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保育士試験
過去問題
平成30年度(前期)

子どもの食と栄養 平成30年度(前期)

問1

次の文のうち、「授乳・離乳の支援ガイド」(平成 19 年:厚生労働省)におけるⅡ「離乳編」の一部として正しいものを○、誤ったものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 離乳とは、母乳または育児用ミルク等の乳汁栄養から離乳食に移行する過程をいう。
  2. B 離乳の完了とは、母乳や育児用ミルクを飲んでいない状態をいう。
  3. C 「手づかみ食べ」は、食べ物を目で確かめて、手指でつかんで、口まで運び口に入れ るという目と手と口の協調運動であり、摂食機能の発達の上で重要な役割を担う。
  4. D 成長の目安は、体重と身長からローレル指数を求めて判定する。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は4
「授乳・離乳の支援ガイド」(平成19年:厚生労働省)は2019(平成31)年3月に改訂されましたが、内容に関して大きな変更はありません。

A:× 乳汁栄養から幼児食に移行する過程のことを離乳といいます。

B:× 母乳を飲まなくなっただけでなく、固形の食物を咀嚼することができるようになり、エネルギーの大半を母乳及び育児用ミルクなどから摂取せずともよい状態の事をいいます。

C:〇 2019(平成31)年改訂版には、「食べ物を触ったり、握ったりすることで、その固さや触感を体験し、食べ物への関心につながり、自らの意思で食べようとする行動につながる」とあるように、子どもの手づかみ食べは食器や食具を上手に使いこなすことや食事に対する興味につながるため重要な動作の一つです。

D:× ローレル指数とは子どもの身長と体重のバランス数値で、学童期の発育状況を知る目安となる数値です。
乳幼児の場合母子手帳に「乳児身体発育曲線」や「幼児身体発育曲線」のグラフに身長や体重の数値を記載して曲線カーブの推移を元に判定することができます。
問2

次の文は、糖質に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A ガラクトースは、単糖類である。
  2. B ブドウ糖(グルコース)は、ショ糖、乳糖、麦芽糖などの構成成分である。
  3. C 麦芽糖(マルトース)は、さとうきびに存在する。
  4. D 果糖(フルクトース)は、ショ糖の構成成分である。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 ×
4 × ×
5 × × ×
正解は2
A:〇 ガラクトースは、単糖の一種です。

B:〇 ブドウ糖(グルコース)は、糖類の中で最も基本的な単糖類です。果糖やガラクトースと結合しショ糖・乳糖などを構成しています。

C:× 麦芽糖(マルトース)は、さとうきびに存在しません。さとうきびに存在するのは砂糖です。

D:〇 果糖(フルクトース)は、単糖の一種でショ糖の構成成分です。
問3

次の文は、ミネラルに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A ヨウ素は、甲状腺ホルモンの構成成分であり、昆布に多く含まれる。
  2. B 鉄は、ヘモグロビンの成分であり、レバーに多く含まれる。
  3. C マグネシウムは、骨や歯の構成成分であり、乳製品に多く含まれる。
  4. D 亜鉛が不足すると、味覚障害の一因となる。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 ×
3 × × ×
4 × ×
5 × ×
正解は2
A:〇 ヨウ素は体内では甲状腺に存在しており、食物では海藻類などから摂取することができます。

B:〇 血液中にはヘモグロビンが多く含まれ、鉄はヘモグロビンの成分です。また、鉄が欠乏すると貧血の原因にります。

C:× 乳製品に多く含まれる骨や歯の構成成分はカルシウムです。

D:〇 亜鉛はタンパク質の合成に係る酵素の一つで、不足すると免疫力の低下や味覚障害の原因になります。
問4

次の文は、ビタミンに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A ビタミンAは、皮膚や目・鼻・のど・胃腸等の粘膜を正常に保ち、欠乏すると夜盲症の原因となる。
  2. B ビタミンB 1 は、糖質代謝を促進し、欠乏すると脚気の原因となる。
  3. C ビタミンCは、コラーゲンの生成と維持に関与し、欠乏すると壊血病の原因となる。
  4. D ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進し、欠乏するとくる病の原因となる。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は1
A:〇 ビタミンAは、脂溶性ビタミンの一つであり、豚レバー、鶏レバー、バター、鶏卵などの動物性食品に多く含まれています。

B:〇 ビタミンB1は、水溶性ビタミンの一つであり、糖質を多く摂る人や、良く体を動かす人はエネルギー産生が盛んなためビタミンB1の需要が高まります。肉類、魚類、豆類、穀類、種実類などに多く含まれています。

C:〇 ビタミンCは、水溶性ビタミンの一つであり、果実類、野菜類、いも及びでん粉類に多く含まれています。ストレスや風邪などの病気に対する抵抗力を強める働きもあります。

D:〇 ビタミンDは、脂溶性ビタミンの一つのため、過剰摂取による健康障害がみられます。きのこ類、魚介類、卵類、乳類に多く含まれています。
問5

次の文は、幼児期の健康上の課題と食生活に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

 

1 幼児期の肥満への対応は、成長期であるため、極端な食事制限は行わない方がよい。
2 乳歯は、永久歯に抜けかわるため、むし歯(う歯)になっても治療は控えてよい。
3 むし歯(う歯)を防ぐには、甘い間食を少なくし、食後の口ゆすぎ、歯みがきの励行を心がける。
4 菓子の中でも、砂糖含有量が多く、歯の表面への粘着性が高いもので、口腔内滞在時間が長いものは、う蝕誘発性が高い。
5 幼児期の肥満は、学童期以降の肥満につながる可能性をもっている。
正解は2
1:〇 極度の食事制限をすると、成長期に必要な栄養素・エネルギーの摂取不足になるため、食生活の改善や運動の取り組みが推奨されています。

2:× 乳歯のむし歯は、乳歯の根に細菌がたまり、その下にある永久歯の発育に阻害するだけでなく永久歯も虫歯にかかりやすくなったり歯並びにまで影響をもたらす可能性があります。

3:◯ むし歯を防ぐためには、甘い間食に含まれる砂糖をとり過ぎないこと、とった後の口ゆすぎや歯磨きなどで対策をきちんと行うことが必要です。

4:◯ う蝕誘発性が特に高いものとして、なかなか口の中で溶けないキャンディーや、歯にくっつきやすいキャラメルなどが挙げられます。

5:◯ 厚生労働省「保育所における食事の提供ガイドライン」第3章2「食事の提供の留意事項」(3)「一人一人に応じた対応について」⑤「肥満」により、幼児の肥満の65%は、学童肥満になるとされています。
問6

次の文は、「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」の栄養素の指標についての記述である。( A )~( E )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・ 栄養素の指標は、3つの目的からなる5つの指標で構成する。
  2. ・ 摂取不足の回避を目的として( A )を設定する。( A )は、半数の人が必要量を満たす量である。
  3. ・ ( A )を補助する目的で、( B )を設定する。( B )は、ほとんどの人が充足している量である。
  4. ・ 十分な科学的根拠が得られず、( A )と( B )が設定できない場合には( C )を設定する。
  5. ・ 過剰摂取による健康障害の回避を目的として、( D )を設定する。
  6. ・ 生活習慣病の予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量として( E )を設定する。
【語群】
  • ア 耐容上限量
  • イ 目標量
  • ウ 推定平均必要量
  • エ 目安量
  • オ 推奨量

 

(組み合わせ)
A B C D E
1
2
3
4
5
正解は3
設問は、2015年版であるが、最新の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で示されている栄養素の5つの指標と同様です。

A:ウ 推定平均必要量
B:オ 推奨量
C:エ 目安量
D:ア 耐容上限量
E:イ 目標量

推定平均必要量は、50%の人が必要量を満たす数値です。一方、推奨量は、ほとんどの人が必要量を満たす数値です。
問7

次の表は、3色食品群の食品の分類に関するものである。表中の( A )~( D )にあてはまる食品の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

 

(組み合わせ)
A B C D
1 米・パン・めん類 魚・肉・卵 油脂 野菜・果物
2 魚・肉・卵 米・パン・めん類 野菜・果物 油脂
3 魚・肉・卵 米・パン・めん類 油脂 野菜・果物
4 油脂 米・パン・めん類 魚・肉・卵 野菜・果物
5 油脂 野菜・果物 米・パン・めん類 魚・肉・卵
正解は3
3色食品群とは、体内での働きや特徴により、「赤」「黄」「緑」の3色に食品を分類したものです。
赤は魚や肉や卵や乳製品などのたんぱく質が中心で主に体を作る役割をします。
黄は米や穀物など炭水化物や油脂を中心に、体のエネルギーになるものです。
緑は野菜や果物やキノコなどの体の調子を整えるものが中心となっています。


A:魚・肉・卵

B:米・パン・めん類

C:油脂

D:野菜・果物
問8

次の表は、「授乳・離乳の支援ガイド」(平成 19 年:厚生労働省)に示されている「離乳食の進め方の目安」の一部である。表中の( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

 

(組み合わせ)
A B C D
1 生後3、4か月頃 5~8か月頃
2 生後5、6か月頃 7、8か月頃 歯ぐき
3 生後3、4か月頃 5~8か月頃 歯ぐき
4 生後5、6か月頃 7、8か月頃 歯ぐき
5 生後4か月頃 5~8か月頃 歯ぐき
正解は4
「授乳・離乳の支援ガイド」(平成19年厚生労働省)「離乳食の進め方の目安」よりA~Dは以下の通りです。

A:生後5、6か月頃

B:7、8か月頃

C:舌

D:歯ぐき

※2019(平成31)年改訂版にも同様の記載があります。
問9

次の文は、乳汁栄養に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 分娩後、数日以内に分泌される黄色みをおびた粘りのある乳を初乳という。
  2. B 調製粉乳には、乳児用調製粉乳、低出生体重児用粉乳、ペプチドミルク、フォローアップミルク等がある。
  3. C 乳児用調製粉乳は、月齢により与える調乳濃度が異なる。
  4. D フォローアップミルクを使用する場合は、生後9か月以降とする。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は2
A:〇 初乳は分娩後数日間だけ分泌される乳汁で、黄色味かかっており、通常の乳汁とは異なりタンパク質、脂肪、灰分が多く、乳糖は少なく、また、新生児の免疫力や殺菌力を高める効果があります。

B:〇 乳児用調製粉乳、いわゆる粉ミルクのことで、牛乳などを主原料に乳幼児に必要な栄養が厚生労働省の「健康増進法」に基づき配合されています。なおフォローアップミルクには成分の規定はありません。

C:× 乳児用調製粉乳の濃度は月齢によって変化することはなく、同じ濃度で与えます。

D:〇 フォローアップミルクは生後9か月以降の乳汁から離乳食への切り替えの時期に摂取することが望ましいです。フォローアップミルクは完全栄養食ではなく離乳食の補完的な役割を果たすものです。
問10

次の文は、「平成 27 年度乳幼児栄養調査」(厚生労働省)に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 午後 10 時以降に就寝する子どもの割合(0~6歳児)では、平日・休日ともに保護者の就寝時刻が「深夜1時以降」が最も高率であった。
  2. B 「子どもの共食の状況」(2~6歳)で、家族そろって食事をする子どもの割合は、朝食よりも夕食が多かった。
  3. C 毎日、朝食を「必ず食べる」と回答した子どもの割合は、約 60%であった。
  4. D 「社会経済的要因別主要食物の摂取頻度」では、経済的な暮らし向きが「ゆとりなし」の場合、インスタントラーメンやカップ麺の摂取頻度が、「ゆとりあり」の暮らし向きよりも高い傾向がみられた。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 × ×
4 × ×
5 × × × ×
正解は2
A:〇 午後10時以降に就寝する子どもの保護者の就寝時刻は、深夜1時以降が最多となっています。したがって、子どもは保護者の生活リズムに大きく影響を受けているといえます。

B:〇 「子どもの共食の状況」(2~6歳)で、家族そろって食事をする子どもの割合は、朝食で24.1%、夕食は48.0%と、夕食のほうが多くなっています。

C:×  朝食を「必ず食べる」子どもの割合は9割以上(93.9%)、欠食する子どもの割合は6.4%であるが、保護者朝食を食べるの割合は81.2%、欠食する保護者の割合は18.6%と低いことがわかります。

D:〇 経済的な暮らし向きが「ゆとりなし」では、インスタントラーメンやカップ麺の摂取頻度が高いです。対して、「ゆとりあり」の場合は、魚、大豆・大豆製品、野菜、果物などの摂取頻度が高くなっています。
問11

次の文は、「保育所における食事の提供ガイドライン」(平成 24 年:厚生労働省)における幼児期の偏食への対応方法についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 嫌いな食材を好きな食材に少し混ぜる。
  2. B 無理強いをしないで、チャレンジしようとする好奇心を育てるように言葉かけなどを行う。
  3. C 調理を工夫して、小さく切ったり柔らかくする。
  4. D 嫌いなものを食べることにより、苦手なことを克服する自信や達成感が得られたり、チャレンジ精神が培われるような働きかけが大切である。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は1
「保育所における食事の提供ガイドライン」第3章「保育所における食事の提供の具体的なあり方」2「食事の提供の留意事項」(3)「一人一人に応じた対応について」④「偏食」(以下「同ガイドライン」)に関する内容であり、以下の通りとなります。

A:〇 「同ガイドライン」対応例②好きな食材に少し混ぜる

B:〇 「同ガイドライン」対応例④無理強いをしないで、チャレンジしようとする好奇心を育てるように言葉かけなどを行う

C:〇 「同ガイドライン」対応例①調理を工夫して、小さく切ったり柔らかくする

D:〇 「同ガイドライン」に関する記述

なお、その他の対応例として③ピーマンなどのにおいが強い食材は、調理によりにおいを弱めるなどの工夫をする、⑤子どもと一緒に、野菜栽培や料理を行う、⑥皆と一緒に楽しく食事をするなどの配慮も好き嫌いを直すのに有効であるとしています。
問12

次のうち、食中毒の原因菌とその原因食品として最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

 

(組み合わせ)
〈原因菌〉 〈原因食品〉
1 腸管出血性大腸菌 ――― 卵焼き
2 サルモネラ菌 ――― しめさば
3 腸炎ビブリオ ――― あゆの塩焼き
4 ボツリヌス菌 ――― ビン詰、缶詰
5 セレウス菌(嘔吐型) ――― 生肉

 

正解は4
1:× 腸管出血性大腸菌はO157とも呼ばれ、牛などの家畜が保菌している場合があり、汚染された食肉の加熱不足などで感染することがある。

2:× サルモネラ菌は、牛、豚、鶏などのが原因で食中毒になることが多い。

3:× 腸炎ビブリオは海に生息し夏季に多発する。主な原因となる食品として刺身、寿司が多いとされている。

4:〇 ボツリヌス菌は、発生すると吐き気、嘔吐や視覚障害、言語障害、嚥下困難などの神経症状が現れるのが特徴である。主な原因となる食品として、ビン詰めや缶詰、保存食品に多く、ボツリヌス菌が増殖すると容器が膨張し、開封すると異臭がする場合がある。

5:× セレウス菌(嘔吐型)は、米、小麦、豆、野菜などの農作物・穀物を原料とする食品に多く、大量の作り置きなど冷めた調理済みの食品中で急激に増殖する。
問13

次の文は、妊娠期の栄養と食生活に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 妊娠中は非妊娠時に比べ、母体の組織増加、胎児や胎盤を維持するためのカルシウムの必要量が増加するため、「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」では、カルシウムの付加量が設定されている。
  2. B ビタミンAは、胎児の発達に必須の因子であるため、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、妊娠初期から付加量が設定されている。
  3. C 妊娠中は非妊娠時に比べ、母体の組織増加、胎児や胎盤を維持するためのナトリウムの必要量が増加するため、「日本人の食事摂取基準(2015 年版)」では、食塩相当量に付加量が設定されている。
  4. D リステリア食中毒の原因となるため、妊娠中に避けた方がよい食べ物として、加熱殺菌していないナチュラルチーズ、肉や魚のパテ(すりつぶして調味した生肉や生魚)、生ハム、スモークサーモンがあげられている。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は5
A:× カルシウムの付加量は設定されていませんが、積極的な摂取は推奨されています。

B:× 過剰摂取することにより先天奇形が増加することが報告されているビタミンAは、妊娠初期並びに中期における付加量を0(ゼロ)としています。

C:× 妊娠中に必要なナトリウム(塩分)は日常の食事の中から十分に摂取することができるため食塩相当量に付加量は設定されていません。

D:〇 感染すると髄膜炎、敗血症などの重篤な全身症状を示すことがあるリステリア食中毒は、欧米では、乳製品、食肉加工品、魚介類加工品等で発生しています。
国内では菌数は少ないが、検出されていないわけではないので、ナチュラルチーズや生ハム、スモークサーモンなどの加工食品の摂取は控えた方が良いでしょう。
問14

次の文は、「授乳・離乳の支援ガイド」(平成 19 年:厚生労働省)の「授乳の支援に関する基本的考え方」についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を ×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 授乳の支援にあたっては、母乳や育児用ミルクといった乳汁の種類にかかわらず、母子の健康の維持とともに、健やかな母子・親子関係の形成を促し、育児に自信をもたせることを基本とする。
  2. B 母乳の利点の一つに、感染症の発症及び重症度の低下があげられる。
  3. C 母乳は利点も多いが、母乳栄養児の方が、人工栄養児に比べ、肥満となるリスクが高い。
  4. D 低出生体重児など、授乳にあたって個別の配慮が必要なケースへのきめ細やかな支援も重要である。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × × ×
正解は2
A:〇 記述の通りです。記述に加えて、様々な保健医療機関の活用、継続的支援や社会全体で支援を進める環境づくりの推進をあげています。

B:〇 記述の通りです。記述に加えて、栄養バランスがよく消化に良い、母体の回復の促進や母子ともに情緒を安定させる等があげられています。

C:× 母乳栄養児の方が、人工栄養児に比べ、肥満となるリスクが低いとされています。

D:〇 記述の通りです。
問15

次のうち、「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」(平成 19 年:WHO / FAO共同作成)の記述として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 乳児用調製粉乳は滅菌された製品ではなく、重篤な疾病の原因となりうる有害細菌によって汚染される可能性がある。
  2. B 哺乳器及び調乳器具の洗浄と滅菌を行う前には、必ず手を石鹸と清浄な水で十分に洗う。
  3. C 乳児用調製粉乳については授乳の都度、新しく調乳することが最良である。
  4. D 乳幼児の髄膜炎や腸炎の発生に関係しているとされるサカザキ菌の感染リスク低減のため、60℃以上の湯で乳児用調製粉乳を調乳する。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は1
A:◯ 記述の通りであり、「乳児用調整粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」第2部「医療環境」等に記載されていますが、乳児用調整粉乳を正しく取り扱うことで疾病リスクを減少させることができるとしています。

B:◯ 記述の通りであり、「同ガイドライン」2.1.3「哺乳及び調乳器具の洗浄と滅菌」に記載されています。

C:◯ 記述の通りであり、「同ガイドライン」2.1.4「PIF(乳児用調整粉乳)を使用した粉ミルクの調乳」に記載されています。

D:× 「同ガイドライン」2.2.5「調乳水の温度」により、感染リスクを減少させるためには、70℃以上の湯で調乳するとしています。
問16

次の文は、「児童福祉施設における食事の提供ガイド」(平成 22 年:厚生労働省)における食事の提供及び栄養管理に関する施設別の留意点についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 乳児院への入所時には、授乳や離乳食の状況、アレルギーの有無等の入所前の家庭での食に関する状況を、病院での看護記録等も含めケースワーカーや家族等からの情報により把握する。
  2. B 障害児施設から特別支援学校(学級)に通学する場合には、障害児への栄養・食生活支援にあたって、家庭、行政、医療機関、特別支援学校との連携が重要である。
  3. C 児童養護施設においては、子どもたちの健やかな発育・発達を促す食事の提供、社会的自立に向けた栄養・食生活支援につながる食育を推進することが必要である。
  4. D 保育所における食事の提供は、集団としての側面を持ちつつも、年齢差及び個人差が大きいこと、離乳食、食物アレルギーのある子どもや障害のある子ども等への配慮が必要な場合があり、柔軟な対応が大切である。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 ×
3 ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は1
「児童福祉施設における食事の提供ガイド」にも記されている通り、解答は以下のようになります。

A:〇 乳児院への入所の際、家庭で提供している食事の状況内容をケースワーカーや家族から聞き把握することで、乳児に対しての食事内容を適切に検討することができます。

B:〇 障害児施設から特別支援学校(学級)に通学する場合には、一貫性のある食生活支援を行うためにも、家庭、行政、医療機関、特別支援学校など地域の様々な機関との連携が重要です。

C:〇 児童養護施設においては、管理栄養士や栄養士が中心となり施設職員等との連携を図りながら、子どもたちの食生活支援につながる食育を推進することが必要です。

D:〇 保育所における食事の提供は、一人一人の食事内容に配慮しながら家族に対しての支援も行い、柔軟な対応が大切です。

 児童福祉施設における食事の提供や栄養管理は、それぞれの施設や入所する子どもの特性に合わせることが重要です。
問17

次の文は、「楽しく食べる子どもに~保育所における食育に関する指針~」(平成16 年:厚生労働省)で掲げられている食育の目標の一部である。正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 食べものを話題にする子ども
  2. B 嫌いなもの、苦手なものが少ない子ども
  3. C 3回の食事をきちんと食べる子ども
  4. D 一緒に食べたい人がいる子ども

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は3
「保育所における食育の目標」として下記5つの子どもの像として掲げています。
①お腹がすくリズムのもてる子ども。
②食べたいもの、好きなものが増える子ども。
③一緒に食べたい人がいる子ども。
④食事づくり、準備にかかわる子ども。
⑤食べものを話題にする子ども。

この5つの子どもの像より、解答は下記の通りです。

A:〇 食べものを話題にする子どもは、「食育の目標」の⑤にあてはまります。

B:× 5つの子どもの像のなかにはありません。

C:× 5つの子どもの像のなかにはありません。

D:〇 一緒に食べたい人がいる子どもは、「食育の目標」の③にあてはまります。
問18

次の文は、体調不良の子どもへの対応に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 下痢がある時には、吐き気、嘔吐、脱水に気をつけ、水分や電解質の補給を心がける。
  2. B 嘔吐がある時には、嘔吐がおさまり水分が飲める状態になってから、食物を少量ずつ与える。
  3. C 脱水症は、体内の水分が減ってしまう状態を指し、尿量が増える。
  4. D ノロウイルス感染症の嘔吐物の消毒には、次亜塩素酸ナトリウムや塩素系の漂白剤等を用いる。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 ×
3 ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は3
A:◯ 記述の通りであり、吐き気や嘔吐が収まってから、少しずつ白湯や乳児用電解質飲料などを与えます。

B:◯ 記述の通りであり、体調や回復に応じて、おかゆなどの食物を少しずつ与えます。

C:×  脱水症状になると、体内の水分が不足し、汗や尿量は減少、泣いても涙が出ないなどの症状が現れます。

D:◯ 記述の通りであり、便や嘔吐物の処理は、処理する人自身への感染と、施設内への汚染拡大を防ぐため、迅速かつ確実に行うことが大切です。
問19

次の文は、「食物アレルギー診療ガイドライン 2016」(日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会)の食物アレルギーへの対応と食事に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 食物アレルギーの基本的栄養食事指導は、必要最小限の食物除去を心がける。
  2. B 食物除去の開始後は定期的に栄養面を評価し、必要に応じて栄養士の協力を得て栄養指導をする。
  3. C 鶏卵アレルギーがある場合、鶏肉は一般的に除去不要とされている。
  4. D 牛乳アレルギーがある場合、洋菓子やホワイトソースに用いられる牛乳は加熱されるので、一般的に除去不要とされている。
  5. E 大豆アレルギーがある場合、醤油、味噌、大豆油は一般的に除去不要とされている。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 × × ×
3 × ×
4 × × ×
5 × × × ×
正解は1
A:〇 必要最小限の食物除去とは過剰な除去を避け、症状が誘発されない食べられる範囲までは除去しません。「念のため」「心配だから」といった根拠のない理由では除去しません。

B:〇 食物除去後は定期的に食べられる範囲を調査し、栄養士に確認を取りながら可能であれば食生活の幅を広げ、食べられる範囲を広げていきます。

C:〇 鶏卵アレルギーがある場合、鶏肉や鶏卵カルシウム、またその他魚卵なども除去不要です。

D:× 加熱された牛乳は牛乳アレルギーとして除去不要ではありません。牛肉や乳糖は除去不要です。

E:〇 大豆アレルギーの場合、調味料などに使われる醤油、味噌、大豆油は除去不要です。
問20

次の文のうち、障害のある子どもの摂食と食事指導に関する記述として、不適切な記述を一つ選びなさい。

 

1 摂食時の姿勢は、軽度の摂食・嚥下障害児では、ほぼ健常者と同じと考えてよい。
2 日常生活で寝たきりが多い児は、誤嚥を防止するために、頸部を少し前屈させるようにする。
3 誤嚥を防止するために、一度に多量の食物を口に入れないようにする。
4 運動麻痺や不随意運動などのある障害児には、食事用自助具の利用や工夫が必要となる。
5 食物をスプーンですくう時にこぼれないように、浅めの皿が使いやすい。
正解は5
1:〇 軽度の摂食・嚥下障害児であれば、食事を嚥下する際には喉の筋肉を使いますが、ほぼ健常児と同じ姿勢で摂食することが可能です。

2:〇 寝たきりが多い児童の場合、ベッドの頭部側を上げて食事介助を行います。しかし、その際に頸部(首の部分)を後屈すると口腔と気道が真っ直ぐになってしまい誤嚥しやすくなります。少し前屈させることで、口に入れた食物が気道に入ることを防げます。

3:〇 記述の通りです。

4:〇 運動麻痺や付随意運動がある児童の場合、手に固定できる食事用自助具を利用したり、食具を児童の状態に合わせて改良するなどの工夫が必要です。

5:× 浅めの皿よりも深めで傾斜がついている皿の方がすくいやすく使いやすいです。
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