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幼児向け英語教室など、子どもの英語教育に関心を持つ家庭は少なくありません。
一方、国立情報学研究所の新井紀子さんは、まず母国語である日本語を正しく扱う力が大切だと指摘します。
英語と日本語のどちらにもつながる「読む力」について考えます。(※2026年5月20日の朝日新聞の記事を参考にしています)
新井紀子さんは、「読む力は学力の上限を規定する」とされていることに注目しています。
これまで読解は脳の中で行われるため直接観測することが難しく、「書く」「説明する」「解く」といった結果から学力を測ってきました。
しかし、教科書や新聞をどの程度正確に読めるかを測る「リーディングスキルテスト(RST)」によって、読む力そのものを捉えられるようになりました。
幼児期から英語に触れることも魅力的ですが、日本語で文章を理解し、自分なりに考える力も忘れてはいけないのだと感じます。
RSTを導入した自治体は98あり、読解力や学力が大きく向上した地域では、いくつかの共通した取り組みがありました。
その一つが、教師が子ども一人ひとりのRSTの結果と普段の様子を結びつけて考えることです。
成績が良くても読むことに苦労していたり、授業への参加態度だけでは分からない力を持っていたりする可能性に気づけるといいます。
保育士や英語保育士など、日常的に子どもと接する大人にとっても、「できた・できない」だけでは見えない部分に目を向けるという考え方は参考になりそうです。
成果が見られた自治体では、算数や理科、社会科の教科書を使った視写、聴写、音読などにも取り組みました。
デジタル教科書が使われる時代に昔ながらの方法にも思えますが、新井さんは、こうした基礎的な力があってこそ「考えること」に集中できるとしています。
また、「教科書を読み解くこと」を授業の中心に据えることも重要だといいます。
話し合いや自分の意見を発表するためにも、まず何を根拠として考えるのかを共有する必要があるからです。
新しい教育方法だけに目を向けるのではなく、読むという基本を丁寧に積み重ねることにも意味があるのだと思います。
教科書は、家庭環境にかかわらず子どもたちが同じところから学び始められる共通の基盤でもあります。
新井さんは、時間があれば翌日に学ぶ教科書の見開き2ページを子どもに音読してもらい、大人が耳を傾けることを提案しています。
ほんの数分なら、忙しい家庭でも取り入れやすいのではないでしょうか。
英語教育に関心がある家庭でも、日本語か英語かという二者択一で考える必要はないと思います。
まず文章を正確に読み、内容を理解し、そこから自分で考える。
子どもの将来の学びを支えるために、保育や家庭の中でも「読むこと」を楽しめる時間を大切にしたいものです。