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保育士試験
過去問題
令和2年度(後期)

保育原理 令和2年度(後期)

問1

次の文のうち、「保育所保育指針」の特徴に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 第1章「総則」に、「保育の計画及び評価」の項目が設けられ、そこに「全体的な計画の作成」について努力義務が記載されている。
  2. B 第1章「総則」に、「養護に関する基本的事項」の項目が設けられ、そこに「養護に関わるねらい及び内容」が記載されている。
  3. C 第2章「保育の内容」に、「夜間保育」の項目が設けられ、そこに「夜間保育の留意点」が記載されている。
  4. D 第3章「健康及び安全」に、「災害への備え」の項目が設けられ、そこに「災害発生時の対応体制及び避難への備え」が記載されている。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 ×
4 × ×
5 × × ×
正解は4
「保育所保育指針」参照

A 不適切です。 「全体的な計画の作成」は、努力義務ではなく義務です。

B 適切です。 

C 不適切です。 保育所保育指針に「夜間保育」の項目は記されていません。

D 適切です。  


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
2 養護に関する基本的事項
(2) 養護に関わるねらい及び内容

3 保育の計画及び評価
(1) 全体的な計画の作成

ア 保育所は、1の(2)に示した保育の目標を達成するために、各保育所の保育の方針や目標に基づき、子どもの発達過程を踏まえて、保育の内容が組織的・計画的に構成され、保育所の生活の全体を通して、総合的に展開されるよう、全体的な計画を作成しなければならない。

イ 全体的な計画は、子どもや家庭の状況、地域の実態、保育時間などを考慮し、子どもの育ちに関する長期的見通しをもって適切に作成されなければならない。

ウ 全体的な計画は、保育所保育の全体像を包括的に示すものとし、これに基づく指導計画、保健計画、食育計画等を通じて、各保育所が創意工夫して保育できるよう、作成されなければならない。

第3章 健康及び安全
4 災害への備え

(1) 施設・設備等の安全確保

ア 防火設備、避難経路等の安全性が確保されるよう、定期的にこれらの安全点検を行うこと。

イ 備品、遊具等の配置、保管を適切に行い、日頃から、安全環境の整備に努めること。

(2) 災害発生時の対応体制及び避難への備え

ア 火災や地震などの災害の発生に備え、緊急時の対応の具体的内容及び手順、職員の役割分担、避難訓練計画等に関するマニュアルを作成すること。

イ 定期的に避難訓練を実施するなど、必要な対応を図ること。

ウ 災害の発生時に、保護者等への連絡及び子どもの引渡しを円滑に行うため、日頃から保護者との密接な連携に努め、連絡体制や引渡し方法等について確認をしておくこと。

(3) 地域の関係機関等との連携

ア 市町村の支援の下に、地域の関係機関との日常的な連携を図り、必要な協力が得られるよう努めること。

イ 避難訓練については、地域の関係機関や保護者との連携の下に行うなど工夫すること。
問2

次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の2「養護に関する基本的事項」の一部である。( A )~( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・ 一人一人の子どもの置かれている状態や( A )などを的確に把握し、子どもの( B )を適切に満たしながら、( C )な触れ合いや言葉がけを行う。
  2. ・ 保育士等との信頼関係を基盤に、一人一人の子どもが主体的に活動し、自発性や( D )などを高めるとともに、自分への( E )をもつことができるよう成長の過程を見守り、適切に働きかける。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 家庭での様子 欲求 応答的 好奇心 満足感
2 発達過程 欲求 応答的 探索意欲 自信
3 家庭での様子 不満 密接 好奇心 満足感
4 発達過程 欲求 応答的 好奇心 自信
5 発達過程 不満 密接 探索意欲 自信
正解は2
A 発達過程 

B 欲求 

C 応答的 

D 探索意欲 

E 自信


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
2 養護に関する基本的事項
(2) 養護に関わるねらい及び内容
(イ) 内容

① 一人一人の子どもの置かれている状態や発達過程などを的確に把握し、子どもの欲求を適切に満たしながら、応答的な触れ合いや言葉がけを行う。

② 一人一人の子どもの気持ちを受容し、共感しながら、子どもとの継続的な信頼関係を築いていく。

③ 保育士等との信頼関係を基盤に、一人一人の子どもが主体的に活動し、自発性や探索意欲などを高めるとともに、自分への自信をもつことができるよう成長の過程を見守り、適切に働きかける。

④ 一人一人の子どもの生活のリズム、発達過程、保育時間などに応じて、活動内容のバランスや調和を図りながら、適切な食事や休息が取れるようにする。
問3

次の文は、保育所における長時間にわたる保育において、保育士が留意することに関する記述である。「保育所保育指針」第1章「総則」の3「保育の計画及び評価」(2)「指導計画の作成」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 複数の保育士等が一日の流れを把握した上で、保育のねらいや内容等について理解し共有して取り組む。
  2. B 長時間の保育において子どもが不安にならないように、保育士と保護者の連携を密にしながら十分に配慮して子どもに関わる。
  3. C 子どもに心身の負担が生じることがないように、家庭的でゆったりとくつろぐことができる環境を整える。
  4. D 一日の中で保育士が引き継ぎを行う際には、職員間で情報の伝達を適切に行う。
  5. E 迎えの際には少しでも早く家に帰ってもらうようにするため、その日の子どもの生活の様子や育ちの姿を伝えることは省略する。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 ×
3 × × ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は1
A 適切です。 

B 適切です。 

C 適切です。 

D 適切です。 

E 不適切です。 保育所保育指針にあるように、「家庭との連携などを指導計画に位置付ける」と記されており、保護者にその日1日の様子を伝えると同時に怪我など伝えるべき事項についてしっかりと伝達することが求められています。


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
3 保育の計画及び評価
(2) 指導計画の作成

ア 保育所は、全体的な計画に基づき、具体的な保育が適切に展開されるよう、子どもの生活や発達を見通した長期的な指導計画と、それに関連しながら、より具体的な子どもの日々の生活に即した短期的な指導計画を作成しなければならない。

イ 指導計画の作成に当たっては、第2章及びその他の関連する章に示された事項のほか、子ども一人一人の発達過程や状況を十分に踏まえるとともに、次の事項に留意しなければならない。

(ア) 3歳未満児については、一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、個別的な計画を作成すること。

(イ) 3歳以上児については、個の成長と、子ども相互の関係や協同的な活動が促されるよう配慮すること。

(ウ) 異年齢で構成される組やグループでの保育においては、一人一人の子どもの生活や経験、発達過程などを把握し、適切な援助や環境構成ができるよう配慮すること。

ウ 指導計画においては、保育所の生活における子どもの発達過程を見通し、生活の連続性、季節の変化などを考慮し、子どもの実態に即した具体的なねらい及び内容を設定すること。また、具体的なねらいが達成されるよう、子どもの生活する姿や発想を大切にして適切な環境を構成し、子どもが主体的に活動できるようにすること。

エ 一日の生活のリズムや在園時間が異なる子どもが共に過ごすことを踏まえ、活動と休息、緊張感と解放感等の調和を図るよう配慮すること。

オ 午睡は生活のリズムを構成する重要な要素であり、安心して眠ることのできる安全な睡眠環境を確保するとともに、在園時間が異なることや、睡眠時間は子どもの発達の状況や個人によって差があることから、一律とならないよう配慮すること。

カ 長時間にわたる保育については、子どもの発達過程、生活のリズム及び心身の状態に十分配慮して、保育の内容や方法、職員の協力体制、家庭との連携などを指導計画に位置付けること。

キ 障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。また、子どもの状況に応じた保育を実施する観点から、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成するなど適切な対応を図ること。
問4

次の表は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」の2「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」の一部である。表中の( A )~( C )にあてはまる記述をア~カから選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ア 健康、安全な生活に必要な習慣や態度を身に付け、見通しをもって行動する。
  2. イ 健康、安全な生活に必要な習慣に気付き、自分でしてみようとする気持ちが育つ。
  3. ウ 身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ。
  4. エ 身近な環境に親しみ、自然と触れ合う中で様々な事象に興味や関心をもつ。
  5. オ 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりの大切さに気付く。
  6. カ 身近な人と親しみ、関わりを深め、愛情や信頼感が芽生える。

 

(組み合わせ)
A B C
1
2
3
4
5
正解は2
A イ 「健康、安全な生活に必要な習慣に気付き、自分でしてみようとする気持ちが育つ」が入ります。

B オ 「保育所の生活の仕方に慣れ、きまりの大切さに気付く」が入ります。

C ウ 「身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ」が入ります。


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
2 1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容
(2) ねらい及び内容

ア 健康
健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養う。

(ア) ねらい
① 明るく伸び伸びと生活し、自分から体を動かすことを楽しむ。
② 自分の体を十分に動かし、様々な動きをしようとする。
③ 健康、安全な生活に必要な習慣に気付き、自分でしてみようとする気持ちが育つ。

イ 人間関係
他の人々と親しみ、支え合って生活するために、自立心を育て、人と関わる力を養う。

(ア) ねらい
① 保育所での生活を楽しみ、身近な人と関わる心地よさを感じる。
② 周囲の子ども等への興味や関心が高まり、関わりをもとうとする。
③ 保育所の生活の仕方に慣れ、きまりの大切さに気付く。

ウ 環境
周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもって関わり、それらを生活に取り入れていこうとする力を養う。

(ア) ねらい
① 身近な環境に親しみ、触れ合う中で、様々なものに興味や関心をもつ。
② 様々なものに関わる中で、発見を楽しんだり、考えたりしようとする。
③ 見る、聞く、触るなどの経験を通して、感覚の働きを豊かにする。
問5

次の文は、ある著書の一部である。これを読んで、問5・問6に答えなさい。

※著作権の関係により公表できません。

 

1 城戸幡太郎
2 倉橋惣三
3 東基吉
4 野口幽香
5 橋詰良一
正解は著作権の関係により公表できません。
倉橋惣三(1882年(明治15年)12月28日 - 1955年(昭和30年)4月21日)は大正時代から昭和時代にかけての日本の教育者。)の著書です。
「幼稚園保育法真諦」の一部で、他の作品では「育ての心」「子供讃歌」などがあります。
問6

次の文は、ある著書の一部である。これを読んで、問5・問6に答えなさい。

※著作権の関係により公表できません。

 

1 家なき幼稚園
2 律動遊戯
3 保育問題研究会
4 二葉幼稚園
5 誘導保育
正解は著作権の関係により公表できません。
1 不適切です。 「家なき幼稚園」を開設し露天保育を行ったのは、橋詰良一です。

2 不適切です。 「律動遊戯」を創作したのは土川五郎です。

3 不適切です。 「保育問題研究会」を設立したのは、城戸幡太郎です。 

4 不適切です。 「二葉幼稚園」を開設したのは、野口幽香と森島峰です。

5 適切です。  「誘導保育」を提唱したのは、倉橋惣三です。
問7

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

M保育所の1歳児クラスに通うK君(1歳8か月)は、ごはんやうどんなどの主食は好きでよく食べるが、野菜やお肉などのおかずはなかなか食べない。また、自分で食べるときもあるが、「ママ!(やって)」と食べさせてもらうことを求めることが多い。K君の保護者は、K君に主食だけではなくおかずもしっかりと食べられるようになってほしい、また自分で食べるようになってほしいと思っている。しかし、なかなかそうならないK君に保護者はあせりを感じている。そこで連絡帳にK君の家庭での食事の様子を記入し、担当保育士にアドバイスを求めてきた。保育所でもK君は食事の際、ごはんなどはスプーンを持って上手に食べるが、おかずになると手をひざの上において自分で食べようとしないことが続いている。保育士が声をかけると、自分でスプーンを持っておかずを食べる日もあり、担当保育士はK君を励ましながら食事を進めている。担当保育士から相談を受けた栄養士は、K君の食事の様子を最近よく見ている。

【設問】

担当保育士がK君の保護者の連絡帳に記入する内容として、「保育所保育指針」第3章「健康及び安全」の2「食育の推進」及び第4章「子育て支援」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 保育所でのK君の食事に対する担当保育士の対応の様子を伝え、食べることを楽しむことが大切なので、あせらずにやっていきましょうと伝える。
  2. B 食事は早くからの自立への援助が大切であるため、何でも自分でスプーンなどを持って食べるように保育所での指導を強めていきますと伝える。
  3. C 子どもの食事は、保育所よりも保護者が指導することが大切なので、家庭でしっかりと指導してくださいと伝える。
  4. D 保護者が希望するならば、栄養士も交えて一緒に相談しましょうと伝える。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は3
A 適切です。 

B 不適切です。 「保育所での指導を強めていく」ということではなく、家庭との連携を保ちながら保育所がアドバイスしていくことが大切です。

C 不適切です。 保護者に家庭での食事指導を強要するのではなく、家庭と保育所の連携が大切です。

D 適切です。  

「保育所保育指針」第3章「健康及び安全」の2「食育の推進」及び第4章「子育て支援」参照。

保育所保育指針より抜粋

第3章 健康及び安全
2 食育の推進

(1) 保育所の特性を生かした食育

ア 保育所における食育は、健康な生活の基本としての「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うことを目標とすること。

イ 子どもが生活と遊びの中で、意欲をもって食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに成長していくことを期待するものであること。

ウ 乳幼児期にふさわしい食生活が展開され、適切な援助が行われるよう、食事の提供を含む食育計画を全体的な計画に基づいて作成し、その評価及び改善に努めること。栄養士が配置されている場合は、専門性を生かした対応を図ること。

(2) 食育の環境の整備等

ア 子どもが自らの感覚や体験を通して、自然の恵みとしての食材や食の循環・環境への意識、調理する人への感謝の気持ちが育つように、子どもと調理員等との関わりや、調理室など食に関わる保育環境に配慮すること。

イ 保護者や地域の多様な関係者との連携及び協働の下で、食に関する取組が進められること。また、市町村の支援の下に、地域の関係機関等との日常的な連携を図り、必要な協力が得られるよう努めること。

ウ 体調不良、食物アレルギー、障害のある子どもなど、一人一人の子どもの心身の状態等に応じ、嘱託医、かかりつけ医等の指示や協力の下に適切に対応すること。栄養士が配置されている場合は、専門性を生かした対応を図ること。
問8

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

N保育所の4歳児クラスで、外遊びから戻ってきた子どもたちが、麦茶を飲もうと列に並び始めた。S児、Y児が順番に並んでいった。先頭のS児が後方に並んでいたM児に呼ばれ少しだけ列の横に動いた。S児がその場を離れると予想したのか、前に並びたいという気持ちが働いたのか、Y児が先頭に並ぼうと前に出た。S児が「やめて。僕が一番なんだから」と強く言うが、Y児は譲らず、2人がつかみ合いになった。担当保育士がやってきて、「どうしたの?」と言いながら間に入った。近くにいた子どもたちがじっとその様子を見ていた。担当保育士は、保育室の隅に2人を連れていきそれぞれに状況や理由を聴き始めた。先ほどから2人のいざこざの様子を見ていたM児がそばにやってきて、「あのね、私がSちゃんに・・・」といざこざになった理由を説明し始めた。

【設問】

担当保育士の子どもへの対応として、「保育所保育指針」第1章「総則」の1「保育所保育に関する基本原則」、3「保育の計画及び評価」及び第2章「保育の内容」の3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 最も重要なことは、2人のいざこざの理由を当事者のそれぞれが自分で説明することなので、自分のこと(列に並んで麦茶を飲むこと)に専念するようM児をその場から遠ざける。
  2. B 当事者それぞれが状況や理由を言葉で主張しあうことも大切だが、クラスの子どもが友達のいざこざに関心をもち、解決のプロセスに参加するように援助する。
  3. C いざこざは、当事者が一番わかっていることなので、他の子どもが野次馬的な感情で参加することはいけないことだと、このような機会をとらえて全体に指導する。
  4. D 4歳児クラスとして規範意識の育ちを促す良い機会なので、周囲の子どもと一緒にどうしたらよいかを考える。
  5. E M児は自分がS児に呼びかけた結果、トラブルになったことで責任を感じているのかもしれない。M児の気持ちも配慮しながら、いざこざに対する援助をする。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 × ×
2 × ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × × ×
正解は3
「保育所保育指針」第1章「総則」の1「保育所保育に関する基本原則」、3「保育の計画及び評価」及び第2章「保育の内容」の3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」参照。

A 不適切です。 M児が友達のいざこざのきっかけになってしまったことを気にかけ、そのときの状況を説明したいと言っているにもかかわらず、話を聞かずに遠ざけるのは不適切です。

B 適切です。 

C 不適切です。 「野次馬的な感情で参加することはいけないことだと指導する」のではなく、子どもたちが初めて経験する場面では、自分のことだけではなく他人のことにも関心を持ち、解決へ導く指導をすることが大切です。

D 適切です。 

E 適切です。


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
1 保育所保育に関する基本原則
3 保育の計画及び評価

(1) 全体的な計画の作成

ア 保育所は、1の(2)に示した保育の目標を達成するために、各保育所の保育の方針や目標に基づき、子どもの発達過程を踏まえて、保育の内容が組織的・計画的に構成され、保育所の生活の全体を通して、総合的に展開されるよう、全体的な計画を作成しなければならない。

イ 全体的な計画は、子どもや家庭の状況、地域の実態、保育時間などを考慮し、子どもの育ちに関する長期的見通しをもって適切に作成されなければならない。

ウ 全体的な計画は、保育所保育の全体像を包括的に示すものとし、これに基づく指導計画、保健計画、食育計画等を通じて、各保育所が創意工夫して保育できるよう、作成されなければならない。

(2) 指導計画の作成

ア 保育所は、全体的な計画に基づき、具体的な保育が適切に展開されるよう、子どもの生活や発達を見通した長期的な指導計画と、それに関連しながら、より具体的な子どもの日々の生活に即した短期的な指導計画を作成しなければならない。

イ 指導計画の作成に当たっては、第2章及びその他の関連する章に示された事項のほか、子ども一人一人の発達過程や状況を十分に踏まえるとともに、次の事項に留意しなければならない。

(ア) 3歳未満児については、一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、個別的な計画を作成すること。

(イ) 3歳以上児については、個の成長と、子ども相互の関係や協同的な活動が促されるよう配慮すること。

(ウ) 異年齢で構成される組やグループでの保育においては、一人一人の子どもの生活や経験、発達過程などを把握し、適切な援助や環境構成ができるよう配慮すること。

ウ 指導計画においては、保育所の生活における子どもの発達過程を見通し、生活の連続性、季節の変化などを考慮し、子どもの実態に即した具体的なねらい及び内容を設定すること。また、具体的なねらいが達成されるよう、子どもの生活する姿や発想を大切にして適切な環境を構成し、子どもが主体的に活動できるようにすること。

エ 一日の生活のリズムや在園時間が異なる子どもが共に過ごすことを踏まえ、活動と休息、緊張感と解放感等の調和を図るよう配慮すること。

オ 午睡は生活のリズムを構成する重要な要素であり、安心して眠ることのできる安全な睡眠環境を確保するとともに、在園時間が異なることや、睡眠時間は子どもの発達の状況や個人によって差があることから、一律とならないよう配慮すること。

カ 長時間にわたる保育については、子どもの発達過程、生活のリズム及び心身の状態に十分配慮して、保育の内容や方法、職員の協力体制、家庭との連携などを指導計画に位置付けること。

キ 障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。また、子どもの状況に応じた保育を実施する観点から、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成するなど適切な対応を図ること。

(3) 指導計画の展開

指導計画に基づく保育の実施に当たっては、次の事項に留意しなければならない。

ア 施設長、保育士など、全職員による適切な役割分担と協力体制を整えること。

イ 子どもが行う具体的な活動は、生活の中で様々に変化することに留意して、子どもが望ましい方向に向かって自ら活動を展開できるよう必要な援助を行うこと。

ウ 子どもの主体的な活動を促すためには、保育士等が多様な関わりをもつことが重要であることを踏まえ、子どもの情緒の安定や発達に必要な豊かな体験が得られるよう援助すること。

エ 保育士等は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化などに即して保育の過程を記録するとともに、これらを踏まえ、指導計画に基づく保育の内容の見直しを行い、改善を図ること。

(4) 保育内容等の評価

ア 保育士等の自己評価

(ア) 保育士等は、保育の計画や保育の記録を通して、自らの保育実践を振り返り、自己評価することを通して、その専門性の向上や保育実践の改善に努めなければならない。

(イ) 保育士等による自己評価に当たっては、子どもの活動内容やその結果だけでなく、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程などにも十分配慮するよう留意すること。

(ウ) 保育士等は、自己評価における自らの保育実践の振り返りや職員相互の話し合い等を通じて、専門性の向上及び保育の質の向上のための課題を明確にするとともに、保育所全体の保育の内容に関する認識を深めること。

イ 保育所の自己評価

(ア) 保育所は、保育の質の向上を図るため、保育の計画の展開や保育士等の自己評価を踏まえ、当該保育所の保育の内容等について、自ら評価を行い、その結果を公表するよう努めなければならない。

(イ) 保育所が自己評価を行うに当たっては、地域の実情や保育所の実態に即して、適切に評価の観点や項目等を設定し、全職員による共通理解をもって取り組むよう留意すること。

(ウ) 設備運営基準第36条の趣旨を踏まえ、保育の内容等の評価に関し、保護者及び地域住民等の意見を聴くことが望ましいこと。

(5) 評価を踏まえた計画の改善

ア 保育所は、評価の結果を踏まえ、当該保育所の保育の内容等の改善を図ること。

イ 保育の計画に基づく保育、保育の内容の評価及びこれに基づく改善という一連の取組により、保育の質の向上が図られるよう、全職員が共通理解をもって取り組むことに留意すること。
問9

次の文のうち、フレーベル(Fröbel, F.W.)に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 人智学という独自の立場と神秘主義的思想から、オイリュトミーやフォルメンという独特の活動を保育の実践に取り入れた。
  2. B 幼児のための遊具を考案し、ドイツ語で神からの贈り物を意味する「ガーベ」と名付けた。これは、日本には「恩物」という名前で紹介された。
  3. C 1837 年に「遊戯及び作業教育所」を開設し、この施設は 1840 年に保育者養成の施設と統合されて「キンダーガルテン」と改称され、世界初の幼稚園が誕生した。
  4. D 1826 年の著作『大教授学』には、万有在神論の考え方が表されるとともに、幼児期における遊戯の重要性が主張されている。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 × ×
3 × ×
4 ×
5 × ×
正解は問題不成立のため、受験者全員が正解となりました。
問題不成立のため、受験者全員が正解となりました。
問10

次の文は、保育所における子育て支援の基本的事項に関する記述である。「保育所保育指針」第4章「子育て支援」に照らして、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者自らが選択、決定していけるように支援する。
  2. B 保護者の話から不適切と思われる行動が行われているとわかれば、はっきりと非難の意思を示し禁止するように指示する。
  3. C 保護者とのコミュニケーションは、日常の送迎時における対話や連絡帳、電話、面接など様々な機会をとらえて行う。
  4. D 保育士や看護師、栄養士等の専門性を有する職員が配置されていることを生かして、保護者が子どもの成長に気付けるようにする。
  5. E 保護者の保育参観や保育体験への参加の機会は、他の子どもの家庭の状況がわかることから子育ての支援としては行わない。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × × ×
正解は3
A 適切です。 

B 不適切です。 「不適切な養育等が疑われる家庭への支援」には「保護者に育児不安等が見られる場合には、保護者の希望に応じて個別の支援を行うよう努めること。」とされています。

C 適切です。 

D 適切です。 

E 不適切です。 「保育の活動に対する保護者の積極的な参加は、保護者の子育てを自ら実践する力の向上に寄与することから、これを促すこと。」と述べられています。

「保育所保育指針」第4章「子育て支援」参照。
保育所保育指針より抜粋

第4章 子育て支援
1 保育所における子育て支援に関する基本的事項

(1) 保育所の特性を生かした子育て支援
ア 保護者に対する子育て支援を行う際には、各地域や家庭の実態等を踏まえるとともに、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重すること。
イ 保育及び子育てに関する知識や技術など、保育士等の専門性や、子どもが常に存在する環境など、保育所の特性を生かし、保護者が子どもの成長に気付き子育ての喜びを感じられるように努めること。

2 保育所を利用している保護者に対する子育て支援

(1) 保護者との相互理解
ア 日常の保育に関連した様々な機会を活用し子どもの日々の様子の伝達や収集、保育所保育の意図の説明などを通じて、保護者との相互理解を図るよう努めること。

(3) 不適切な養育等が疑われる家庭への支援
ア 保護者に育児不安等が見られる場合には、保護者の希望に応じて個別の支援を行うよう努めること。
イ 保護者に不適切な養育等が疑われる場合には、市町村や関係機関と連携し、要保護児童対策地域協議会で検討するなど適切な対応を図ること。また、虐待が疑われる場合には、速やかに市町村又は児童相談所に通告し、適切な対応を図ること。
問11

次の【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の法律・省令を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
  1. A すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
  2. B 乳児及び幼児は、心身ともに健全な人として成長してゆくために、その健康が保持され、かつ、増進されなければならない。
  3. C 保育所における保育は、養護及び教育を一体的に行うことをその特性とし、その内容については、厚生労働大臣が定める指針に従う。
  4. D 保育士は、保育士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。
【Ⅱ群】
  1. ア 児童福祉法
  2. イ 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和 23 年厚生省令第 63 号)
  3. ウ 母子保健法
  4. エ 日本国憲法
  5. オ 子ども・子育て支援法

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5
正解は4
A エ 「日本国憲法」第25条 

B ウ 「母子保健法」第3条 

C イ 「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」第35条 

D ア 「児童福祉法」第18条の21
問12

次の【Ⅰ群】と【Ⅱ群】は、「保育所保育指針」第1章「総則」の4「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」(1)「育みたい資質・能力」に関する記述である。【Ⅰ群】と【Ⅱ群】の記述を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
  1. A 学びに向かう力、人間性等
  2. B 知識及び技能の基礎
  3. C 思考力、判断力、表現力等の基礎
【Ⅱ群】
  1. ア 豊かな体験を通じて、感じたり、気付いたり、分かったり、できるようになったりする。
  2. イ 心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとする。
  3. ウ 気付いたことや、できるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする。
  4. エ してよいことや悪いことがわかり、自分の行動を振り返ったり、よりよい生活を営もうとする。

 

(組み合わせ)
A B C
1
2
3
4
5
正解は2
A イ 
「学びに向かう力、人間性等」心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとする

B ア 
「知識及び技能の基礎」豊かな体験を通じて、感じたり、気付いたり、分かったり、できるようになったりする

C ウ
「思考力、判断力、表現力等の基礎」気付いたことや、できるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする

「保育所保育指針」第1章「総則」の4「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」( 1 )「育みたい資質・能力」 参照


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
4 幼児教育を行う施設として共有すべき事項
(1) 育みたい資質・能力

ア 保育所においては、生涯にわたる生きる力の基礎を培うため、1の(2)に示す保育の目標を踏まえ、次に掲げる資質・能力を一体的に育むよう努めるものとする。

(ア) 豊かな体験を通じて、感じたり、気付いたり、分かったり、できるようになったりする「知識及び技能の基礎」

(イ) 気付いたことや、できるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする「思考力、判断力、表現力等の基礎」

(ウ) 心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとする「学びに向かう力、人間性等」

イ アに示す資質・能力は、第2章に示すねらい及び内容に基づく保育活動全体によって育むものである。
問13

次の文のうち、「保育所保育指針」第1章「総則」の3「保育の計画及び評価」に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 全体的な計画に基づき、子どもの生活や発達を見通した長期的な指導計画と、より具体的な子どもの日々の生活に即した短期的な指導計画を作成しなければならない。
  2. B 指導計画においては、保育所の生活における子どもの発達過程を見通し、生活の連続性、季節の変化などを考慮し、子どもの実態に即した具体的なねらい及び内容を設定する。
  3. C 一日の生活リズムや在園時間が異なる子どもが共に過ごすことを踏まえ、活動と休息、緊張感と解放感等の調和を図るよう配慮する。
  4. D 午睡は生活のリズムを構成する重要な要素であり、安心して眠ることのできる安全な睡眠環境を確保する。長時間にわたる保育等を考慮し、睡眠時間は一律に確保できるように配慮する。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 ×
5 × ×
正解は1
A 適切です。 

B 適切です。 

C 適切です。 

D 不適切です。 「睡眠時間は子どもの発達の状況や個人によって差があることから、一律とならないよう配慮すること。」と述べられています。


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
3 保育の計画及び評価
(2) 指導計画の作成

ア 保育所は、全体的な計画に基づき、具体的な保育が適切に展開されるよう、子どもの生活や発達を見通した長期的な指導計画と、それに関連しながら、より具体的な子どもの日々の生活に即した短期的な指導計画を作成しなければならない。

イ 指導計画の作成に当たっては、第2章及びその他の関連する章に示された事項のほか、子ども一人一人の発達過程や状況を十分に踏まえるとともに、次の事項に留意しなければならない。

(ア) 3歳未満児については、一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、個別的な計画を作成すること。

(イ) 3歳以上児については、個の成長と、子ども相互の関係や協同的な活動が促されるよう配慮すること。

(ウ) 異年齢で構成される組やグループでの保育においては、一人一人の子どもの生活や経験、発達過程などを把握し、適切な援助や環境構成ができるよう配慮すること。

ウ 指導計画においては、保育所の生活における子どもの発達過程を見通し、生活の連続性、季節の変化などを考慮し、子どもの実態に即した具体的なねらい及び内容を設定すること。また、具体的なねらいが達成されるよう、子どもの生活する姿や発想を大切にして適切な環境を構成し、子どもが主体的に活動できるようにすること。

エ 一日の生活のリズムや在園時間が異なる子どもが共に過ごすことを踏まえ、活動と休息、緊張感と解放感等の調和を図るよう配慮すること。

オ 午睡は生活のリズムを構成する重要な要素であり、安心して眠ることのできる安全な睡眠環境を確保するとともに、在園時間が異なることや、睡眠時間は子どもの発達の状況や個人によって差があることから、一律とならないよう配慮すること。

カ 長時間にわたる保育については、子どもの発達過程、生活のリズム及び心身の状態に十分配慮して、保育の内容や方法、職員の協力体制、家庭との連携などを指導計画に位置付けること。

キ 障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。また、子どもの状況に応じた保育を実施する観点から、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成するなど適切な対応を図ること。
問14

次の文は、障害児保育についての記述である。「保育所保育指針」第1章「総則」の3「保育の計画及び評価」(2)「指導計画の作成」に照らして適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 保育所は、全ての子どもが、日々の生活や遊びを通して共に育ち合う場であるため、一人一人の子どもが安心して生活できる保育環境となるよう、障害や様々な発達上の課題など、状況に応じて適切に配慮する必要がある。
  2. B 保育所では、障害のある子どもを含め、全ての子どもが自己を十分に発揮できるよう見通しをもって保育することが重要であり、障害のある子どもの指導計画はクラス等の指導計画に含めて作成するため、個別の計画を作成する必要はない。
  3. C 障害や発達上の課題のある子どもの理解と援助は、子どもの保護者や家庭との連携が大切であり、連携を通して保護者が保育所を信頼し、子どもについての共通理解の下に協力し合う関係を形成する。
  4. D 障害のある子どもの保育にあたっては、専門的な知識や経験を有する地域の児童発達支援センターや児童発達支援を行う医療機関などの関係機関と連携し、互いの専門性を生かしながら、子どもの発達に資するよう取り組んでいくことが必要である。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は3
A 適切です。 

B 不適切です。 
「子どもの状況に応じた保育を実施する観点から、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成するなど適切な対応を図ること。」と述べられています。

C 適切です。 

D 適切です。


保育所保育指針より抜粋

第1章 総則
3 保育の計画及び評価
(2) 指導計画の作成

ア 保育所は、全体的な計画に基づき、具体的な保育が適切に展開されるよう、子どもの生活や発達を見通した長期的な指導計画と、それに関連しながら、より具体的な子どもの日々の生活に即した短期的な指導計画を作成しなければならない。

イ 指導計画の作成に当たっては、第2章及びその他の関連する章に示された事項のほか、子ども一人一人の発達過程や状況を十分に踏まえるとともに、次の事項に留意しなければならない。

(ア) 3歳未満児については、一人一人の子どもの生育歴、心身の発達、活動の実態等に即して、個別的な計画を作成すること。

(イ) 3歳以上児については、個の成長と、子ども相互の関係や協同的な活動が促されるよう配慮すること。

(ウ) 異年齢で構成される組やグループでの保育においては、一人一人の子どもの生活や経験、発達過程などを把握し、適切な援助や環境構成ができるよう配慮すること。

ウ 指導計画においては、保育所の生活における子どもの発達過程を見通し、生活の連続性、季節の変化などを考慮し、子どもの実態に即した具体的なねらい及び内容を設定すること。また、具体的なねらいが達成されるよう、子どもの生活する姿や発想を大切にして適切な環境を構成し、子どもが主体的に活動できるようにすること。

エ 一日の生活のリズムや在園時間が異なる子どもが共に過ごすことを踏まえ、活動と休息、緊張感と解放感等の調和を図るよう配慮すること。

オ 午睡は生活のリズムを構成する重要な要素であり、安心して眠ることのできる安全な睡眠環境を確保するとともに、在園時間が異なることや、睡眠時間は子どもの発達の状況や個人によって差があることから、一律とならないよう配慮すること。

カ 長時間にわたる保育については、子どもの発達過程、生活のリズム及び心身の状態に十分配慮して、保育の内容や方法、職員の協力体制、家庭との連携などを指導計画に位置付けること。

キ 障害のある子どもの保育については、一人一人の子どもの発達過程や障害の状態を把握し、適切な環境の下で、障害のある子どもが他の子どもとの生活を通して共に成長できるよう、指導計画の中に位置付けること。また、子どもの状況に応じた保育を実施する観点から、家庭や関係機関と連携した支援のための計画を個別に作成するなど適切な対応を図ること。
問15

次の文は、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」の1「乳児保育に関わるねらい及び内容」の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・ 乳児は( A )への抵抗力が弱く、心身の機能の未熟さに伴う( A )の発生が多いことから、一人一人の発育及び発達状態や健康状態についての適切な判断に基づく( B )な対応を行うこと。
  2. ・ 一人一人の子どもの( C )の違いに留意しつつ、欲求を適切に満たし、特定の保育士が( D )に関わるように努めること。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 疾病 保健的 生育歴 応答的
2 感染症 医療的 性格 指導的
3 疾病 医療的 生育歴 指導的
4 感染症 保健的 生育歴 指導的
5 疾病 医療的 性格 応答的
正解は1
「保育所保育指針」第2章「保育の内容」の1「乳児保育に関わるねらい及び内容」参照。

A「疾病」

B 「保健的」

C「生育歴」

D「応答的」


保育所保育指針より抜粋

第2章 保育の内容
1 乳児保育に関わるねらい及び内容
(3) 保育の実施に関わる配慮事項

ア 乳児は疾病への抵抗力が弱く、心身の機能の未熟さに伴う疾病の発生が多いことから、一人一人の発育及び発達状態や健康状態についての適切な判断に基づく保健的な対応を行うこと。

イ 一人一人の子どもの生育歴の違いに留意しつつ、欲求を適切に満たし、特定の保育士が応答的に関わるように努めること。

ウ 乳児保育に関わる職員間の連携や嘱託医との連携を図り、第3章に示す事項を踏まえ、適切に対応すること。栄養士及び看護師等が配置されている場合は、その専門性を生かした対応を図ること。

エ 保護者との信頼関係を築きながら保育を進めるとともに、保護者からの相談に応じ、保護者への支援に努めていくこと。

オ 担当の保育士が替わる場合には、子どものそれまでの生育歴や発達過程に留意し、職員間で協力して対応すること。
問16

次の文のうち、「保育所保育指針」第4章「子育て支援」に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 「保育所における子育て支援に関する基本的事項」には、各地域や家庭の実態等を踏まえつつも、最終的には専門職である保育士の提案に保護者が従えるようにすることが記載されている。
  2. B 「保育所における子育て支援に関する基本的事項」の「子育て支援に関して留意すべき事項」には、子どもの利益に反しない限りにおいて、保護者や子どものプライバシーを保護し、知り得た事柄の秘密を保持することが記載されている。
  3. C 「保育所を利用している保護者に対する子育て支援」には、保護者の就労と子育ての両立等を支援するため、保護者の多様化した保育の需要に応じて、病児保育事業など多様な事業を実施する場合には、保護者の就労事情を最優先に配慮した対応に努めることと記載されている。
  4. D 「地域の保護者等に対する子育て支援」には、地域の要保護児童への対応など、地域の子どもをめぐる諸課題に対して、関係機関等と連携及び協力して取り組むことに努めるよう記載されている。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は4
A 不適切です。 「保護者に対する子育て支援を行う際には、各地域や家庭の実態等を踏まえるとともに、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重すること。」と述べられています。

B 適切です。 

C 不適切です。 「保護者の就労事情を最優先に配慮した対応に努めること。」ではなく、「保護者の状況に配慮するとともに、子どもの福祉が尊重されるよう努め、子どもの生活の連続性を考慮すること。」と述べられています。

D 適切です。 


保育所保育指針より抜粋

第4章 子育て支援
1 保育所における子育て支援に関する基本的事項
(1) 保育所の特性を生かした子育て支援
ア 保護者に対する子育て支援を行う際には、各地域や家庭の実態等を踏まえるとともに、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重すること。

イ 保育及び子育てに関する知識や技術など、保育士等の専門性や、子どもが常に存在する環境など、保育所の特性を生かし、保護者が子どもの成長に気付き子育ての喜びを感じられるように努めること。

(2) 子育て支援に関して留意すべき事項
ア 保護者に対する子育て支援における地域の関係機関等との連携及び協働を図り、保育所全体の体制構築に努めること。

イ 子どもの利益に反しない限りにおいて、保護者や子どものプライバシーを保護し、知り得た事柄の秘密を保持すること。


2 保育所を利用している保護者に対する子育て
(2) 保護者の状況に配慮した個別の支援
ア 保護者の就労と子育ての両立等を支援するため、保護者の多様化した保育の需要に応じ、病児保育事業など多様な事業を実施する場合には、保護者の状況に配慮するとともに、子どもの福祉が尊重されるよう努め、子どもの生活の連続性を考慮すること。

イ 子どもに障害や発達上の課題が見られる場合には、市町村や関係機関と連携及び協力を図りつつ、保護者に対する個別の支援を行うよう努めること。

ウ 外国籍家庭など、特別な配慮を必要とする家庭の場合には、状況等に応じて個別の支援を行うよう努めること。


3 地域の保護者等に対する子育て支援
(2) 地域の関係機関等との連携
ア 市町村の支援を得て、地域の関係機関等との積極的な連携及び協働を図るとともに、子育て支援に関する地域の人材と積極的に連携を図るよう努めること。

イ 地域の要保護児童への対応など、地域の子どもを巡る諸課題に対し、要保護児童対策地域協議会など関係機関等と連携及び協力して取り組むよう努めること。
問17

次の文のうち、「保育所保育指針」第2章「保育の内容」の1「乳児保育に関わるねらい及び内容」の一部として、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 伸び伸びと体を動かし、はう、歩くなどの運動をしようとする。
  2. B 食事、睡眠等の生活のリズムの感覚が芽生える。
  3. C 周囲の子ども等への興味や関心が高まり、関わりをもとうとする。
  4. D 身近な事象を見たり、考えたり、扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は2
A 適切です。 

B 適切です。 

C 不適切です。 「1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容」の記述です。 

D 不適切です。 「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」の記述です。


保育所保育指針より抜粋

第2章 保育の内容
1 乳児保育に関わるねらい及び内容
(2) ねらい及び内容
ア 健やかに伸び伸びと育つ
健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力の基盤を培う。

(ア) ねらい
① 身体感覚が育ち、快適な環境に心地よさを感じる。

② 伸び伸びと体を動かし、はう、歩くなどの運動をしようとする。

③ 食事、睡眠等の生活のリズムの感覚が芽生える。

(イ) 内容
① 保育士等の愛情豊かな受容の下で、生理的・心理的欲求を満たし、心地よく生活をする。

② 一人一人の発育に応じて、はう、立つ、歩くなど、十分に体を動かす。

③ 個人差に応じて授乳を行い、離乳を進めていく中で、様々な食品に少しずつ慣れ、食べることを楽しむ。

④ 一人一人の生活のリズムに応じて、安全な環境の下で十分に午睡をする。

⑤ おむつ交換や衣服の着脱などを通じて、清潔になることの心地よさを感じる。


2 1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容
(2) ねらい及び内容
イ 人間関係
(ア) ねらい
② 周囲の子ども等への興味や関心が高まり、関わりをもとうとする。


3 3歳以上児の保育に関するねらい及び内容
(2) ねらい及び内容
ウ 環境
(ア) ねらい
③ 身近な事象を見たり、考えたり、扱ったりする中で、物の性質や数量、文字などに対する感覚を豊かにする。
問18

次の【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の語句を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
  1. A 1899(明治 32)年、文部省令として公布され、幼稚園の保育目的、編制、保育内容などに関して国として最初の基準を定めた。
  2. B 1926(大正 15)年、日本の幼稚園に関する最初の単独の勅令として公布された。
  3. C 1948(昭和 23)年に文部省から出された幼児教育の手引書で、幼稚園のみならず保育所や子どもを育てる母親を対象とする幅広い手引書となった。
  4. D 1951(昭和 26)年5月5日、「日本国憲法」の精神にしたがい、すべての児童の権利を保障し、幸福を図るために制定された。
【Ⅱ群】
  1. ア 保育要領
  2. イ 幼稚園保育及設備規程
  3. ウ 児童憲章
  4. エ 幼稚園令

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5
正解は4
A  イ 「幼稚園保育及設備規程」とは、1899年 日本最初の幼稚園に関する単独法令。児童の受け入れ人数、保育士一人当たりが保育できる子どもの人数、保育時間、保育項目、建物の内容を枠として制定されました。

B  エ 「幼稚園令」とは1926年に「幼稚園保育及設備規程」の項目に「観察」が新たに加わりました。

C  ア 「保育要領」とは1948年、倉橋惣三が主導して作成された家庭でも使える幼児教育の手引きです。

D  ウ 「児童憲章」とは1951年5月5日子どもの日に制定された「子どもの権利条約」。生きる権利、守られる権利、育つ権利、参加する権利の4つの柱があります。
問19

次の文のうち、諸外国の幼児教育・保育に関する記述として、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 「ラーニング・ストーリー」は、子どもたちの育ちや経験を観察し、写真や文章などの記録を通して理解しようとする方法であり、自らも保育者であったマーガレット・カー(Carr, M.)を中心にニュージーランドで開発された。
  2. B 1965 年に、スウェーデンで開始された「ヘッド・スタート計画」は、主に福祉的な視点から、貧困家庭の子どもたちに適切な教育を与えて小学校入学後の学習効果を高めることを意図した包括的プログラムである。
  3. C イタリアのレッジョ・エミリア市では、第二次世界大戦後、ローリス・マラグッツィ(Malaguzzi, L.)のリーダーシップのもと、独創的な保育の取り組みが進められてきた。

 

(組み合わせ)
A B C
1
2 ×
3 ×
4 × ×
5 × × ×
正解は3
A 適切です。 幼児教育先進国といわれるニュージーランド発祥の子ども理解のためのアセスメント方法です。

B 不適切です。 ヘッドスタート計画は、アメリカ連邦政府が最も重点を置いている低所得層のための保育プログラムです。

C 適切です。 イタリアのレッジョ・エミリア市発祥の幼児教育実践法では個々の意思を大切にしながら、子どもの表現力やコミュニケーション能力、探究心、考える力などを養うことを目的としています。
問20

次の表は、平成 29 年4月の年齢区分別の保育所等利用児童数および待機児童数を示したものである。この表を説明した記述として、正しいものを一つ選びなさい。ただし、ここでいう「保育所等」は、従来の保育所に加え、平成 27 年4月に施行した子ども・子育て支援新制度において新たに位置づけられた幼保連携型認定こども園等の特定教育・保育施設と特定地域型保育事業(うち2号・3号認定)を含むものとする。

 

1 平成 29 年の保育所等の利用児童数は、3歳以上児よりも低年齢児(0~2歳)の方が多い。
2 平成 29 年の保育所等の待機児童数は、3歳以上児が最も多い。
3 平成 29 年の保育所等の待機児童数は、2万6千人を超えており、そのうち低年齢児(0~2歳)が8割以上を占めている。
4 平成 29 年の保育所等の利用児童数の割合は、低年齢児(0~2歳)が約4割であり、待機児童数は低年齢児(0~2歳)が3歳以上児よりも少なくなっている。
5 平成 29 年の保育所等の利用児童数の割合は、3歳以上児が約6割であり、待機児童数は3歳以上児が低年齢児(0~2歳)よりも多くなっている。
正解は3
1 不適切です。 利用児童数は、3歳以上児よりも低年齢児(0〜2歳)の方が少ないです。

2 不適切です。 待機児童数は、1〜2歳児が最も多いです。

3 適切です。 

4 不適切です。 待機児童数は低年齢児(0〜2歳)が3歳以上児よりも多いです。

5 不適切です。 待機児童数は3歳以上児が低年齢児(0〜2歳)よりも少なくなっています。
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