子どもの脳は3歳で80%出来上がる
赤ちゃんの脳の発達の早さは想像以上。乳幼児期には驚くべき早さで脳細胞のネットワークが構築されます。大切な乳幼児期にたくさん刺激を与えてあげて、脳の発達を促してあげたいですね。
「三つ子の魂百まで」は理にかなっている?
「三つ子の魂百まで」ということわざがあります。これは、子どもの頃の性格や資質は大人になっても変わらない、ということ。「3歳児神話」など、3歳を一区切りとする風習は昔から日本にあるようですね。
現代社会においては賛否両論ありますし、故事やことわざがすべて科学的に裏付けされた理論ではありません。ですが、この「三つ子の魂百まで」はある程度理にかなっていることが証明されています。子どもの脳は幼児期、特に3歳までに驚くほどの発達を遂げるのです。
子どもの脳は3歳で80%出来上がる
近年は脳科学の研究が進み、赤ちゃんの脳の発達について様々なことがわかってきました。中でも驚くのがその発達の早さ。人間の脳は3歳で約80%、6歳で約90%、12歳でほぼ100%完成するといわれています。
これは、アメリカの人類学・医学者であるジャクソン・スキャモンという人が提唱しました。
脳細胞のネットワークが飛躍的に発達
脳の神経細胞を相互に接続するシナプス。このシナプスの結合が急速に増えるのが幼児期なのです。
人間は生まれたときに約140億個の脳神経細胞をもっていて、その数は生涯増えることはありません。ではなぜ脳が発達するかというと、脳神経細胞同士を繋ぐネットーワークを構築されるからなのです。
脳神経細胞は核の周りからアンテナを枝状に伸ばしていきます。その先端にはシナプスという接触部分があります。脳神経細胞は複数無限にアンテナを伸ばしていき、他の神経細胞と繋がることでネットワークを構築します。それぞれシナプスでつながった脳神経細胞は電気信号を通じてさまざまなやり取りをします。そのやりとりがどんどん増えていって脳が発達するのです。
様々な刺激が脳を発達させる
赤ちゃんの脳は外部からの刺激でどんどん発達します。外部からの刺激を受けることで脳神経細胞のアンテナが複数伸び、シナプスによって他の神経細胞と繋がります。
外部からの刺激とは、見る・聞く・匂う・触る・味わうといった基本的な五感の他に、親やきょうだいと触れ合う・笑顔で見つめられ、話しかけられる・泣いたら助けてくれる、お腹がすいたら満たしてくれるなど、信頼できる周りの大人達と普通に過ごすことです。難しい知識や高価な道具などは何もいりません。一言で言うと周りからの愛情。乳幼児期の赤ちゃんは情緒面で発達がとても大切です。
1回の刺激で完成しないネットーワークも、何度も同じ刺激があれば強いネットワークになります。これは反復すれば(練習すれば)できるようになる、という大人の感覚と同じ。逆に、使われなくなったネットワークはどんどん減少していきます。このように、脳内の神経細胞はネットワークの構築と減少を繰り返しながら発達していきます。