b c d e
1 × ×
2 ×
3 × × ×
4 × × ×
5 × ×

 

正解は5
「保育所保育指針」第2章「保育の内容」(2)「小学校との連携」参照。

a…× 
不適切です。正しくは「資質・能力」です。

b…× 
不適切です。正しくは「小学校教育」です。

c…〇 
適切です。

d…〇 
適切です。

e…〇
適切です。


保育所保育指針より抜粋

第2章 保育の内容
4 保育の実施に関して留意すべき事項
(2) 小学校との連携

ア 保育所においては、保育所保育が、小学校以降の生活や学習の基盤の育成につながることに配慮し、幼児期にふさわしい生活を通じて、創造的な思考や主体的な生活態度などの基礎を培うようにすること。

イ 保育所保育において育まれた資質・能力を踏まえ、小学校教育が円滑に行われるよう、小学校教師との意見交換や合同の研究の機会などを設け、第1章の4の(2)に示す「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」を共有するなど連携を図り、保育所保育と小学校教育との円滑な接続を図るよう努めること。

ウ 子どもに関する情報共有に関して、保育所に入所している子どもの就学に際し、市町村の支援の下に、子どもの育ちを支えるための資料が保育所から小学校へ送付されるようにすること。
問19

次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の人名を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
  1. A 『学校と社会』(1899 年)を著し、フレーベル(Fröbel, F.W.)の遊びを重んじる精神を評価しながらもその象徴主義を批判し、現実的な生活における子どもの自発的な活動の必要性を主張した。
  2. B 『新社会観』(1813 年)を著し、人間の性格は環境に根差すものであり、環境を改善すれば人間はより良く形成されるとする人間観を描いた。
  3. C アメリカの婦人宣教師として、1889 年に頌栄幼稚園を開設し、頌栄保姆伝習所の初代所長に就任した。
【Ⅱ群】
  • ア デューイ(Dewey, J.)
  • イ オーエン(Owen, R.)
  • ウ ハウ(Howe, A.L.)
  • エ マクミラン(McMillan, M.)

 

(組み合わせ)
A B C
1
2
3
4
5

 

正解は1
A…ア
『学校と社会』を著し、子どもの自発的な活動の必要性を主張したのは、デューイです。

B…イ
『新社会観』を著し、環境を重視した人間観を示したのは、オーエンです。

C…ウ
アメリカの婦人宣教師として、1889年に頌栄幼稚園を開設したのは、ハウです。

エのマクミラン(姉妹)は、1911年にロンドンの貧民区に乳幼児のために自宅を開放して、共働き家庭5歳以下の子どもを対象とする「保育学校」を創設しました。
問20

次の表は、認定こども園の支給認定別在籍園児数を認定こども園類型ごとに示したものである。この表を説明した記述として、誤ったものを一つ選びなさい。

 

 

1 平成 31 年4月の認定こども園の在籍園児数の合計は、前年と比べて 10 万人以上多くなっている。
2 平成 31 年4月の認定こども園の在籍園児数は、1号認定、2号認定、3号認定のすべてにおいて前年と比べて多くなっている。
3 平成 31 年4月の認定こども園の在籍園児数が最も多いのは、幼保連携型の1号認定の子どもである。
4 平成 31 年4月の認定こども園の在籍園児数を類型別にみると、幼保連携型の子どもが最も多く、地方裁量型の子どもが最も少ない。
5 平成 31 年4月の認定こども園の在籍園児数を支給認定別にみると、2号認定の子どもが最も多く、3号認定の子どもが最も少ない。

 

正解は3
1…〇 適切です。

2…〇 適切です。

3…× 不適切です。
幼保連携型の「2号認定の子ども」が最も多いです。

4…〇 適切です。

5…〇 適切です。
横浜ランドマークタワーで造形と言語の集中・直前講座を開催

押さえておきたい重要ゴロ300選

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