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保育士試験
過去問題
平成30年度(前期)

保育の心理学 平成30年度(前期)

問1

次の文は、発達に関する理論についての記述である。( A )~( D )の語句が正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

ブロンフェンブレンナー(Bronfenbrenner, U.)は、生態学的システム論において、人が日常生活で直接・間接に関わりをもつ社会的文脈を、入れ子状の多層モデルとして示した。一人の子どもを中心とすると、第1層は、子どもと親の関係、子どもときょうだいとの関係、子どもと保育士との関係などがあげられ、(A マイクロシステム)と呼んでいる。第2層の(B エクソシステム)では、子どもが保育所に通っているならば家庭と保育所、子どもが小学校に通っているならば家庭と小学校との関係などを示している。第3層の(C メゾシステム)では、親の職業・職場、きょうだいの通う小学校などがあげられている。第4層は(D マクロシステム)と呼び、信念体系、価値観、法律、文化などの社会的文脈が第1層から第3層を取り囲んでいる。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 ×
5 × × ×
正解は3
ブロンフェンブランナーは、アメリカの発達心理学者であり、人間を取り巻く環境を入れ子構造とし、子どもの発達に関する生態学的システム論を提唱しました。

A:◯ 第1層はマイクロシステムと言われ、子どもが直接的に関わる親やきょうだいなどの関係のことを言います。
B:× 第2層はメゾシステムと言われ、子どもが直接的に関わる保育所と家庭、地域同士の関係のことを言います。
C:× 第3層はエクソシステムと言われ、子どもに間接的に関わる両親の職場や、きょうだいの学校などの関係のことを言います。
D:◯ 第4層はマクロシステムと言われ、マイクロ、メゾ、エクソの形態や内容における一貫性を示すシステムであり、国の民族や文化、価値観、法律などが挙げられます。
問2

次の文は、認知発達のメカニズムに関する記述である。【Ⅰ群】の人名及び用語と、【Ⅱ群】の内容を結びつけた場合の適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
  1. A ケーラーの洞察
  2. B パブロフのレスポンデント条件付け
  3. C バンデューラの観察学習
  4. D スキナーのオペラント条件付け
【Ⅱ群】
  1. ア  レモンを思い浮かべただけで、唾液が出てきた。
  2. イ  背伸びしても届かない所に置かれた玩具を取ろうとしていた子どもが、突然ひらめいたように、箱を踏み台として使った。
  3. ウ  正義の味方が活躍するテレビ番組が放送された翌日には、クラスでヒーローごっこが、いつもより盛んに行われた。
  4. エ  ラジオ体操に参加するとスタンプがもらえるので、休まずに参加した。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5
正解は2
A:イ ケーラー(KÖhler,W.)は、ドイツの心理学者で、ゲシュタルト心理学者の創始者の一人です。部屋の隅に箱と棒を置き、バナナを天井から吊り下げた部屋にチンパンジーを入れて観察した「チンパンジーの洞察学習」で知られています。
実験では、チンパンジーはしばらく考えた後に、箱や棒を使ってバナナを取ることに成功しました。このように偶然成功するのではなく、全体として認知(見通)して、初めて問題解決に至る考え方を「洞察説」と呼びます。

B:ア パブロフ(Pavlov,I.P.)は、ロシアの生理学者で、犬に餌とベルを鳴らすことを対呈示すると「ベルの音を聴いただけで唾液を出すようになる」という「条件反射」の実験で有名です。レモンは酸っぱいという経験(学習)をしていれば、レモンを思い浮かべるだけで唾液が出てくる「条件反射」が出ることを、レスポンデント条件付け(古典的条件付け)と呼びます。

C:ウ バンデューラ(Bandura,A)は、カナダの心理学者で、人は他者の行動を観察し、それを模倣することで学習できるとする「モデリング理論」の研究を行いました。

D:エ スキナー(Skinner,B.F.)は、アメリカの心理学者で、ある行動が「強化」という機能によって能動的に学習されることを、オペラント条件付け(道具的条件付け)と呼びました。
問3

次の文は、子ども同士のトラブルに関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 3歳頃に物や場所の取り合いによるトラブルが多いのは、自分の思いを言葉で表現することが十分にできないことが原因の一つであると考えられる。
  2. B 子ども同士のトラブルへの保育士の対応として、どのような場合も見守る・待つ姿勢が大切である。
  3. C ルールを守らないことによるトラブルが5歳頃に多く生じるのは、集団での遊びが活発になってきていることが一つの要因と考えられる。
  4. D 子ども同士のトラブルへの対応として、5歳頃では、保育士は直接的に関与することはない。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × × ×
正解は3
A:◯ 記述の通りであり、言葉の未熟さも一つの原因です。

B:× 保育者が仲介役として手助けが必要がある場合もあります。見守る・待つ姿勢だけでは、けがに繋がるなどの恐れがあり適切な対応とは言えません。

C:◯ 記述の通りであり、5歳頃は自ら考える力も備わってきます。

D:× 保育士が直接関与する場合もあります。5歳頃であっても、子どもだけではトラブルが解決しないことも十分あり得ます。
問4

次の説明及び図は、環境閾値説に関するものである。( ア )~( エ )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

説明

ジェンセン(Jensen, A.R.)は、心身の諸特質の( ア )が顕在化するのに必要な( イ )の質や量は、その特性によってそれぞれ違いがあり、各特性に固有な一定の水準(閾値)があるという見解を述べている。その見解によると特性Aは、極端に不適切な環境でないかぎり、ほぼ完全に発達の可能性が現れる。特性Bは、( ウ )などがこれにあたり、中程度の環境条件が閾値となるものである。特性Cは、環境条件にほぼ比例して発達の可能性が顕在化するもので、( エ )などがこれに当たる。特性Dは、きわめて可能性が好適的な環境条件や特別な教育訓練によって、はじめて顕在化するものである。

 

 

 

(組み合わせ)
1 遺伝的可能性 環境条件 学業成績 知能検査の成績
2 遺伝的可能性 相互作用 知能検査の成績 学業成績
3 環境条件 相互作用 知能検査の成績 学業成績
4 遺伝的可能性 環境条件 知能検査の成績 学業成績
5 環境条件 相互作用 学業成績 知能検査の成績
正解は4
ア:遺伝的可能性

イ:環境条件

ウ:知能検査の成績

エ:学業成績

ジェンセン(Jensen, A.R.)は、心身の諸特質の(ア:遺伝的可能性)が顕在化するのに必要な(イ:環境条件)の質や量は、その特性によってそれぞれ違いがあり、各特性に固有な一定の水準(閾値)があるという見解を述べている。その見解によると特性Aは、極端に不適切な環境でないかぎり、ほぼ完全に発達の可能性が現れる。特性Bは、(ウ:知能検査の成績)などがこれにあたり、中程度の環境条件が閾値となるものである。特性Cは、環境条件にほぼ比例して発達の可能性が顕在化するもので、(エ:学業成績)などがこれに当たる。特性Dは、きわめて可能性が好適的な環境条件や特別な教育訓練によって、はじめて顕在化するものである。

発達は特性によって環境条件の働き方が異なり、遺伝的な特性が発現するかどうかは、環境条件が、特性ごとに決まっている閾値(一定の水準)を超えるかどうかによる」という考え方を「環境閾値説」といいます。
問5

次の文は、乳児期の発達に関する記述である。( A )~( D )にあてはまる語句の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

  1. ・ ( A )ができるようになると、自らの意志で自由に探索行動をするようになる。
  2. ・ 舌、唇、あごの筋肉を協調して動かすことができるようになると、( B )が出現する。
  3. ・ ( C )を獲得すると、遊んでいたおもちゃを隠されて見えなくても存在していることを理解している。
  4. ・ 快・不快の表出から、次第に、喜び、悲しみ、嫌悪、( D )など、感情表出が豊かになる。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 歩行 クーイング アニミズム 怒り
2 歩行 喃語 アニミズム
3 座位 喃語 アニミズム 怒り
4 歩行 喃語 物の永続性 怒り
5 座位 クーイング 物の永続性
正解は4
A:歩行 粗大運動が発達するため、自ら歩くことができるようになります。乳児期の終わり頃から可能になります。

B:喃語 母音中心の喃語から子音のある喃語へと発達し、段々と意味のある言葉を発するようになります。

C:物の永続性 物の永続性を獲得すると、遊んでいたおもちゃを隠されて見えなくなっても、それが存在していることを理解できるようになります。生後9か月頃に獲得します。

D:怒り 快・不快の感情表出後、次第に喜び・悲しみ・嫌悪・怒りなどの感情表出が豊かになってくと言われています。(情緒発達のプロセスには諸説あります。)
問6

次の文は、ピアジェ(Piaget, J.)による感覚運動期に関する記述である。【Ⅰ群】の記述と【Ⅱ群】の内容を結びつけた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
  1. A 第1次循環反応
  2. B 第2次循環反応
  3. C 第3次循環反応
【Ⅱ群】
  1. ア ついたての後ろにおもちゃを隠すと、おもちゃを取るために、ついたてを取り除く。
  2. イ  テーブルの上にある積み木をつかみ、床に落としたあと、別の積み木を違うやり方で投げてみるなど、いろいろ試してみる。
  3. ウ  偶然自分の指が口に触れ、吸ってみた子どもが、そのことに興味があるというように繰り返し同じことをする。
  4. エ  偶然、起き上がりこぼしを足で蹴って音が出ると、繰り返し足で蹴って音を出す。
  5. オ  飛んでいるシャボン玉を目で追う。

 

(組み合わせ)
A B C
1
2
3
4
5
正解は2
ピアジェは、0歳~2歳の乳幼児期を「感覚運動期」とし、乳児は成長とともに自らの体を動かし、その行動の結果からシェマ・同化・調節を繰り返し、「対象物の永続性の理解」や「表象機能」を獲得していくとしました。

A:ウ 第1次循環反応は、動作そのものへ関心が移り、繰り返し同じ動作をすることによって、自分の身体・ものの存在を確かめるという特徴があります。

B:エ 第2次循環反応は、単に動作を適用するだけでは満足できずに、その結果に興味を持つという特徴が見られます。

C:イ 第3次循環反応は、動作が変えると結果も異なることを理解します。相関関係に興味を持つという特徴があります。
問7

次の文は、幼児と他者とのかかわりに関する記述である。【Ⅰ群】の記述と、【Ⅱ群】の用語を結びつけた場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】
  1. A H君(男児)は、I君(男児)を追いかけている。保育室内を走り回っていたI君が「はぁー、はぁー」と言って大型積木の上に腹ばいになる。I君のあとを走っていたH君も大型積木のところへ来て「はぁー、はぁー」と言って腹ばいになる。I君が 「あーぁ、疲れた」と言って起き上がり、大型積木の上に「そーれ」と言って座り直す。 H君も続いて起き上がって「そーれ」と言って座り直す。
  2. B J君(男児)とK君(男児)は、登園するとすぐに「きのうのつづき」と言いながら部屋の隅で大型積木で囲いを作り始めた。次に「ロケット故障、ミッションコントロール、応答ねがいます」「ロケット修理、はじめます」と言いながら、J君が両手で積木を支え、そこにK君が積木を上にのせて、2人で宇宙ステーションを作りあげた。
  3. C 保育士が砂場に行くと、数名の女児が容器に砂を入れて小枝でかき回したり、砂を入れたカップに小石やちぎった葉っぱを散らしたり、容器に入れた砂を手でぱんぱんと固めようとしたりする姿が観察された。それぞれの子どもが思い思いに楽しそうにしているが、子ども同士のやりとりはみられない。
  4. D 園庭に嬉しそうに飛び出したLちゃん(2歳、女児)は、5歳児クラスの子ども達がドッジボールをしている様子をじっと見ていた。Lちゃんは次に砂場に近寄って、4歳児クラスの子ども達が、砂山を作ったり、穴を掘っている様子をじっと眺めていた。「Lちゃんも一緒にやってみる?」と保育士が声をかけると、もじもじしながら後ずさりして少し離れたところでじっと遊びを見ていた。
【Ⅱ群】
  • ア 協同遊び
  • イ 連合遊び
  • ウ 平行遊び
  • エ ひとり遊び
  • オ 模倣
  • カ 傍観者的行動

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5
正解は3
「遊びの分類」というパーテンが提唱した発達についての問題です。

A:オ 周りの友達や大人の真似をすることをいいます。
B:ア 仲間の中で役割分担しながら遊ぶことをいいます。(5歳頃)
C:ウ 近くで似たような遊びをするが、子ども同士の関わりはないことをいいます。3歳頃。
D:カ 他の子どもの遊びを近くで見ていることをいいます。(2歳半頃)

イ:他の子どもたちとのやりとりを通して同じ遊びをすることをいいます。(4歳頃)
エ:友達と関わらず、一人だけで遊ぶ状態をいいます。(2歳頃)
問8

 次の文は、心の理論をもっているかどうかを調べるための課題である。この課題について適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

M児とN児が部屋で一緒に遊んでいた。M児がボールをかごの中に入れた後、部屋から出ていった。M児が部屋にいない間に、N児がボールをかごの中から別の箱の中に移した。M児が部屋に戻ってきたとき、ボールを取り出すために、最初にどこを探すだろうか。

 

  1. A 正答するには、他者が自分とは違う誤った信念(誤信念)をもつことが理解できる必要がある。
  2. B 自閉スペクトラム症の幼児では、知的な遅れがなければ、定型発達児より早く正答する。
  3. C 正答するには、他者の心の状態を推測することができる必要がある。
  4. D 3歳になると、この質問に対してほとんどの子どもが正答することができる。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × ×
正解は3
心の理論とは、他者の心の状態や目的,信念、意図、知識、志向、感情などを推測する心の機能のことであり、心の理念を持っているかどうかについては誤信念課題によって調べられ、「サリーとアン課題」として知られています。

A:〇 記述の通りであり、5~6歳ごろにはほとんどの子どもが獲得できるといわれています。

B:× 自閉症の幼児は、他者の心の状態や感情を推測することが難しく、心の理念の獲得が困難であることが多いです。

C:〇 記述の通りです。

D:× 心の理念の獲得は3歳頃からみられ始めます。ほとんどの子が正答することができるのは5~6歳です。
問9

次の文は、発達観についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 子どもは生まれた時からさまざまな能力を有しており、環境に能動的に関わるという発達観は、20 世紀初めに広がった。
  2. B 「できる」「できない」で発達を捉える行為論的発達観と、「できることをやろうとする」「できないけれどやろうとする」という能力論的発達観がある。
  3. C 発達は遺伝のみによって規定されるのではなく、社会・文化によっても規定される。
  4. D 生涯発達において、青年期以降、知的能力は下降すると考えられてきたが、成人期におけるその人の経験によっては上昇する知的能力もあることが明らかにされてきた。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × ×
正解は5
A:× 発達観が広がったのは20世紀後半のことです。

B:× 能力論的発達観は、「できる」「できない」で発達をとらえるものであり、行為論的発達観は、「できることをやろうとする」「できないけれどやろうとする」で発達をとらえるものです。

C:◯ ヴィゴツキーの「社会文化的発達理論」であり、社会・文化・歴史的な影響を重視しました。

D:◯ 学校で受けた教育や、社会生活で得た経験に基づいた結晶性知能は、その人の経験や習慣によっては上昇されます。
問10

次の乳児と母親のやりとり場面についての記述を読んで、【設問】に答えなさい。

生後9~ 10 か月頃になると、乳児の認識世界には大きな変化が現れる。乳児を抱いている母親が「ワンワンだね」と指し示すと、乳児は犬に視線を向ける。また、棚の上のおもちゃがほしい時に「アーアー」と言いながら身振りで母親に伝えようとする。

【設問】

次の心理学用語のうち、この記述に示されているものを○、そうでないものを × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A 三項関係
  2. B 共同注意
  3. C 共鳴動作
  4. D 情動調整

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 ×
4 × ×
5 × ×

 

正解は2
A:◯ 三項関係とは、記述における乳児・母親・犬やおもちゃの関係のことをいいます。

B:◯ 共同注意とは、記述のように母親が「わんわんだね」と指し示すと、乳児が犬に視線を向けたように、子どもが他の人と同じように物体や人物に対して注意を向けるように、行動を調整する能力のことをいいます。

C:× 共鳴動作とは、新生児が無意識的に大人の動作にあわせて同調的・共鳴的に反復することをいい、新生児模倣ともいわれています。

D:× 情動調整とは、怒りや悲しみや不安などの不快な情動に直面した際に、自分なりの方法で不快な情動を調整しようとする能力のことです。
問11

次の文は、人との関わりについての記述である。A~Dのうち、この記述と関連する用語を○、そうでない用語を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

長期縦断研究によって、自分の乳幼児期の親との関係性の質が、自分が親になった時の子どもとの関係性の質に一定程度、影響を及ぼすことが明らかになってきた。しかしその一方で、乳幼児期に望ましい親子関係を形成することができなかったとしても、適切で継続的なキーパーソンの存在によって、その後の人生において安定的な関係性を築くこともあることが示されている。

 

  1. A インクルージョン
  2. B レジリエンス
  3. C アタッチメント(愛着)
  4. D ソーシャル・アクション

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 ×
4 × ×
5 × ×
正解は4
A:× インクルージョンとは、全体をまとめる、包み込むという考え方であり、教育において、障害のある子どもと障害のない子どもが共に教育を受けることをインクルージョン教育(インクルーシブ教育)といいます。

B:〇 レジリエンスとは、「回復力」「弾力性」「適応性」といわれ、ストレスのかかった状態に耐え乗り越えていく力のことをいいます。

C:〇 アタッチメントとは、特定の人と結ぶ情緒的な心の絆であり成長の過程で周りの人との関わりを通して獲得していくものです。

D:× ソーシャル・アクションとは、福祉制度の創設や改善を目指して世論に働きかける活動のことです。
問12

次の【事例】を読んで【設問】に答えなさい。

【事例】

P君(5歳、男児)は、電車のおもちゃで遊んでいる。まず、(a)緑色の電車とオレンジ色の電車に分けて置いた。次に、(b)先頭を揃えて同じ色の電車をつなぎ、一番うしろが揃っていないことをしばらく見比べていた。そして、(c)一台ずつ指でおさえながら、緑色の電車を「いち、にぃ、さん、よん。」と声を出して数えた。続けてオレンジ色の電車を「いち、にぃ、さん、よん、ご。」と数えた。 (d)「オレンジでんしゃは、ごこ。」と嬉しそうに言った。

【設問】

(a)~(d)の下線部分に関連する語句を、【語群】から選択した場合の最も適切な組み合わせを一つ選びなさい。

【語群】
  • ア 高さの理解
  • イ 分類の理解
  • ウ 長さの理解
  • エ 系列の理解
  • オ 計数
  • カ 数唱
  • キ 集合数の理解
  • ク 数の保存

 

(組み合わせ)
a b c d
1
2
3
4
5
正解は1
a:イ 色の分別ができていることから、色における「分類の理解」ができていることになります。
b:ウ それぞれの電車の長さを比べていることから、「長さの理解」ができていることになります。
c:オ それぞれの色の電車の数を数えていることから、「計数」ができていることになります。
d:キ オレンジ色の電車の数(集合数)を数えていることから「集合数の理解」ができていることになります。

なお、カの「数唱」は、「1.2.3.4.....」と順番に数を唱えることであり、クの「数の保存」とはピアジェが提唱した物の大きさなどが変化をしても、物の数は変わらないという概念のことをいいます。
問13

次の文は、エリクソン(Erikson, E.H.)による青年期の特徴についての記述である。( A )~( D )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

青年期を( A )の時代と呼んだ。この用語は、( B )やある種の社会的責任に猶予が認められる期間の意味で用いられている。この期間に青年は職業生活に必要な知識や技術を獲得するだけでなく、内省力が増し、自分を見つめ、積極的に( C )を行い、( D )の確立を模索するといわれている。

【語群】
  • ア 社会的スキル訓練
  • イ アイデンティティ
  • ウ 社会的役割実験
  • エ 心理的離乳
  • オ アサーション
  • カ 第二次性徴
  • キ モラトリアム
  • ク 経済的自立

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2
3
4
5
正解は5
A:キ モラトリアム
B:ク 経済的自立
C:ウ 社会的役割実験
D:イ アイデンティティ
 
アの社会的スキル訓練とは、対人的な問題行動や心理における社会的問題を抱えている人たちを対象に適切な技巧や行動を学習していくものです。
エ の心理的離乳は、思春期や青年期において生じ、家族からの精神的分離や自立を示します。
オのアサーションは、コミュニケーション方法であり、相手と対等な立場に立ち自己主張するためのスキルのことです。
カの第二次性微は、思春期における性別ごとの身体的な発達や成熟のことをいいます。
問14

次の文は、保育所での生活習慣の形成に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 生活習慣を身に付けるために、家庭との連携は不可欠であり、食事、排泄、睡眠について連絡帳などで情報交換を行う。
  2. B 3歳以上の幼児クラスでは、午睡をするか、午睡の時間を遊んで過ごすかを幼児自身が選ぶようにする必要がある。
  3. C 子どもの生活リズムの個人差を配慮するためには、ランチルームや午睡室などを設置しなければならない。
  4. D 子どもが主体性を身につけるようになると、自分で判断するようになり、一旦、できるようになった基本的生活習慣行動をしなくなることもある。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は3
A:◯ 生活習慣を身に着けるためには、保育所と家庭が共同で情報共有をしながら進めていくことが重要です。保護者と情報共有するためのツールが「連絡帳」です。

B:× 保育時間によって午睡を必要とする子どもと必要としない子どもが混在する場合があるが、午睡する、しないの判断は保育者が子ども一人一人の成長と体調を考慮し、保護者と相談の上で決めるものであり、幼児自身に選ばせることではありません。

C:× 子どもの生活リズムの個人差を配慮する必要はあるが、保育園設置基準において、ランチルームや午睡室の設置は必須ではありません。

D:◯ 主体性とは「自ら考えて行動する力」のことを言い、子ども自身が考えた結果、まだ遊びたい、他にやりたいことがあるなどの理由で基本的生活習慣行動をしなくなることもあります。
問15

次の文は、保育所における3歳以上児での保育実践に関する記述である。次の【設問】に答えなさい。

【設問】

保育士の指導のもとに子どもたちが一斉に活動する場面で、クラスの子どもに期待されることとして、最も不適切な記述を一つ選びなさい。

 

1 黙って、感情を出さずにじっとしていることを身に付ける。
2 保育士の話は自分だけに向けられているのではないことに気づく。
3 朝の会、給食などには、それぞれの手順があることを知る。
4 場面に応じた話し方があることを子ども自身の発表経験などを通して知る。
5 一対多のコミュニケーションが、一対一のコミュニケーションと異なることを経験する。
正解は1
1:× それぞれが自己や自信をもって自発的に行動することができるようにします。
2:◯ 記載の内容は適切です。
3:◯ 記載の内容は適切です。
4:◯ 記載の内容は適切です。
5:◯ 記載の内容は適切です。

「保育所保育指針」第2章3「3歳以上児の保育に関するねらい及び内容」(1)基本的事項アによると、「この時期においては、運動機能の発達により、基本的な動作が一通りできるようになるとともに、基本的な生活習慣もほぼ自立できるようになる。理解する語彙数が急激に増加し、知的興味や関心も高まってくる。仲間の中の一人という自覚が生じ、集団的な遊びや協同的な活動も見られるようになる。これらの発達の特徴を踏まえて、この時期の保育においては、個の成長と集団としての活動の充実が図られるようにしなければならない。」としています。
問16

次の図及び、説明は、「家族と地域における子育てに関する意識調査」(平成 25 年 内閣府)における「家族の役割として重要なこと」を示したものである。( A )~( C )にあてはまる語句を【語群】から選択した場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

説明

平成 19 年と平成 25 年において、最も高いのは5割以上の「( A )」であり、家族の最も基本的機能についての年代の大きな変化はみられない。「夫または妻との愛情をはぐくむ」、「( B )」、「経済的に支え合う」は平成 19 年に比べ平成 25 年は、それぞれ 10 ポイント前後高い。「( C )」は最も減少しており、保育所における役割が増しているといえる。

【語群】
  • ア 生活面でお互いに協力し助け合う
  • イ 子どもを生み、育てる
  • ウ 基本的な生活習慣や礼儀作法を身につける

 

(組み合わせ)
A B C
1
2
3
4
5
正解は1
平成25年内閣府における「家族と地域における子育てに関する意識調査」(2)「家族の役割として重要なこと」により、以下の通りとなります。

A:ア 全体で最も多いのは「生活面で協力し助け合う」(51.0%)です。

B:イ 平成19年の調査と比較して10ポイントほど高いのは、「子どもを生み、育てる」36.0%であり、平成19年の24.7%から上位にあげられています。

C:ウ 平成19年度の調査から家族の役割として最も減少したのは、「基本的な生活習慣や礼儀作法を身につける」です。
問17

次の【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】

1歳 11 か月の男児。1週間前から保育所に入所した。入所前は、母親が自宅で養育していた。入所初日からためらいもなく、どの職員にも接近してベタベタと身体的接触をし、職員室についていくなどの行動が目立った。その行動特徴は、入所1週間一貫して観察された。この男児には、こだわり行動や言葉の遅れはなく、相互的に保育士と遊ぶことはできた。

【設問】

この子どもと家族に対して保育士として行うべき対応について、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

 

  1. A 初めての入所であるため、多くの大人に接近し状況に適応しようとしていると捉え、この男児を温かく見守る。
  2. B 人見知りが少ないことを、他の子どもに比べて成長が早いと、肯定的に母親に伝える。
  3. C お迎えの時の母親に対する男児の行動などをよく観察する。
  4. D 児童相談所などの虐待通報機関に通報を行うかを保育所全体で検討する。

 

(組み合わせ)
A B C D
1
2 ×
3 × ×
4 × × ×
5 × ×
正解は5
A:× 発達過程において特に問題にもかかわらず、「入所初日からためらいもなく、どの職員に対してもベタベタと身体的接触をする状況が1週間継続する」ということは通常の子どもにみられる行動ではないため、注意・観察の必要があります。温かく見守ることも大切だが、保護者からも自宅での様子や言動などについて聞き、観察し記録として残すといった対応が必要です。

B:× 人見知りが少ないことと、成長の早さは必ずしも関係があるとは言えません。また、子どもの成長は個人差が大きいため「他の子どもに比べる」ことも不適切な対応です。

C:◯ 記述通りです。送迎時に、子どもの母親に対する言動や行動をよく観察することは適切です。

D:◯ 記述通りです。男児の行動は虐待が原因である可能性も考えられるため、これまでの情報をもとに虐待通報機関に通報を行うかどうかを保育所全体で共有し検討する必要があります。
問18

次の文は、保育所における守秘義務に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 保育士は、「児童福祉法」で守秘義務が課せられている。
  2. B 関係機関の話し合いのあと、個人情報が入った配布資料は、出席者が各自で管理するため持ち帰ってもよい。
  3. C 児童虐待の通告義務は、守秘義務より優先される。
  4. D 保育所が医療機関へ入所児の病気について個別に問い合わせる場合は、保護者の同意は不要である。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 ×
5 × × ×
正解は3
A:◯ 記述通りであり、「児童福祉法」第18条の22に規定されています。

B:× 個人情報が記載されているものを使用した場合、各自で持ち帰ることは不適切な対応であり、その場で回収する必要があります。

C:◯ 記述通りであり、「児童福祉法」第25条において義務付けられています。

D:× 入所児の病気について保育所側が医療機関に直接問い合わせる場合は、あらかじめ保護者の同意が必要です。
問19

次の文のうち、保育士の対応として適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 担当の保育士が代わる場合は、子どものそれまでの発達過程等をまとめ、引き継ぎをした。
  2. B 子どもの体調が悪くないにもかかわらず、たびたび保育所を休ませてしまう保護者を強く叱責した。
  3. C 子どもが登園してきた際、保護者に家庭での様子を聞くようにしている。
  4. D 保幼小連携のため、保育所で小学校1年生の学習参考書を取り寄せ学習させた。

 

(組み合わせ)
A B C D
1 ×
2 × ×
3 × ×
4 × ×
5 × × ×
正解は2
A:◯ 適切です。担当の保育士が代わる場合、子どもの発達過程等の情報だけでなく、それまでの家庭や保育所における生活や遊びの中での子どもの様子、好きな遊びや玩具、絵本などについても、担当者の間で漏れなく引継ぎを行い、担当が代わっても子どもが安心して過ごせるような配慮をすることが大切です。

B:× 不適切です。まずどのような理由で休ませているのかを保護者から丁寧に聞くべきであり、強く叱責することは不適切です。

C:◯ 適切です。子どもの登園時は保護者とコミュニケーションを取る機会です。登園時に保護者から家庭での様子を聞くことは、適切な対応です。

D:× 不適切です。保幼小連携は大切ですが、学習の順番を考慮せずに小学校1年生の学習参考書を取り寄せて学習させるのは、不適切です。
問20

次の文は、不登校に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を × とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

  1. A 文部科学省の不登校の定義において、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況があげられている。
  2. B 不登校は、病気により入院治療を受けている場合や、家計が苦しく教育費が出せないなどの経済的な問題による長期欠席も含まれる。
  3. C 「平成 27 年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(速報値)について」(平成 28 年 10 月 文部科学省)によると、不登校の要因で最も多いものは「いじめ」であり、過半数を占める。
  4. D 学校における不登校の児童生徒への対応として、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの連携、教育支援センターやフリースクールなどでの教育機会の確保など、さまざまな支援を検討することが推奨される。
  5. E 「「不登校に関する実態調査」 ~平成 18 年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)」(平成 26 年 7 月 9 日 文部科学省)によると、中学校の時に不登校だった生徒について、20 歳現在で就学あるいは就業している者は 10%以下である。

 

(組み合わせ)
A B C D E
1 ×
2 × ×
3 × × ×
4 × × ×
5 × × ×
正解は3
A:◯ 記述の通りであり、文部科学省の定義により「不登校」には、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により児童生徒が登校しない、あるいはしたくともできない状況にある者(ただし、「病気」や「経済的理由」による者を除く。)としています。

B:× 選択肢Aの解説にもあるように、病気により入院治療を受けている場合や、家計が苦しく教育費が出せないなどの経済的な問題による長期欠席は、不登校には該当しないため記述は不適切です。

C:× 国公立・私立関係なく小中学生の不登校の原因(学校にかかわる要因)で最も多いのは、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」であり、いずれも過半数を占めているため記述は不適切です。

D:◯ 記述の通りであり、学校内での養護教諭や相談員の支援も多く利用されています。

E:× 中学校の時に不登校だった生徒が、20歳現在で就学あるいは就業している者は、約82%に上っているため記述は不適切です。
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