2021-08-10
家庭でできる熱中症対策
Category:子育てにお役立ち情報
毎年夏になると、テレビや新聞でよく熱中症のニュースが報じられます。
そもそも熱中症とは、気温や湿度の高さや風通しの悪い環境などの原因により体温調節ができなくなったことで引き起こすさまざまな症状のこと。炎天下で直接日差しを浴びるだけでなく、空調の効かない屋内に居ても起こるので注意が必要です。
ここでは、熱中症のおもな症状やご家庭ででできる対策などについてご紹介します。
子どもは熱中症のリスクが高い
人間は脳の視床下部にある中枢の指示で体温調節をしていますが、子どものうちはこの機能が未熟。また、大人の体の水分量は60%なのに対し子どもは70~80%なので、汗や尿で失うことを考えると大人に比べて必要な水分量が多いことがわかります。
つまり、熱が体内にこもりやすいうえに水分を多く必要とするため、子どもは熱中症にかかりやすいのです。
そもそも、大人に比べて子どもは背が低いので路面からの照り返しの影響も。ベビーカーの乳幼児にいたっては、より一層地表温度に近い高熱の環境で過ごしていることになります。
さらに、遊びに夢中になった子どもは自分の体調変化に鈍感です。たとえ具合が悪いと思っても、具体的に症状を言葉にすることもできません。
そのため、周囲の大人がいつも気を付けてあげる必要があります。
熱中症の症状と対処
めまいや立ちくらみといった「熱失神」が起こったら、熱中症の初期症状かもしれません。倒れたり、吐き気や頭痛を伴うケースもあります。手足がつったり部分的にけいれんする「熱けいれん」も軽度の熱中症です。熱失神や熱けいれんの場合、少しずつ回復しているようならご家庭での応急処置で様子をみましょう。
また高熱や嘔吐、下痢など「熱疲労」の症状が見られたら中度の熱中症。熱射病の前段階といえます。この段階になると医療機関に診せるのが良いでしょう。
そして重度の症状というのがいわゆる「熱射病」で、死に至ることもある危険な状態です。意識障害やショック状態になることもあります。命の危険があるのですぐに救急搬送してください。
熱中症の応急処置
子どもに熱中症の疑いがあるときはまず涼しい場所に運び、楽な体勢で寝かせます。そして意識があるかどうかを確認してください。このとき嘔吐がある場合は軌道が詰まる恐れがある仰向けではなく、横向きに寝かせます。
意識があるようなら、水分と塩分が同時に補給できる経口補水液やスポーツ飲料を飲ませましょう。口から水分補給ができない場合は、無理やり飲ませると肺に入ったり嘔吐したりする危険性があるので、すぐに医療機関に連れて行ってください。
家庭で行うべき熱中症対策
熱中症は予防することが可能です。
ご家庭でも正しく予防して、子どもたちを熱中症の危険から守ってあげましょう。
■水分補給させる
熱中症予防の基本は、こまめな水分補給です。食事やおやつのときだけでなく、運動する前後やお昼寝の前後にも子どもたちに水またはお茶を飲ませてください。炎天下の屋外で遊ぶ時などは経口補水液やスポーツ飲料を薄めたものがおすすめです。
■温度・湿度を管理する
熱中症は屋内でも起こります。エアコンなどで家の中の温度と湿度を調整しましょう。夏の暑い時期の理想の温度は26~28度、湿度は50~60%。冷えすぎも良くないので、扇風機やサーキュレーターを併用するなどして、5度以上外気温と差が出ないようにコントロールしてください。
■直射日光を避ける
真夏の外遊びでは直射日光を避け、日陰や風通しの良い場所で遊ばせましょう。最も日差しの強い時間帯を避けるなどの工夫も必要です。
出かける時は、通気性の良い服装やつばの付いた帽子を着用させてあげましょう。